「イラストを仕事にする」ということ

イラストを描く方にとって、一度は夢見たことがあるであろう「イラストレーター」や「漫画家」という職業。かくいう私の小学校のころの夢も漫画家になってバリバリ働くことでした。華々しいイメージがあるこれらの職業ですが、実際の内容はどういったものなのでしょうか。私が実際にイラストの仕事に携わってみて、個人的に思ったメリット・デメリットを挙げていこうと思います。

申し遅れました。私はミツイアオと申します。普段は「SKIMA」というクラウドソーシングサイトでイラストや漫画を作成しています。一念発起して昨年の9月にたっかい液タブとペイントソフトを買って、このような活動を始めました。当記事は、イラストに興味ある方はもちろん、興味の無い方でも楽しんでいただけるように執筆していくつもりです。それではさっそく、メリットとデメリットについてそれぞれ2点ずつ挙げていこうと思います。

メリットその1　自分に自信が持てるようになる

イラストの仕事をする一番のメリットは、個人的にはダントツでこれだと思います。私は、noteやSKIMAでの仕事を始める前に、Twitterで自分自身のイラストを細々と投稿していたのですが、渾身の出来だ！！！！！！！と思ったイラストも、いざTwitterに投稿してみると想像よりいいね・RTが伸びず、おまけに周りのフォロワーの方はどんどんいいね・RTを伸ばしていくのを見て、日に日に焦りが強くなっていくのに加え、次第に絵を描くことに対してネガティブになっていきました。しかし、私は今年の3月にありがたいことにお仕事を受注しました。そこから「私の絵を必要としてくれる方がいる！」という思い、そして「私の絵にはお金を払ってでも求めてくれる価値がある！」という認識が強まり、ふさぎ込んでいた暗鬱とした気持ちが少しづつ晴れ、いまではとても前向きな気持ちで創作活動ができています。これはイラストだけでなくすべてに通じる話であると思いますし、こういった形で他人から認められるというのは非常に人間生活において大事だなあと思います。

メリットその2　自分のポテンシャルがわかる

これについてはそれこそイラストの仕事だけに限らないと思いますが、私は長期案件などだと受注直後は「まだ時間があるから大丈夫」などと思い、納期ぎりぎりまで仕事をため込んで終盤に連日深夜まで仕事するみたいないわゆる「サボり癖」があるなと痛感いたしました。私はまだ大学生の身分なので、これから社会人になるにあたりそのへんの自己分析ができたのは大きな収穫であったと思います(笑)。

デメリットその１　趣味としての絵が描けない

ここからはデメリットの紹介になりますが、まず挙げられるのは「趣味としての絵が描けない」といった点だと思います。案件のイラストとなると、ご相手の方から事細かなご要望をいただき、それに沿って作成する、といった流れになりますが、比較的クリエイター側に任せるクライアントさんもいれば、かなりこだわってご注文されるクライアントさんもいらっしゃいます。また、20ページほどの漫画の案件などとなるとかなり長期の案件になりますので、自分は長期案件を承っていたときはそのことで頭がいっぱいになり、あまり趣味で好きな絵を描くことができませんでした。自分の描きたいものを自由に描いてのんびり見てもらいたい、といったスタイルの方はイラストの仕事は一歩引いて考えてみるのもいいかもしれません。

デメリットその2　多くの人は「イラストだけ」で稼ぐのは厳しい

この点についてはある程度周知かとも思われますが、「イラストだけ」で稼ぐのはめちゃくちゃ大変です。私も3月から案件を受注して現在(2021年9月)に至るまで案件を6件受注していますが、とても生活できるような金額を貰っていません。そもそもクラウドソーシングのイラスト案件では30000円を超えるような高額案件は件数が少なく、多くは5000円前後の数枚絵案件が多いです。さらに、それらをこなすのに平均2週間くらいはかかりますから、時給に換算すると駄菓子も変えないレベルです。ですから、クラウドソーシングを本業にして食つなぐというのは非常に厳しく、私は人材派遣バイトと両輪を回して収入を得ていました。ただ、これに関しては稼ぐのが厳しいというだけで、市場を独占するような人気クリエイターになった場合、ある意味では最高のメリットになりえるかもしれません。(受注件数が増えたら人気クリエイターとしてランキングの上位に表示され、非常に依頼率が高くなります。)

先日私のTwitterアカウントで絵描きさんを対象にアンケートを行ったところ、約70名の方のうち6割の方が「イラストの仕事の経験がない」とご回答されていました。イラストを仕事にしたい人も、これからデジタル絵を始めるよといった方も、この記事を参考に創作活動の励みにしていただければ幸いです。それでは、ミツイアオでした。

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