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【九条の大罪】半グレでも前科持ちでも、人権は守る。いい弁護士は大抵性格が悪い。

この記事では、闇金ウシジマくんの作者が手掛けてる最新作『九条の大罪』を遅ればせながら読んだ感想となります。ウシジマくんよりは胸糞悪くないけど、引けず劣らずですね。

まだ読んでない人はこれを機に。

主人公は、裏社会が絡む案件を扱う弁護士・九条間人。ウシジマくんでも、法やモラルについては描かれたが法にフォーカスを当てた今作。この法律事務所の近所にウシジマくん絶対住んでる。

1話から胸糞悪い。

九条の大罪1話は、半グレが飲酒運転かつスマホいじらながらで轢き逃げをしてしまった案件。

九条に守られた半グレは執行猶予な一方で、弁護士のいなかった被害者側は夫をなくし、子どもは片足を切断してしまった。

また、弁護士がいれば7000万はおりた支援金も個人で解決したために1000万に留まってしまった。弁護士に払うのは大抵10%らしく、700万を支払ったところで6300万は入るので『無知』であることの悲惨さを物語る。

1話とは思えないような気分の悪さ。

作者曰く、読者の心を引っ掻き回したいそうで、確かにこれを読むと『交通事故』への意識が変わってくる。胸糞悪く。

九条は「思想信条がないのが弁護士」と公言し、法律と道徳を分けて考えて依頼人を擁護するプロである。

九条にとって最優先なのは、倫理観ではなく依頼人の『人権』でした。

作者曰く、気分の悪いモノを作りたいわけではなく人の弱さや弱者を踏み躙る強者側を描くと『ああなるのは仕方がない』と。

闇金ウシジマくんを全部読んだ人は知り合いの中にはいなかった。それは全てを絶対的に見てしまうから。相対的に見れれば、『こういう人間もいるし、自分の知らないどこかが同じことは起きてる』と思えるはず。

そう思えないのは、あまりにも感情的に正義を振りかざしているだけで、それはそれでより厳しい社会を構成しているだけな気もします。

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