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ムズい、ムズい、何故そんなにムズい展開
今期NHKのドラマ『プリズム』を観ている。なんの情報もなくたまたま番組表で見つけて、なんとなく観始めたら、これがまぁ、どんどん沼である。
都内の園芸店でバイトする前島皐月(杉咲花)。声優を目指すがあきらめかけていた。何をしても本気になれない。恋も同じだった。しかしある時、ガーデンデザイナーとして活躍する森下陸(藤原季節)と知り合う。皐月の作るテラリウムが、陸の目に留まったのだ。ガラスの中に閉じ込めた小さな世界が二人を近づけていく。二人出かけた森で、皐月は自然体の陸に惹(ひ)かれていく。そして、立ち寄ったカフェで偶然出会ったのは……
(NHK HPより)
杉咲花ちゃん(皐月ちゃん)は、小っちゃくて可愛いくて、見てると守ってあげたくなる。小っちゃい皐月ちゃんが、小っちゃいテラリウムを作ってるってだけで愛おしい。 藤原季節さん(陸くん)は、最近映画やドラマにひっぱりだこの俳優さんだ。イケメンすぎないところ(←失礼)が良い。陸くんはちょっと掴みどころがない。私はそういうフワフワした人が結構好き(振り回されたい)なのでこんな人が近くにいたら何だかんだちょっと仲良しになりたい。 なぁんだ、ただの恋愛ものじゃんて思ったそこのアナタ、いやいやいや、これがねぇ、一筋縄じゃいかない。 ただいま第4話まで放送されているが、そこまででまぁ毎回驚きの展開がある。では各話ごとの驚きポイントとともに 『ネタバレします』!
まず第1話めの放送での驚きポイント。
皐月の両親は離婚しているが、その原因は父親の浮気、そして父親の浮気相手は“男性”だった。
ちなみに父親役は我らが吉田栄作さん。お相手は岡田義徳さん。なんだこのキャスティングは!(褒めてます) たまたま寄ったカフェでそれぞれのパートナー連れで遭遇した親娘、帰ろうとする娘(皐月ちゃん)を引っ張って何故か父親カップルと合流しようとする陸くん。空気が読めない人なのか?はたまた‥皐月ちゃんと陸くんがあっさり結ばれたことでネットがざわついたが、皐月ちゃんも言ってた。“人を好きになるのは難しいと思ってたのに、こんなにも簡単に好きになれるなんて”って。そういうことも、ある。ドラマの終盤に森山未來氏登場、どう絡んでくるのかワクワク。
続いて第2話。 陸くんが勤めるガーデンデザインの会社に採用された皐月ちゃん。新しいプロジェクトの現場に森山未來氏(ガーデナーの白石氏)の姿が。それを見て何故かフリーズしてしまう陸くん。 第2話の驚きポイント。
白石は陸くんの大学時代の先生、かつ2人はかつて恋人同士だった。しかしある日突然白石は陸くんの前からいなくなった。
なるほど、だから陸くんは皐月パパのカップルにシンパシーを感じていたのか。今のパパの姿にいまだに戸惑っている皐月に理解して欲しいとの想いがあっての、レストランでのあの行動だったのかも。 「はじめまして」の感じで握手の手を出してくる白石に、固まり続ける陸くん。不思議そうに見る皐月。この3人の関係性がどうなっていくのかワクワク。 ちなみに、皐月にずっと想いを寄せている幼なじみ役に、寛一郎くん。皐月いわく、「普通の恋愛はこうだ、を押し付けてくる感じが無理」らしい。寛一郎くんはドラマのヒール役としていい味出してくれそう。
そして第3話。 陸くんの会社が倒産の危機。陸くんパパは銀行の重役さん、頭もお仕事も堅い。学生時代の陸くんと白石氏の関係を未だに許せないでいる。融資を申し出る陸くんにパパはある条件を出す。それは、世間的な信頼かつパパの信頼を得るために“身を固めろ”。そのことを皐月に話す陸くん。すると皐月は‥ ここで第3話の驚きポイント。
それって結婚する「フリ」じゃダメなんですか?会社を潰したくない、プロジェクトを続行したい、そのためにはとりあえずお父さんを納得させられたらいいんですよね?(中略)私と結婚しませんか?
ここにきての偽装結婚。両親を見てきた皐月にとって結婚は永遠の愛を補償してくれるものではないことが分かっていた。だから結婚願望はない、でも結婚のフリなら出来るよと。そうか、いまさらだがこのドラマは世の中の“普通”に抗うというのがテーマなのか。 もう、ムズいムズい。普通に胸キュンで良いのに。こんなムズい設定ではあるがドラマ自体がドロドロしてなくて温かいホームドラマみたいな雰囲気はなんでだろう?主役2人のフレッシュさか?
続く第4話では、お互いの実家に挨拶に行く2人。陸くんパパは果たしてこのまますんなりと2人を認めてくれるのだろうか?まさか、ね。
皐月、陸、白石の3人でオニギリを食べるシーンはほんわか癒されたなぁ。第4話は、後半への架け橋的な回。いろんなことを予感させるシーンやセリフがいくつも出てきてますますのムズい展開が待っている感じ。
正直言うと1話だけ観て観るのを辞めるつもりだった。ところが第1話の最後に森山未來氏が(出演してることも知らなかった)登場したもんで展開が気になってもう1話、さらにもう1話という感じでここまできた。とはいえまだ第4話。 原由子さんの主題歌『ヤバいね愛てえ奴は』不穏な感じと可愛らしさのバランスがすごく良くてクセになる。 ちなみに脚本は浅野妙子さん。浅野さんといえば私の『フェイバリットドラマベスト10』に多分入るであろう『神様、あと少しだけ』を書いた人である。信頼度、増し増しである。
後半へ、ワクワクが募る。