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娘夫婦、家を建てる⑦〜最終回・新居でおもてなし編

去年からずっと書いてきたこのシリーズ。新居は完成して娘の旦那さんのご両親とお姉ちゃん一家は12月の初めに新居にお呼びしてのお披露目となった。皆、とても良い家が建ったと喜んでくださった。私たちは、すぐ近くに住んでいるし、既に何度も新居を訪れる機会もあったので、わざわざ呼んでくれることはないのだろうと思っていたところ、やっとお声がかかった。

「うちで鍋でもしませんか?」はい、喜んで。前日娘と一緒に食材を買いに行った。会計を一緒に済まそうと思っていたら、娘が「うちが招待するんだから、私が払う」と言ってくれた。当たり前だけど随分と大人になったもんだ。

そうそう、最近義母がハマっているお豆腐がある。我が家にもお裾分けしてくれるのだが、パック飲料の形状のお豆腐だ。これがビックリするほど日持ちがして、ビックリするほど美味しい。味が濃い。パックから取り出しにくいという難点はあるが、我が家でもお気に入りとなった。ちゃま(うちの旦那さん)は娘の旦那さんとお酒が飲めるだけで大喜び。娘の旦那さんはお酒は嫌いじゃないけど正直そんなに強くない。対してちゃまはガンガン早いペースで飲み進め、娘の旦那さんにも自分と同じペースを求める。いつもなら娘が横で、「もうそんなに勧めないで」とか「ゆっくり飲ませてあげて」と注意されるのだが、冬休みということもあり、今回はあまりうるさく言われずに済んだみたいだ。

娘の新居にはレモンの木がある。娘はちゃまのために、レモンを収穫して切って、冷凍してくれていた。ハイボールやチューハイに凍ったレモンを入れて飲むためだ。ちゃまは、この“フローズンレモン”が大好きなのだ。父親を喜ばせるなんぞ、大人になったもんだ。男性陣は食べ終わると、同じタイミングで既に眠たくなっていた。2人でソファーに座ってテレビを観ながら寝てる。なんだかんだ、いいコンビかも知れない。そういえば、娘夫婦の家にはコタツが無い。オシャレな家にコタツは合わないということのようだが、我が家にやって来ると夫婦2人してコタツに埋もれている。娘の旦那さんも遠慮することなく、コタツに首まで入ってゴロゴロしている。私はそういう様子を見ると嬉しくなるのだ。いつまでも他人行儀じゃない、家族としての空気感。それを出してくる娘の旦那さんを愛おしく思うし、それを出してもらえている我が家の敷居の低さがうちらしさだと思うのだ。

娘の旦那さんのお義兄さんはとてもお酒が好きみたいで、ちゃまはお義兄さんと飲みたがっている。そこと飲むのはなかなか機会が無かろうと思うのだが、ちゃまはどうにかしてそこと繋がりたいと思っている様子だ。そのうちそういう機会が訪れれば良いなぁとは思っている。そのお義兄さんだが、お嫁さんの実家に行くと勝手に冷蔵庫を開けて、勝手にビールを出して一人で飲んでいるそうだ。なかなかのツワモノだ。うちの娘の旦那さんが、我が家の冷蔵庫を勝手に開ける日は来るのだろうか。私としては開けてもらって全然構わないのだけど、そこまでいくにはもう少し時間がかかりそうだ。

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