ホッジ予想に挑戦してみた
ホッジ予想は、現代数学の中でも極めて難解で抽象的な問題の一つです。
代数幾何学とトポロジーに関わるこの予想に取り組んでみたので、
その過程を解説しつつ、途中式も含めて紹介します。
ホッジ予想とは?
ホッジ予想は、コンパクトなケーラー多様体上の代数的サイクルと、
ホッジ構造との関係について述べた予想です。
具体的には、ホッジ分解によって、ケーラー多様体上の任意の
コホモロジー類が、代数的サイクルの線形結合で表せるかどうかを
問うものです。
ホッジ予想の核心は、与えられた位相的なコホモロジー類が、
ある意味で「幾何学的な」ものであるかどうかを調べることです。
つまり、代数的サイクル(代数的に定義された部分空間)が、
コホモロジーの特定の部分を生成できるかどうかを
証明しようとするのです。
ホッジ構造と代数的サイクル
ホッジ構造は、与えられた位相的コホモロジー類に、
複素数平面上でのホッジ分解を提供します。
このホッジ分解は次のように表されます。
ここで、Hp,q(X)は、ケーラー多様体Xの複素コホモロジーの
部分空間を表します。
ホッジ予想によれば、次のことが成り立つはずです。
つまり、Hp,p(X)の部分空間に属するコホモロジー類が、
代数的サイクルで表されるべきだということです。
考察
代数的サイクルは、ケーラー多様体上での幾何的な部分空間として
考えられます。例えば、次のような状況を想定します。
多様体 X上の p-次元の代数的サイクル Z が与えられたとき、
次のコホモロジー類が対応します。
ホッジ予想の証明には、この類がホッジ分解の中でHp,p(X)に
属することを示す必要があります。
しかし、この代数的サイクルが本当にコホモロジーの幾何学的部分を
生成できるのかどうかは、依然として未解決です。
結果
実際にホッジ予想に取り組んでみたものの、その奥深さに圧倒されました。ホッジ構造やコホモロジーの計算は非常に抽象的で、
直感的に理解するのは難しいですが、
幾何学と代数の交差点に立つこの問題の魅力を強く感じました。
まとめ
ホッジ予想は、代数幾何学や位相幾何学の高度な知識を必要とする
非常に難解な問題ですが、数学の中でも美しい理論の一つです。
解決にはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、この問題に挑戦する
ことで、数学の世界の奥深さをさらに感じることができました。