誰も教えてくれなかったんだけど。〜出産編〜
2013年に長男、2015年に次男を出産しました。ちょっとほとぼりが冷めてきたのでまとめてみます。
先人の誰もが教えてくれなくて衝撃を受けたことだけ、誰の何の参考にもならないただの思い出です。
1. 初産は割とトラブルが多い。予防法はあんまりない。
妊娠高血圧症というのにかかった。妊娠前は血圧低い方だったんだけど、急にホームラン級に。
塩気のあるものを食べまくった訳でもない。
医者曰く、「初産と高齢出産に多い。なんでかかるのかは諸説あるがよくわからん。」これで町医者から大学病院に転院になった。
後から聞いたが、私の周囲の人間には初産で何らかのトラブルに見舞われる人間が非常に多かった。人間は哺乳類の中でも最も着床しにくく、妊娠の継続が難しい生き物らしい。知らなかった。
2. 緊急帝王切開超怖い。
血圧がかなりまずいので、入院→促進剤で経膣分娩の予定だったんだけど、陣痛の途中で胎児の心拍が下がってきてしまったので、緊急帝王切開となった。
促進剤投与し始めてから24時間後、陣痛たっぷり味わってからの「緊急」には心が粉々になった。
陣痛耐えてるベッドのまま手術室に連れてかれたのも地味に堪えた。
病院とは情緒を徹底的に排除した場所である。
3. 後陣痛辛い。
MAX陣痛ほどではないけど、声が漏れ続ける程度には痛い後陣痛。一晩中続いた。
これ以上何も産まれないという何の希望もない痛みは辛い。素面だし。
何度も痛み止めを打ってもらったが効かず、最終兵器みたいなのを投与されて気絶→朝。
4. 予定帝王切開もやっぱり怖い。
1度切腹すると、子宮破裂のリスクを避けるために、大抵の病院では2人目以降も帝王切開を選択する(条件を満たせば経膣分娩ができる病院もある)。
自分の足で歩いて手術室に行って、手術台に寝そべる様は正に俎上の鯉。
そこにまるで営業会議のようなテンションで集まる手術スタッフ(「あっじゃあ揃ったみたいなんでそろそろやりますか」「うぃーっす」)(私『万が一麻酔が効いてなかったらどうしようどうしようあがががごが』)
BGMが福山雅治のオルゴールバージョンだったのも納得がいかなかった。
5. ルイボスティー飲んでる女はイビキが五月蝿い。
産前産後と別々の病室に計4回入院したんだけど、どの病室にもなぜか「おいしいおっぱいのために(※都市伝説です)ルイボスティーを飲む女」がいて、まぁそんな女だからオーガニックオーガニックした内容の話をデカイ声で喋り続け、寝るともれなくイビキがデカかった。
4人とも別人だったけど、本当にイビキが五月蝿かった。実話です。
6. 産院には半裸で裸足の女ばかりがうろうろしている。
正確には半裸に着圧ソックスの女が一部混ざる。
室温も管理されているのでちょっと楽園ぽいような、イメージが一番近いのはスパ。
いつでも授乳ができるようにペラペラの寝間着1枚で、授乳とおむつ替え以外は本当に何もしない人間と、後はそれとほぼ同数の、樹液を吸う虫とさほど変わらない生き物しか存在しない空間は非常に異様だった。
7. 母乳を唯一神とする宗教が存在する。
カリスマ助産師的な人物が特に崇めている傾向が強い。
「和食でないとおいしいおっぱいが出ない」「乳製品や脂肪分の多い食事をすると乳腺が詰まる」という教義が存在するが、医学的根拠はない。この理屈で行くと、日本で育っていない子供はおいしいおっぱいとやらが飲めず非常に哀れな育ち方をするということになるが、そこには触れない約束らしい。
因みに私は何をどう食べようが1度も詰まらず噴水のように母乳が出ました。もちろん味は変わりません(「ファストフードを食べると母乳がしょっぱくなる」という教義もある)(アルコールとニコチンは医学的にもだめだそうです)
これに類似した「布おむつ教」「自然分娩教」「おんぶ教」など枚挙に暇がない。
8. 髪の毛が抜ける。
びっくりするほど禿げた。
9. 子供を産むと肉が古くなる。
なんとなく細胞同士の間に隙間が空いたように感触が緩む。古くなったとしか形容ができない。古びた肉。劣化した肉。
お産の記憶はどんどん遠くなる。とても痛かった、辛かったことは覚えていても、痛みそのものは具体的には思い出せ
ない。
サーモスタットみたいなものが脳内にあって、定量を超えるとパチっと落ちて刻まれないようになっているのかもね。子孫繁栄のための何か。
本やなにかしらのコンテンツに変わって私の脳が潤います。