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フィンランド式家庭学習教材の勧誘電話。
ある日の午前中。その日は娘が登校班に遅れ、泣きながら帰ってきたところをなんとかなだめすかして学校まで手を引いて連れていき、その挙句に「やっぱり行きたくない」と言われ、来た道をもう一度、娘の手を引いて帰宅したところでした。
080からはじまる電話番号
最近では珍しいのかもしれませんが、我が家にはいまだに固定電話が設置されており、しっかりとその役目を果たしております。つい先日ナンバーディスプレイ(この言葉もそのうち廃れていくのでしょうか)を契約したばかり。
たまにかかってくる営業電話も、ちょっとした主婦の暇つぶし、と営業の方との会話を楽しんだりする日々です。
この日も特に何も考えず、080からはじまる営業電話に「はい」と応えたのでした。
フィンランド式家庭学習
相手は開口一番「小学生のお子さんをお持ちのお母様ですか?」と訊ねてきました。きっとわかりきって電話をしてきているのでしょうに、きちんとそのあたりは確認されるあたり、営業の鏡ですね。
私が「はい」と応えると、「お忙しい中」からはじまるお決まりの心のこもらないご挨拶をいただきました。その後、
「この度はフィンランド式家庭学習教材のご紹介で、お電話させていただきました」
とおっしゃる。ふむふむ、なるほど?こちらが「結構です」とお断りの言葉を発するのを許さない、その雰囲気。なんだか以前にもお話したことありませんでしたっけ?
ステップアップ学習
そういえば以前、「ステップアップ学習」とかいう内容で、似たようなお電話をお受けした気がしますよ。
「お勉強が嫌いなお子さんでも、1日10分でいつもテストが100点」
とかいう教材。そのときも確かこちらの言葉を遮るように話し続けられたなあ、という記憶がよみがえってきます。
ふたつの共通点
言うべきことを言い終わるまでは、こちらの言葉をすべて遮ってくるところ、そっくりです。というか同じ人なのでは?
「あの」とか「いえ」とか、その後の言葉を続けようにも、一切の隙を与えてくれません。マシンガントークとはこのこと。
とえいあえず「はぁ…、ええ、はい、そうですね…」と気のない返事を繰り返して数分、やっとここでこちらのターンが来たようで、
「何かお子さん、お勉強でお困りのことございませんか?」
と聞いてくださいました。
嘘で固めた我が子の話
「色々なところからお話しいただくこともあるんですが、現状子どもたちに学習面での困りごとって全然なくて…」
我が家のお決まり「カシコイ我が子、対営業電話バージョン」です。もちろん困りごとだらけの我が家ですが、そんなことを見ず知らずの方にお話しするほどではありません。というかそれくらいなら学校の先生にでも相談する方が数億倍速く解決することでしょう。
そうなってくると相手も次のカードを切ってきます。
「ええ~!かしこい!何か他で習い事とかお勉強とかされてるんですか?」
前もやったな、このやりとり。でもまあいいでしょう。お付き合いしますよ。「いえいえ、全然、自主的に色々やってくれているので…」な~んて、嘘八百。普通だったらこの辺りで、
「左様ですか、でしたらまた何かあれば…」
となるのですが、この方は違っています。
「そうなんですね!でももし今後なにかあったときに、わたくしどもの学習方法をご存知だと、お母様の対応も変わってきます!知識として知っておいていただくだけでも!」
と、今後の不安をつつきだします。以前もそうでしたね。絶対同じとこだろ!
「一度教材を見ていただいて!」
と、なんとか家に来ようとします。こういう営業の方って、家に来ようとするのは何故なんでしょうか?
忙しいからお会いできない
何かを送ってこられるのも実際面倒だと思うのに、家に来られるのは非常に迷惑なので、「実は普段は仕事が忙しくて」とお断りモードを作動させます。すると、
「お仕事は何時までですか?」
とのこと。まあ、子どもがいる母親なので、仕事だって17時か18時には終わっているだろうという算段でしょうね。残念「19時か20時ですね~」と返答しておきます。
職業を伝えると一変
「お母様、フルでお仕事されてらっしゃるんですね!そんな遅い時間まで…」
とおっしゃるので、「実は教育関係で…」とお伝えしたところ、なぜか態度が一変。
「早く言ってくださいよ!それでしたらお母様の方がお詳しいでしょうし、また何かございましたら、是非~」
と驚くほどスムーズに通話が終了しました。なぜ?
勝手な考察
とりあえずフィンランド式家庭学習については、
・フィンランドの子は塾などに通わなくても、授業内容の理解やテストの点数が良い
・習い事や塾へ行っていても、読解力や作文力がないお子さんが多いけれど、この教材を使えば大丈夫
・みなさん「そんなやり方があったのね!」と驚かれる
・我が子に合わないと思ったら、すぐ断ってもらって大丈夫
とのことでした。そんなに有効な学習方法なら、ネットにも情報があるのでは?と思ったけれど、それらしいものはなし。営業電話の口コミ情報ばかりが出てきました。
実際にその教材を見てみた・体験したという情報が見つけられなかったので確かではありませんが、「家に行きたい」とかいう時点でちょっとおかしいのかな、とは思います。
しかも保護者の職業が教育関係者だとわかると、あっという間に去っていくあたり…本来なら教育関係者同士そこから話が盛り上がるところでは?と思うのですが…。
詐欺までいかないにしても、近しい何かなのかもしれませんね。皆様お気を付けください。
子どもの学習で困ったら…
「お困りじゃないですか?」という見ず知らずの人からの電話に泣きついてしまうほど困っているなら、もっと身近な人に相談してみることをおすすめします。
近所の学習塾とか、学研や公文でも、きっと解決の糸口くらいは見つかるのではないでしょうか。おそらくそういった場所におられる方々の方が、こういった電話の相手もりもよっぽどプロフェッショナルなはずです。
そういった場所は金銭が発生するからちょっと…というのであれば、それこそ学校の先生に相談してみましょう。ひとりで抱え込まないことが、大切です。
とりあえず私はその日、娘の「学校行きたくない」の本当の理由を聞き取るタスクに残りの時間を費やしたのでした。フィンランド式…聞いておけばよかったかしら?