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人ひとりの存在
土曜日の夕方、娘夫婦がやって来た。旦那さんへの父の日のプレゼントを携えてやって来た。
娘夫婦と次女の3人からのプレゼントは、日本酒『獺祭』。呑みスケの旦那さんにピッタリのプレゼントだ。実は去年も獺祭をもらって、旦那さんがめちゃくちゃ喜んだもんで、今年もという訳だ。案の定、今年もめちゃくちゃ喜んだ。そして私にも手土産で獺祭のケーキなる物を持ってきてくれた。獺祭がジュワッとしみ込んだ、とても美味しいケーキだった。ありがとうね。
夕食のメニューは、最近の我が家の週末のド定番、お家焼肉である。
それはさておき、夕食も食べ、ケーキも食べた後次女が急にオセロをやりたい、とオセロゲームを持って来た。もう何年も、いや、何十年も放置していたオセロゲームが久々に日の目を見ることに。何だか思った以上に盛り上がってもっと何かやりたくなり、それじゃあ次は囲碁をやろうということに。うちの旦那さんは囲碁が趣味だ。しかも結構強い。地元の大会ならいつも優勝の常連だ。
実は娘たちが小さい頃は、囲碁を習わせていた。毎週先生のところへ通っていて、長女はそこそこ打てるようになっていたみたいだ。というわけで、囲碁大会が始まった。とは言ってもまともに打てる人は旦那さんだけ。娘の旦那さんは前々から囲碁に興味があるようだったので、大会というよりは、囲碁教室が始まった。分からないながらも何だかんだ盛り上がった。
するとまた次女が、今度はトランプを持ち出してきて、次はトランプ大会が始まった。瞬で決着が付くからと、皆でポーカーをやった。これまた予想以上に盛り上がった。娘の旦那さんの「楽しいな」という一言が全てを物語っていた。
その後うちの旦那さんは、囲碁でもらった賞状や盾を見せたり、若い頃から集めていた記念硬貨を出してきたり、飾り棚に飾りっぱなしのちょいとお高いグラスを持ってきたり。きっと娘の旦那さんに、「お義父さん、すごいですね」と言ってもらいたかったのだろう。分かりやすい。
なんだろう。家族4人の時にはこんな風に皆でゲームするなんて当分無かったこと。娘たちが小さい頃以来だ。それが何故か、娘の旦那さんがたった1人加わっただけで、オセロをしたりトランプをしたり、何気ない家族団欒の時間がとても楽しく感じた。私の旦那さんも今や私や娘たちよりも、娘の旦那さんが可愛くてたまらないので、娘の旦那さんは我が家のニューアイドルだ。
彼の「楽しいな」という一言を聞いて私たち家族は嬉しかった。彼がアイドルでいられるのは、次女が結婚したら次女の旦那さんにとって代わられるか、もしくは娘夫婦に子どもが生まれた時か。
それまではぶっちぎりの我が家のアイドルだろう。