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懐かし日記②〜女の子だもん。着せかえ人形で遊びたおす


私が小さい頃は、お友達の家に遊びに行くのに、両親に送り迎えをしてもらった記憶は無い。我が家が商売をしていて両親が忙しかったというのもあるが、子どもの一人歩きが危険だとは思われていなかった。今思うと、良い時代だったのだ。


女の子の遊びといえば、着せかえ人形。小さい頃は紙の着せかえ人形があって、着せ替えるお洋服の肩に小さな白い突起部分が付いていて、それを折り曲げて肩に引っ掛けるだけのもの。それでも楽しかったし、夢中になって遊んだ。雑誌の付録にもなっていることもあった。洋装だけじゃなく日本らしい着物なんかもあったなぁ。“ロンパールーム”という子ども向け番組では、“お天気みどりちゃん”という、台紙にお人形と背景が書いてあって、そこにお天気(太陽とか雲とか)やお洋服を選んで貼り付けるシール式の着せかえ人形が出てきた。今思うと、その人形は決して“可愛い”絵ではなかったが、番組に出演している子どもが実際に着せかえシールを貼るのを見て、やってみたい、欲しい、と思ったもんだった。おねだりして買ってもらったけど、すぐに飽きた。


それから立体的な着せかえ人形へ興味がうつった。リカちゃんだ。リカちゃんファミリーでは双子の赤ちゃんと、リカちゃんのお友達のいづみちゃんを持っていた。タミーちゃんという、ちょっと古めかしい顔の子もいて、それは私が買ってもらった物だったか誰かのお下がりだったか、あまり記憶が無い。もうあと二人いたけど、名前を忘れた。バービーちゃんは、顔やスタイルがあまりに大人っぽすぎて、私の好みでは無かったのでうちにはいなかった。お人形さえあればお洋服や靴だけを後から買い足せる。豪華なドレスはお値段も高い。近所のおもちゃ屋さんに一人で行ってはお洋服のセットを眺めて、値段を覚えて帰り、親にせがむ。せがんだところですぐに買ってもらえるわけではなかった。


リカちゃんといえば、リカちゃんハウス。当時私が持っていたのは、畳むとバッグみたいに持ち手が付いていて、その中にお人形やら着せかえる洋服やらをいっぱい詰め込んで、それを提げてお友達の家に遊びに行ってた。ハウス=バッグ、これはなかなか画期的だった。うちの子どもにもリカちゃんハウスを買い与えたが、何部屋もある大きなハウスを畳んで持ち運ぶのは難しかった。私が持ってたみたいな、一部屋だけの小さいハウスの方が、子どもが持ち運ぶのに最適だった。ハウスの後には、今度はいろんな家具が発売された。ハウスにもテーブルと椅子くらいは付いていたと記憶しているが、“白い白い家具シリーズ”にはドレッサーやクローゼット、ダイニングテーブルなんかもあって、細々とした小物が付いていた。私はそのダイニングテーブルを持っていた。お皿やカップ、銀(色)のフォークやナイフが4人分ずつ、それにテーブルの上に置く燭台まであった。お料理のパーツもあったと思う。ステーキとかオムライスみたいな洋食だ。昭和の時代にそんな食卓で食事をするなんてことはほぼ無いので、そこに憧れた。小さな食器をテーブルに並べて、そこにお人形を座らせる。いつか自分の日常にもこんな日が来れば良いのになぁと思いながら、リカちゃんに自分を重ねていた。


結婚して、子どもが生まれて、幸い我が家は娘2人だったので、こういう言い方は良くないかもだが、リアルな着せかえ人形みたいなもんだった。自分が可愛いと思った洋服を着せて悦に入る。主人の兄夫婦のところが男の子ばかりというのもラッキーだった。お下がりが来ないからだ。もし兄のところに女の子がいたら、否応無しにお下がりを押し付けられたのでは‥とつい思ってしまう。秋に生まれる長女の子ども、平たく言えば私のお孫ちゃんだが、性別が判明した。今ここで発表するのは控えるが、私の子どもではないので私の趣味を押し付けるわけにはいかないし、そのつもりも無い。何にせよ、こだわりの強い長女の色に染まる事は間違いないだろう。



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