ウラジオストク旅行
ウラジオストク。
初めてのロシア旅行。
近いから。暑くないから。台風が来なそうだから。
そんな理由で選んだ旅先だ。
しかし、そんな予想は外れ、帰国日に、台風が日本海を縦断。
飛行機は飛ぶの?
と母が度々連絡をくれた。
が、飛ぶ時は飛ぶし、飛ばない時は飛ばない。
なるようにしかならない。
結局、飛行機は飛び、着陸前にぐらぐら揺れたが、無事着陸した。
おかげで飛行機酔いになり、しばらく気持ち悪かったけれど、
無事、日本に帰国できた。ありがたい。
海外一人旅。
一人旅ほど、自分を見つめ直せる機会はない。
仕事での不満を抱えている今、私が、この先どうしたいのか。
考える時間にしようと思った。
夕暮れどきに到着したけれど、まだ空は明るかった。
日本より西にあるのに、なぜか時差は+1時間。
なので、時間のわりに明るかった。
翌日、指を差しているおじさんに近づいてみた。
今日も明後日の方向を指差している。
外国なのだけれど、そこまで異世界な感じがしない。
日本の中古車ばかりが走っているからだろうか。
TOYOTA長野
なんて文字をおしりにつけた車が、あちこち走っている。
外国に行くとよく見るTOYOTAの車。
TOYOTA、ベンツ、ヒュンダイ。
私が行ったことのある国の車のシェアベスト3。
商売をするのに、日本という島国の小さな市場でやるのか、
世界という大きな市場でやるのか、売れ高はそれこそ桁違いだろう。
見えるところだけ、小さな世界を見て、井の中の蛙にならず、
大きな視野で物事を見れたらなぁ。なんて思う。
噴水のある公園にやってきた。
いいお散歩コースだ。
土日だからか、子ども連れの家族やカップルがあちらこちらに。
海沿いの町っていいな。
水平線をぼんやりと眺めていると、こちらの気持ちも凪いでくる。
目の前に広がる、文字通り広大な海。
ちいさなことなんて、ね。
どーんとした気持ちになる。
散歩していると、
派手な衣装を着た馬に乗る子どもたちを、何度も見かけた。
観光名所あたりを散歩しているからだろうか。
浅草の人力車と同じような感覚なのだろうか。
え、馬?
と思わず見てしまうこの違和感。
むかしのデパートの屋上にあった、100円で動く小さな動物の乗り物。
あれが本物の馬になったようなものなのだろうか。
ウラジオストクには鳩がたくさんいた。
日本の鳩と、同じような鳩だ。
バスに乗る。
電光掲示板はなく、停車するバス停はロシア語で案内されるだけ。
私は、ロシア語がまったくわからない。
google mapを見ながら、目的地で降りた。
路面電車に乗る。
何十年前から走っているのだろう。
かなり年季が入っている。
バスといい、路面電車といい、
海外旅行で乗り物に乗るのは、楽しい。
海外に行ったら、できるだけ現地の乗り物で移動したい。
乗るだけで楽しいから。
車窓から眺めるだけで、あぁ、来てよかったと思う。
日が暮れるころ、噴水公園でおじさんバンドが演奏をしていた。
音楽に合わせて、おばちゃんがノリノリで踊っていた。
みんな楽しそうだ。土日の夕暮れ。
みんなで休日を満喫しているようだ。
海沿いの町だと、朝日や夕焼けが見れる。
日の傾きとともに、一日の時の流れを感じられる。
北海道と同じくらいの緯度。
空気が澄んでいて、空が綺麗だった。
翌朝。
ロシアに来たからには、とピロシキを食べた。
うん、おかずパン。
朝ごはんにちょうどよかった。
かわいいマトリョーシカがあったら買ってきてね。
と友達に言われていたけど、
正直、家に持ち帰って飾りたいほど、
かわいいマトリョーシカに出会えなかった。
散歩した公園や、街中のお土産店で売っているけど、
小さいもので、1000ルーブル。
およそ2000円。
アジア人好みにかわいくすれば、もっと売れるだろうに。
そんなことを思いながら、結局買わなかった。
アリョンカチョコレートというのが、有名なお土産のチョコレートらしい。
これもまた、あったら買ってきてと言われていなので、
お土産に買った。
おいしいのか、まだ食べていないのでわからない。
空港へはアエロエクスプレスという電車に乗っていった。
車窓からは海が見えた。
海外の電車が時間通りになるかな。
あまり当てにしていなかったけれど、定刻で着いた。
Tokyo/Narita
って英語では表記されるけど、
ロシア語だとNaritaがHanedaっぽく見える。
最後までロシア語は一言もわからないままだった。
英語もほぼ通じない。
英語が通じたのは、
ホテルのフロントのお姉さんと、
外国人がよくお土産を買うようなスーパーのお兄さん。
大して話せないけど、こちらがわかる言葉で話しかけてくれて、
思わず笑顔になった。
おたがい、笑顔で話していると、
それだけでとてもよいコミュニケーションになる。
日本にいる時、大して英語が話せないからって、
日本語がわからない外国人にも、つい日本語で話してしまっていたけれど、できるかぎり、相手の理解できる言葉で話しかけようと思った。
自分本位じゃなく、相手本位になるだけで、うまくいくこと、
気持ちが通じることが、あるだろう。
バイバイロシア。
ずっと向こう、地平線の先にも、ロシアという国がつづいている。
広大な土地が広がっている。
おそらく日本海付近を飛んでいる時。
台風の影響なのか、白い雲がずっと広がっていた。
この雲の上、歩けるんじゃないかな、なんて思った。
着陸が近くなってきた頃、窓の外を見ると、
雲に映る飛行機の影と、その周り丸い虹が見えた。
カメラを持って、何度も撮ろうしていると、
乱気流のアナウンスとともに、ぐらぐら飛行機が揺れた。
写真には撮れたけど、おかげで飛行機酔いになった。
これもまた、旅の思い出。
結局、旅をすると、
自由っていいなぁ。
と思う。
自由になりたいなぁ。
辞めちゃダメと言われると、
辞めたくなっちゃう性分なんだと思う。
結局、仕事を辞めたい思いがより増してしまった。
ま、いいか。
明日からまた仕事。
日々を生きること。
それをまた思い返した、ウラジオストク旅行だった。