#こんな本を買った
文房具を買いに 片岡義男 角川文庫
若い頃、書店の角川文庫の棚には、ズラッと片岡義男が並んでいた。壮観だった。ただし、その棚のから本を抜き出して手にとってみたことはなかった、と思う。
アメリカのポップな音楽、映画、小説、そういうものに興味が向いていなかったから、それと同じような匂いがする片岡義男の作品にも興味を惹かれなかったのだろう。読みたい本はたくさんあって、でも、限られたお小遣いの中からそれらを手に入れるためには、寄り道をし
あのころ、早稲田で 中野翠 文春文庫
仕事の師匠から、昭和史をテーマにした仕事をすることになって、打ち合わせをしていると、学生運動や安保闘争について、よく「そんなことも知らないのか?」と言われた。
私はちょっと特殊な単科大学で学生時代を送った。だからか、大学の教職員も含めた周囲に、学生運動や安保闘争に携わったことのある人(少なくとも、そう公言する人)はいなかった。
あさま山荘事件は、テレビ中継の映像を覚えている。叔父が警察官で
銀座アルプス 寺田寅彦 角川ソフィア文庫
以前から寺田寅彦の随筆を読みたいなと思っていたのだけれど、岩波文庫はどうも紙面に馴染めなくて、書店で岩波文庫の棚から寺田寅彦随筆集を抜いてはまた元に戻す、ということを繰り返していた。
寺田寅彦といえば「科学随筆」というイメージが植え付けられていて、その「科学」というワードにひるむものもあった。
これは、中谷宇吉郎や岡潔といった”理系”の作者に対しても持っているのだけれど。
紀伊国屋書店新宿