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コンビニスイーツの実力

以前ミーミーさんが記事にされていた、ドラマ『この恋あたためますか』に登場するシュークリーム。記事を読んで、もう食べたくて食べたくてコンビニに走ったが何処にも無い。4軒ハシゴして全滅だった。それ以後も何かとコンビニに捜索に出向いたがいつも棚は空っぽ。他のスイーツは棚いっぱい入荷しているのに、それだけが無い。これは人気がありすぎて生産が間に合ってないのだな、と諦めていた。
そしたらある日仕事から帰ると、旦那さんがドヤ顔で冷蔵庫から何かを取り出した。「え?あったの?」と喜ぶ私。「あったよ。これでしょ?」と差し出す旦那さん。‥ングッ。惜しい、それ違うやつだ。「え?違うの?新発売って書いてあったからこれだと思って」旦那さんは悪くない。私がシュークリームを探していたのを知っててわざわざ買ってきてくれたんだもの。文句は言わない。ありがたくいただく。そのシュークリーム、思ってたより何倍も美味しかった。とても美味しいシュークリームだった。でも欲しかったやつとは違ってた。

それから2日後、今度こそ娘がそれを買ってきてくれた。
「これだーー!」パッケージを見るだけでテンションMAX。名付けて“恋する火曜日のチョコっとリラックスシュー”。火曜日とはドラマの放送日だ。パッケージはドラマのとは少し違うけど、中身はまさしくそのまんま。主人公のキキちゃんがペットのハリネズミを見て思いついたカタチ。


(中を見ていただきたかったのですがきれいに切れませんでした。)
チョコっとというだけあって、皮もクリームも上に乗ってるクッキー生地も、全体がチョコ仕様。興奮を隠しきれないまま一口いただく。

モチッ。シャクっ。トロ〜。


まずはもっちりした生地、ほんとにもちもち。噛み切ろうとすると生地がビロンと延びるほどの弾力あり。そして上のクッキー生地。メロンパンを想像すればわかってもらえるだろう。シャクっていうか、ガリっていうか。口の中で生地のもちもちとクッキーのガリガリが混じり合う。そしてチョコクリーム。トロ〜リなめらか。上手に食べないとこぼしてしまいそうなほどトロトロ。このトロトロを商品にするのは実はなかなか難しい。

ドラマでコンビニスイーツについていろいろ知った。例えば価格、コンビニスイーツの手に取ってもらえる上限は160円。このシュークリームも160円だ。もっと高くても買っちゃう美味しさだけどな。材料費だけでなく、今ある工場の作業工程で作れるかどうかも考慮しなければいけない。工程が増えれば機械を導入したりそのための人件費がかかるからだ。
あとは配送に耐えられるかどうか。ふわふわ柔らかいスイーツは、配送中に潰れやすい。ふわふわをとれば潰れるし、潰れないためには少ししっかりめに作る必要がある。その丁度良いところを探らなければいけない。パッケージも重要。パッケージ次第でふわふわも潰れずに済む。新作スイーツが完成しても、この配送テストに合格しないと商品としての発売はない。なかなか厳しい世界だ。

ドラマでキキちゃんの先輩が言っていた。パティシエになる能力があるのにどうしてコンビニスイーツの世界に入ったのか。美味しいスイーツを皆に食べて欲しい。そして誰でもが手に取りやすいのがコンビニスイーツだから、と。

こういう志の人がいてこそのコンビニスイーツ。いろんな条件の元、私たちに美味しいものを届けたいと日々努力してくださっているのだ。今まではなんとなく手にしていたけど、これからは感謝の気持ちを忘れずにいただこう。

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