富士山の頂上で水道が使えないワケ
富士山の頂上で難しいこと
今日は、日本を代表する美しい山、富士山の頂上で水道が使えない理由についてお話ししたいと思います。
富士山は日本最高峰で、その標高は3,776mです。
いわずもがな、登山家や観光客にとっては、その美しさと挑戦の対象となっています。
登ることはもちろん大変なことですが、富士山の頂上ではもうひとつ、難しいことがあります。それは「水」の確保です。
カギは「標高」と「重力」
なぜ富士山の頂上で水が使えないのでしょうか?
ひとつの答えは、「標高」と「重力」にあります。
一般的に、地球の重力により水は地球の中心に引き寄せられます。
したがって、水を高い場所へ送るためには、その重力を克服するパワーが必要です。
より具体的に言えば、ポンプで水に力を加えて高いところまで運ぶ、ということです。
しかし、水を富士山の頂上のような高い場所へ運ぶには、富士山の頂上まで強い力を加え続けられる強力なポンプが必要となります。
そこまでの距離が長くなるほど、水を送るのに必要なエネルギーも増大するからです。
富士山の頂上まで水を送れるポンプ
ポンプ屋としては、「富士山の頂上まで水を送れるポンプ」という称号はぜひ取りたいものです(笑)。
みつわポンプでは富士山の頂上まで水を送れる高出力のポンプはありませんが、じつは、酉島製作所では、富士山よりも高い4,200mまで水を送ることができる高圧力ポンプがあります。
つまり、理論的には富士山の頂上まで水を運ぶポンプは存在しているんです。
できるけどできない理由
「富士山の頂上まで水を送れるポンプがあるなら、あとは水道をつくればいいのでは?」
と思う方も多いと思いますが、実際には、現場の厳しい環境やエネルギー供給の問題、長い水道配管の設置や維持にかかるコストなどなど・・・実際には実現していません。
そしてなにより、富士山のような貴重な自然環境を保護するという観点から、富士山の頂上まで水道設備を設置することは現実的には非常に困難なのです。
今回は日本の宝、富士山のお話をしてみましたが、ポンプの重要性を理解していただけましたでしょうか?
日々の生活から産業現場まで、水を適切な場所へ移動させるためにはポンプの存在が欠かせません。
今後もみつわポンプ製品以外のポンプの情報も配信していきますので、工業系の情報を知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。