【ガンダムUC】ラプラスの箱は時代遅れの産物で、鍵のユニコーンガンダムが戦禍を生む。
閃光のハサウェイ、ガンダムNT、逆襲のシャアときてガンダムUCまで到達した。
正直言って1番理解しにくいガンダムだが、中身が詰まっているのを感じる。
ガンダムUCの背景
U.C. 0001―。
宇宙への移民が始まった、新たな時代。
西暦から宇宙世紀(Universal Century : U.C.)に移るセレモニーが行われていた地球連邦政府の首相官邸、宇宙ステーション〈ラプラス〉が爆破テロにより粉々に砕け散る。
貧しさからそのテロ事件に加わった青年サイアムは、〈ラプラス〉の爆発に巻き込まれ、残骸の中である物を発見する。
それは後に『ラプラスの箱』と呼ばれることとなる禁忌の箱だった。
U.C.0096―。
『シャアの反乱』から3年、一年戦争から続く戦乱の世は、表面上には平穏を取り戻しているかのように見えた。
工業スペースコロニー〈インダストリアル7〉に住む少年バナージ・リンクスは、ある日、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と出会う。彼女は、ビスト財団とネオ・ジオン残党軍『袖付き』による『ラプラスの箱』の取引を止めようと、単身行動を起こしたのだ。彼女に対し、協力するバナージ。だが、同じく取引を妨害するため乗り込んだ地球連邦軍と『袖付き』との戦闘により、コロニーは戦場と化してしまう。オードリーを探して戦火を走り抜けるバナージは、『ラプラスの箱』の鍵となる純白のモビルスーツ、ユニコーンガンダムとの運命的な出会いを果たす。
ガンダムUCのあらすじ
ビスト財団から袖付きへラプラスの箱を引き渡す過程で、バナージにユニコーンガンダムが託されてから話は動いた。
いつもガンダムは政治的な面を切り取って記事にしている。
UCは『ラプラスの箱』を語るしかなかろう。
ラプラスの箱とは、ビスト財団が宇宙世紀の始まりから秘匿し続けてきた謎の存在であり、百年近くにも渡ってビスト家と地球連邦政府を縛ってきた「呪い」である。
しかし、「ラプラスの箱」の正体は一部しか知らず、いつしか「箱が解放されれば連邦政府は転覆する」という噂だけが一人歩きを始めていくようになる。
まさしく呪いである。
その正体は、首相官邸「ラプラス」において発表される予定であった宇宙世紀憲章を記した石碑のオリジナルである。
しかし、それは当時の首相によって七章目となる一つの条文が加えられていた。
「未来」と銘打たれたその条文には、地球圏外の生物学的な緊急事態に備えた研究と準備を拡充する項目と、将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合の参政権を保証する項目が記されていた。
第七章碑文はニュータイプを肯定する条文ではなく、宇宙へ飛び立った人類の可能性を信じた者たちの祈りだった。
「ラプラス宣言」は少しの間話題にはなったが、忙しない人類には一瞬で過ぎ去る事件に過ぎなかった。
そもそも宇宙世紀0090年代には既に、ジオン残党軍は戦力もさることながらフル・フロンタルといったシャア・アズナブルの替え玉を用意しなければならないほど結束力が低下していたほか、地球連邦からの独立といった目標自体がスペースノイドにとってすでに魅力的なものではなくなっていた。
結局、100年という月日は祈りの言葉を風化させてしまうほどに長かったということだ。
『連邦政府』を崩壊させかねないというワードのみが一人歩きした結果である。
更には『鍵』として用意したはずのユニコーンガンダム(2号機と共に「シンギュラリティ・ワン(技術的特異点)」とされた)の方が重要であり、それらのせいで新たな戦禍が生まれてしまった。
シンギュラリティというように、ガンダムあるいはサイコフレームは人類が扱える領域を超えてしまったのである。
ガンダムとガンダムを扱えるニュータイプの存在こそ、連邦政府を崩壊されるとも言える。
言ってしまえば『機動戦士ガンダムUC』とは、時代の変化を読めなかった人間たちの徒労の物語に過ぎなかったのである。
作中においては歴史に大した影響を与えることがなかったものの、開封されるタイミング次第では宇宙世紀の歴史を大きく変える可能性があったのもまた事実である。
例えば、一年戦争(スペースコロニー国家・ジオン公国が地球連邦政府からの独立を果たすため宣戦布告することにより始まった戦争)
やクリプト戦役(ティターンズとエゥーゴ、そしてアクシズの三勢力の間で行われた戦争。 当初は地球連邦と反政府の内部抗争だったが、アクシズの台頭により三つ巴となった)
あたりにラプラスの箱が開かれていたら、ニュータイプの参政権が認められてコロニーの独立も前向きに進んだかもしれない。
時期がずれてしまったために、生まれなくていい争いが生まれてしまった。
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