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海の中の孤独( 星屑ドライブ・毎週ショートショートnote)

 わたしの隣を流れるものは、赤色に発光している。
「ああ、もうあなたに追いつけない。あの青く光る場所に、一緒に辿り着きたかったのに」
 確かに振り返らなければ、もうその姿が見えない。
「あなたが一番最初に光った色が、とても綺麗だったから、あそこに着地したかった……」
 そう言い終えると、永らく隣にいたものは、黒い煙となり消えた。
 わたしはひとり、猛スピードで青色の地を目指す。

 この星の大気圏に突入した刹那、燃え上がったお互いのからだ。その炎のあまりの美しさに、少しはしゃぎ過ぎた。燃え尽きるとも知らず。
 ただの塵として宇宙空間を彷徨っていた頃から、いつもなんとなく、ずっとずっと側にいたのに。消えてしまってから、大切だったと気がつくなんて。

 どぼん。と大きな音がして、心地の良いものがわたしを包む。そうして急激に冷やされて、わたしはまたからだを取り戻す。
 これからたったひとり、青い世界で生きていく。かつて隣にいたものを忘れないように。


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