【白鯨との闘い】捕鯨時代のヒューマンドラマ。鯨と人間、意外な結末!【ネタバレ無し】
皆さんは、「白鯨」という小説を知っていますか?
アメリカ人作家のハーマン・メルヴィルによって書かれた、実話を元にしつつオリジナル要素を入れ、当時の捕鯨技術の要素等も描かれている長編小説です。
今回は、そんな小説作品「白鯨」自体のモデルとなった実話を映画化した作品、『白鯨との闘い』をレビューしていきます。
※ネタバレ無しのレビューです。
舞台は捕鯨時代
舞台は石油が発見される以前、鯨油で夜の明かりを灯していた時代です。
鯨の乱獲で、絶対数が減ってしまったことは有名な歴史の話ですが、今作はまさにその時代ど真ん中のお話です。
あらすじ
タイトルが『白鯨との闘い』なので「鯨VS人間」という風にイメージが先行していますが、実際はヒューマンドラマに重きを置いた作品です。
人間と白鯨との壮絶な闘い、というアクション映画のようなバトル展開を期待して視聴するとあまり楽しめないかもしれません。
簡単な登場人物
・オーウェン・チェイス
エセックス号の一等航海士。技術・才能のある優秀な人物。
船長としての素質を持っているが、余所者ということで今回の船長候補から外されてしまった。
・ジョージ・ポラード
捕鯨船で船長となるべく教育されてきた、職を選べなかった船長。
今回が初航海となる。他の船員に比べ捕鯨に対する情熱は無い。
・マシュー・ジョイ
主人公であるオーウェンの幼なじみ。二等航海士として、共にエセックス号に乗船する。
酒癖が悪いようで、禁酒している。
・ハーマン・メルヴィル
「白鯨」を書いた小説家。捕鯨船で起きた実話を聞くためにトーマス宅を訪れる。
・トーマス・ニカーソン
捕鯨船での生き残りとして、秘密を長年ひとりで抱え続けている老人。
乗船当時は14歳の少年。初航海で白鯨に遭遇する。
総評・見所
捕鯨時代の様子が分かる
派手さは意外と無いものの、物語の緩急がうまく、あっというまに時間が過ぎた、という印象です。
哺乳類最大の生物、鯨に人間達がどうやって挑むのかと思い観てみましたが、狩りの様子は非常に古典的で興味深かったです。
鯨油の収集の仕方も船上で実際に行われていた様子をモデルにされており、勉強になりました。
船長と一等航海士、語り手の水夫の少年はじめ、様々な人種の船員達の関係性も、地味ですが、感動します。
鯨の映像が綺麗で迫力がある
海を泳いでいる鯨の映像が綺麗で、迫力があります。
白鯨と人間との命のやり取りの様子はネタバレになるので記載しませんが、最後までハラハラしました。
船長と一等航海士の関係性の変化
正反対と言ってもいい船長と一等航海士の二人も、非常に殺伐とした関係で目が離せません。
未熟な船長と熟練で才能もある航海士。それぞれに思惑や感情があり、どちらも非常に人間くさい人物です。この二人の内面的な成長・変化も必見です。
リアリティのある心理描写
実話を元にされた作品だけあり、生きるために取られた衝撃的な行動も、自分だったらどうするだろうかという視点で観てしまいます。初の航海での水夫の少年のトラウマは相当なものだっただろうというのは、想像に難しくありません。
誰かに打ち明け、語ることで心の重荷を減らすことも非常に大切だと感じました。
マーベル作品の二人が出演
マーベル作品のマイティ・ソー役のクリス・ヘムズワース、スパイダーマン役のトム・ホランドが出演しています。
毛色の異なる作品なのでマーベル作品と同じテンションで観ようとすることはオススメしませんが、ファンの方でもし気になるようであれば、是非観てみて下さい。
この作品がオススメな人
捕鯨時代に興味のある人
実話を元にした作品をみたい人
クリス・ヘムズワース、トム・ホランドのファン
リアリティのあるヒューマンドラマ、登場人物達の成長・変化が観たいとい方にもオススメです。
反対に、グロテスクなシーンが苦手な人や、鯨の狩猟・解体シーンがあるので、鯨が大好き!!という人にはあまりオススメ出来ません。
最後に
以上、『白鯨との闘い』のレビューでした。
タイトルや広告の文言からの印象とは違った、ヒューマンドラマに重点を置いた作品でしたので、視聴の際はご注意下さい。
個人的には、嫌いでは無い作品です。
興味のある方は、是非観てみて下さい!
では、最後まで読んで頂きありがとうございました!