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インターネットの歴史は、文書管理と通信の歴史

インターネットという言葉が産声を上げて、30年以上の月日が流れました。

今ではネット環境に接続するのが当たり前となっているので、わざわざインターネットという言葉を使うことすら無くなってしまいました。

こんな時代にこそ、一度インターネットの歴史に触れてみようと思います。

Wikipediaなんかで調べると色々と詳しいことが書かれていますが、味気ない時系列が並んでいることが多いので、ここでは半分創作の読み物として、ご紹介していきたいと思います。

一口にインターネットと言っても、ハイパーテキスト(Hyper Text Markup Language)の分野と通信回線の分野に大きく分かれており、それぞれ別々の成り立ちがあります。

まずは、ハイパーテキストの方からその歴史を探ってみたいと思います。

World Wide Webの歴史

WWW(World Wide Web)というシステムは、1989年に欧州原子核研究所(CERN)によって発明されました。

アニメやゲームで人気となった「シュタインズ・ゲート」の中でセルン(SERN)という名前で紹介されていたので、ピンと来る方もいらっしゃるかと思います。

ワールド・ワイド・ウェブは、直訳すると「世界的なクモの巣」です。

世界中に張り巡らされたクモの巣のような文書共有システムとなっています。

ここで注意しておきたいのは、これは通信回線のネットワークシステムを指しているものではないということです。

通信回線としてのインターネットの歴史については後述したいと思います。

元々、CERNという学術研究機関が発明したこのシステムは、膨大な論文や資料を管理し、世界中で共有するために作られたものです。

そのため、当初のハイパーテキストの仕様は、文書を管理することに適した記述ルールとなっていました。

このハイパーテキストをウェブブラウザというソフトウェアを使って表示させることで、論文や資料を世界中どこからでも閲覧でき、関連するページへの移動もクリックひとつで出来る様になりました。

何百ページもある資料をめくって、関連するページにたどり着く必要が無くなったのです。

この便利すぎるシステムによって、爆発的にインターネットが広まっていき、現在に至っているというお話でした。

HTML(Hyper Text Markup Language)の歴史

HTMLという技術は、WWWで提唱されたハイパーテキストを記述するためのマークアップ言語です。

その歴史は、CERNが1990年にコード化したところから始まりました。

コード体系、記述ルールは、論文や資料などの文書をハイパーテキスト化することに最適化されており、仕様や制限がゆるく、扱いやすかったため、爆発的に普及していきました。

この爆発的な普及に伴い、ウェブブラウザ開発の競争が激化。(ブラウザ戦争と呼ばれましたが、これはまた別の機会でお話したいと思います。)

ブラウザ開発会社ごとに、それぞれの独自タグが実装されていきました。

これにより、片方のブラウザでは正しく表示されるが、別方のブラウザでは表示されないなど、WEB開発者にとって大きな問題となっていきます。

そこで、1996年にW3C(ダブリュー・スリー・シー)という非営利団体が組織され、HTMLの標準化が進められました。

その後、HTML4.0の規格が策定されていたのですが、3.0からの移行期にもなり、いくつかの仕様が並行して存在することになりました。

Strict DTD
Transitional DTD
Frameset DTD
しかし、2000年には、同じくW3Cの勧告により、XHTML(Extensible HyperText Markup Language)が発表されました。

XHTMLは、XMLをベースにしており、HTMLより厳密な記述ルールを採用していました。

これによって、この時期には、上記HTMLの仕様とXHTMLの仕様が混在することになり、全部で7つの仕様が存在することになってしまいました。

しばらくこの状態が続きましたが、モバイル端末(スマートフォン、タブレット)の普及や仕様の混在など、いくつか問題が出てきたため、新たな規格として、HTML5が誕生しました。

現在は、このHTML5をベースに改定され、HTML5.2が勧告されています。

インターネット通信の歴史

ここでは、文書管理の観点ではなく、通信の観点から歴史を振り返ってみたいと思います。

インターネット以前は、パソコン通信と呼ばれていました。

日本国内では、PC-VAN、NiftyServeが、パソコン通信の最大手でした。

パソコン通信は、簡単にいうとその名の通り、パソコン同士を直接つないで通信するサービスでした。

しかし、インターネットの登場によって衰退していきます。

インターネットの原型は、アメリカ国防総省が資金提供して開発されたARPANET(アーパネット)であると言われており、国防総省が絡んでいたことから、軍事通信用に開発されたという噂がつきまとっています。

1960年代に構築されたこのARPANETは、世界初のパケット通信網であり、現在のインターネットにも脈々と受け継がれています。

1982年にTCP/IP(いわゆるインターネット通信プロトコルです)が標準化され、どの端末からでも同じ仕様で通信が可能となりました。

既存の電話回線網を利用することで、特別な設備が無くても世界中と通信が可能な土壌が出来上がりました。

それに伴い、この通信網とWorld Wide Webという文書管理システムの思想が見事に一致し、世界中にインターネットという大きなサービスが一気に普及していきました。

商業ベースでのインターネット利用も広がっていき、文書管理という役目から商業化へと発展していき、現在インターネット、WEBサイトは、巨大な電子広告へと成長していき、現在では無くてはならない存在となっています。

今後のインターネット世界はどうなる?

現在のインターネットは、SNSが中心となって、企業の広告戦略、個人の情報発信など、様々な面で日常生活に入り込んでいます。

今後は、どんな企業(の中の人)が、どんな人(個人)が情報を発信するか、個性が重要になってくると言われています。

通信技術では、5G(第5世代)が登場し、動画など巨大なデータの通信が日常化していくため、文書管理、テキストベースで情報が発信されていたものが、音声や映像が中心に移行していくかもしれません。

絵本や書籍が今も無くなっていないのと同じように、音声や映像が中心のネット社会になっても、このようなブログなども生き残っていくとは思います。

ただし、これもどんな人が発信しているかが、より重要になっていくことでしょうね。

Twitterでは大喜利企画、ブログでは読むラジオ、リアルではWEB屋の仕事をしています。 noteでは、WEBに関するお話や大喜利ファンクラブで話している内容を少しだけ紹介しています。