ロシア・モスクワにおける、日本人を対象としたコロナウイルス対策について
私は2020年3月2日にロシア・モスクワに入りました。
そこで実際に体験した、現在のロシア・モスクワでのコロナウイルス事情についてご紹介致します。
これからロシアへの渡航を考えている方は特にご一読ください。
(なおこの記事は特定の国、出身者を差別するものではありません。あくまで今後ロシアに渡航される日本人の方に、現状をお伝えすべく書いています。)
1. 成田→モスクワの飛行機のコロナウイルス事情
私は2020年3月2日10時50分に成田を出発する、日本航空421便でロシア・モスクワに入りました。
現在日本航空は成田-モスクワの定期便を予定通り運航しています。
しかしながらコロナウイルス対策として、航空券の無償キャンセル・変更を実施しています。
1.払い戻し
運賃規則にかかわらず取消手数料なしで払い戻しを承ります。
航空券ご購入時もしくは変更時の航空券取扱手数料の払い戻しはできません。
なお、JALにて直接航空券をご購入され、上記対象航空券に該当する未使用航空券であればご出発の前日23:59分までJAL Webサイトにて、取消手数料なしで払い戻しが可能です。
搭乗予定日を過ぎた場合でも条件にあてはまる場合は以下期間内でお電話にて払い戻しの特別取扱を実施いたします。
〔旅行開始前〕発券日から1年30日以内
〔旅行開始後〕旅行開始日から1年30日以内
JAL Webサイトで操作ができない場合や、手数料が適用される場合は、お手数ですが以下記載の問い合わせ先までご連絡ください。
2.ご予約変更
対象航空券をお持ちのお客さまは、2020年4月20日(月)までの期間内で「1回のみ」搭乗日の変更が可能です。
対象便:日本発着全便
ご購入(発券日)
2020年2月28日(金)までに発券済みの上記対象便を含む航空券
ご搭乗予定日
2020年2月28日(金)〜3月19日(木)
そのせいもあってか、421便は非常に空いていました。私の席の横の列は8席全て空席で、CAさんに訊いたうえで4席シートに横になることができました。
乗客数は目測40人で、国籍は日本人が40%、ロシア人が60%といったところだと思います。(写真はJAL421便の機内 3月2日筆者撮影)
2. モスクワ・ドモジェドヴォ空港のコロナウイルス事情
JALの直行便はモスクワ南部のドモジェドヴォ空港に着陸します。
着陸後降機前にロシア人の検疫官が機内に乗り込み、サーモグラフィーで全員の体温を検査しました。
421便には検査で引っ掛かった人はいませんでしたが、他便で引っ掛かったであろう人が検査室に通されていました。検査室の前では防護服を着た検疫官が問診をしており、異常が出た人を検査室に通していました。
入国審査ではコロナウイルスについては問われませんでした。しかしながら今後変わる可能性があります。
空港のターミナル内ではあまりアジア人を見かけませんでした。
というのも現在(2020年3月4日)ロシアは中国人・韓国人の入国を制限しています。通常であればドモジェドヴォ空港には中国からの定期便が数多く到着し、多くの中国人団体客でごった返しているのですが、そのような光景は見られませんでした。(写真は3月2日筆者撮影、ドモジェドヴォ空港にて)
3. モスクワ市内のコロナウイルス事情
現在(2020年3月4日)のところ、ロシア政府から日本人に対する規制は特に出ていません。しかしながら市民レベルで、日本人に対するコロナウイルスの規制的な対応がなされています。
●ホテルでのチェックイン前の検査
ホテルによってはチェックイン前に独自の検査を実施している所があります。
私が予約していたホテルでは、到着すると国籍を聞かれました。「Я японец!(日本人だ)」と言ったところ、やや怪訝な顔をされた後「医者を呼ばねばならない。検査を受けないと宿泊できない」と言われました。
詳しい事情を訊いてみると、数日前にイタリア人がそのホテルに宿泊したとのこと。その後モスクワでイタリア人からコロナウイルスが伝染したというニュースが流れたために、そのホテルの独自対策として現在ロシア政府が規制をかけている中国人・韓国人・イタリア人・イラン人、そして中国・韓国に近い日本人がそのホテルでの独自の検査の対象になっていると返事を受けました。
その後2時間ほどロビーで医者の到着を待っていましたが、一向にくる気配はありません。ホテルマンに訊いたところ、どうやら検査できる医者がいないとのこと。その後強く説得したところ、しぶしぶ宿泊させてくれるとの回答を得ましたが、結構険悪な雰囲気になってしまったのでホテルを変えました。
2軒目に行ったホテルでは、特に検査はされませんでした。通常通りパスポートを見せて宿泊登録をしてくれました。
これからロシアに滞在される方は、ホテルを2~3つリストアップしておくのが良いと思います。ロシア語で会話できないという方は、チェックインがスムーズにいかないようでしたらすぐ次のホテルに移ることを強くお勧めします。
(本来であればチェックイン前の検査を要求したホテルと私が滞在しているホテルを掲載したいのですが、個人情報の観点から控えさせていただきます。日本に帰国後、滞在したホテルについては公表します。)
●市内での警官によるパスポート検査
モスクワ中心部、特に地下鉄や赤の広場などでは、アジア人を中心に警官(Полиция)によってパスポート検査が行われています。
モスクワ市内においては,ロシア入国時の検疫で自主的な隔離を求められたにもかかわらずに外出している外国人を取り締まるために,地下鉄駅などでパスポートの提示を求められることが多くなっていますので,外出時は必ずパスポートを携行してください。また,提示を求められた際には日本国籍であることを強調してください。新型コロナウイルスの潜伏期間が14日間とされているため,必要であれば,ロシア入国印のある頁も提示してください。
実際に韓国のパスポートを持たれた方が、赤の広場近くの地下鉄の駅で比較的長いことパスポート検査を受けていました。またモスクワに留学している日本人の話では、パスポートの個人番号ページ、ロシアビザページの写真を警官に撮られることが結構あるそうです。中にはパスポートの全ページを撮影されたこともあるようです。
これからロシアに入国される方は必ずパスポートを持ち歩いてください。近所への買い物であっても必ず着用してください。そして「Полиция(警察)」と書かれた人が寄ってきたら、すぐにパスポートを掲示してください!
また日本をいつ出国したか、ロシアにいつ入国したかを確実に示せるようにしておいてください。ロシア政府が規制の対象とする国に滞在していないことを示すためです。特に成田空港では出国スタンプが省略されていますが、申請して出国スタンプをもらっておいた方が無難だと思います。
4. 結びに変えて -パスポートを常に携行しましょう-
現在(2020年3月4日)までのところ、ロシアから日本人に対してコロナウイルスに関する規定は出ていません。ですのでトラブルに巻き込まれた際には落ち着いて対応してください。
最も身を守ってくれるのは「日本のパスポート」です。これだけは絶対に手放さないでください。耳を澄まして話を聞いていれば多くの場合「Паспорт(パスポルト)-パスポート」と言われているのが分かります。その時はすぐにパスポートを提示する、そして自分がいつ入国したかを主張することが大切です。
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