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出産体験記②-誕生-

1時半、もう1つのLDRから声が聞こえた。赤ちゃんが生まれたみたい。お母さん結構叫んでたな。でも結構短時間だったのかな……羨ましい……。こちらはウトウトしながら、陣痛に耐えている。ちょっと呼吸気をつけないとかな……レベルだけど、まだまだだよね……これ……。夫が戻ってきて、お布団もってきてソファで寝てる。私は一体何時になるのだろう……

ついにてっぺんを超え、日付が変わった。
陣痛をやり過ごしながらウトウトしていると、隣のLDRに人が入ってくる音がした。(この病院はLDRが二つある)

苦しむ女性の声がして、ほどなくして産声が聞こえた。
あー…生まれたのかぁ……。
後から来たのに先に生まれたんだ…いいな…と思いながらゴロゴロする。

夫は毛布と枕を持ってきてソファで寝ている。
隣で赤ちゃんが産まれたことには気付いていないようだった。

1時45分、となりの赤ちゃんの声を聞いていたら、突然お腹がドルンっとしてめっちゃ痛い……なんだ?蹴られたのか?それから陣痛の痛みが増した気がする。もしかしたらこれで少しスパートがかかるかな?

一時過ぎになると陣痛は少し強くなっていた。前回のように息を細く長く出すようにして痛みを逃す。でもまだまだ生まれるという感じではなかった。

横向きに寝転がっていると、突然お腹が痛くなった。
経験したことのないような感覚だった。
痛いのはもちろんだが、痛いというよりはいきなりお腹が(というか中の人が)大きく動いたという感じである。
なので一瞬ドルンッと痛い感じがしただけで、そのあとは特に痛みはなかったのだが、そこから明らかに陣痛が強くなったのを感じた。


3時ちょうど、生まれた!

ここからの展開があまりに急すぎて、私も笑ってしまった。

そうなのだ。
さきほどのメモ書いてから、ほんの一時間ほどでいきなり陣痛が進み、急転直下子どもが生まれたのだ。

というわけで、その後の展開を当日のメモをそのまま載せてみる。

お腹を蹴られたあと、やはり陣痛がいきなり痛くなってきて夫を起こした。ナースコールしたら7センチくらいで少し進んだみたい。陣痛はもう結構しんどくて、湯たんぽをもらう。しばらく耐えてたけど、割とすぐに出てきそうな感じがしてテニスボールで押してもらった。ベッドの手すりにつかまって腕を突っ張らせて、夫には下から押してもらう形が一番耐えられる。三回か四回目くらいに、もうやっぱり出したい感じがするかもと思い、ちょっと早いかと思ったけどナースコール。内診してもらったらなんと全開!そこからバタバタ準備してる間にも出てきそうで何度かいきむ。もうすぐそこに頭があるよと言われた。たまに陣痛がちょっと落ち着くな?という感覚もありながら、股には違和感があり続ける感じ。陣痛に合わせて何とかいきむ……股が裂ける感覚をダイレクトに感じた。めちゃくちゃ痛い。何回かいきむと、もう力抜いて〜と言われて、手を胸に置いてゆっくり息を出す。出てきた…。はー…やっぱり男の子だ。元気に泣いてる。ちっちゃい。娘ちゃんより顔が丸いような気がする。軽い。
お腹に乗せられる。爪がすこし伸びてる。ああ……元気でよかった。

というわけで、あまりにもドンドンと進んでいくので自分自身何が何だかわからないうちに生まれたという感じである。

ただやはり二回目ではあるので、割と頭は冷静であった。助産師さんが私のお股を手で押さえながら、パタパタと分娩台に変形させ、私の足にカバーをつけてお尻の下にシートを引くのを眺め、陣痛の合間に足を上げたりお尻を上げたりしてアシストした。

ただ、早よ準備せなもう出てまうよ!?
という焦りは若干あった。笑

そして前回はいきみ方がわからずテンパったが、今回は育児ブログでちゃんと予習をしたので(笑)我ながら上手にいきめたと思う。

自分のヘソを見るように身体を丸め、目を開けて声を出さずに踏ん張るのだ。

そして生まれるまで、本当に男の子なの?という疑惑がずっと頭にあったのでw
ちゃんと男の子でホッとした。笑


力んだせいで酸欠なのか頭痛がして頭がクラクラする。喉が渇いた。最後あんまり息が吸えなかったもんな。吐いてばっかりでしんどかった。痛いし。いやめちゃくちゃ痛いし。でも短い時間で済んで良かった。

いや、短くてもやっぱ痛いよ。
生まれたあと夫が頭を撫でて「お疲れさん」って言ってくれたような気がするが、とにかくお股も痛いし頭痛も酷かった。
今思えばたぶん貧血のせいもある。

生まれたあとに先生が来た。会陰は表面が少し裂けたと言われたけど、それって先生いなかったから切開できなかったってことよね……たぶん。

そうなのだ。
実は前の人の出産が終わった後、次に控えてる私の進みがあまりに遅いので、先生が一旦帰宅していていなかったのだ。
ちなみに先生は、例の内診が痛いおじさん先生であった。

私の後産の処置をしながら、ベテラン助産師さん(婦長さん?)とおじさん先生が「まだ進んでないっていうから帰ったのに」「帰っていいなんて言ってませんよ」みたいな軽口を叩き合っていた。

お腹が緩んでると言われてお腹をプニプニ揺らされるのが微妙に痛い。出血が少し多めみたいだ。点滴をされて、だんだん収縮していく。陣痛が弱かったから戻る力も少し弱いみたいなことを言われた。後産自体はそこまで痛くはなかった。そのあと縫合も、先生とすこし喋りながら、モニター(別室で処置されてる子どもが映ってる)を見ながら受ける。引っ張られる感じが不愉快だけど、そんなに痛いわけではない。今回溶ける糸で縫ってくれたみたいで抜糸はいらないって。良かった。前回は中まで裂けちゃったからかな。

助産師さんは「もう一回陣痛のような痛みがありますよ」と言ったが、後産は別に痛くはなかった。
なんかよくわからないうちに出たようだ。
病院によっては自分の胎盤を見せてくれるそうだが、ここでは特に何もなく片付けられていった。

お腹をプニプニと押しながら揺することで子宮の収縮を促しているようだったが、これがなんか不快ななんとも言えない痛みがあった。

先生「いやー早かったね。お隣に触発されたのかな」
私「お隣の赤ちゃんの声聞いてたらいきなりきました」
先生「へー…なかなか進まない妊婦さんはお産の音聞かせるといいのかな」
みたいな会話をしながら縫合してもらった。

塗るタイプの麻酔と、注射の麻酔をしたためか縫合自体はそれほど痛くはないが、たまにチクっとする感じと皮膚を引っ張られている感じはあった。
私の気を反らせるためか先生はずっとお喋りしていた。

ずっと頭痛がしてて、助産師さんに話すけどスルーされる。疲れた。喉乾いた。眠りたい。微妙に痛い。股に違和感。
綺麗になった赤ちゃんが戻ってきて写真。軽い。名前は…どうしよう。頭が痛いしあまり動いてない感じがする。夫に抱っこしてもらう。その方が安心だ。ああ…頭がいたい。LDRで2時間休憩。夫にすこし一緒にいてもらって、四時過ぎくらいに彼は返っていった。私も眠りたい。後陣痛はないけど、痛み止めを飲む。頭痛がよくなるといいな。

とにかく頭痛がひどい。
助産師さんに話してもスルーされるので割とよくあることなのかもしれないが、自分的にはちょっとドキドキしていた。

夫はとにかく眠いらしく早くちゃんとベッドで寝たい感が出ていたので帰ってもらった。
運転大丈夫かよ(家は車で5分です)

トイレにいっておしっこをして、個室に戻る。足取りは割と大丈夫…遅いけど、すごく痛いとかはない。明るくなってから体を拭いて着替えることにして、まずは眠ろう……。

ちゃんとオシッコが出て、ちゃんと歩けた。
スタスタというわけにはいかないけど、フラフラするもいうこともなかった。
しかしやはり頭痛がひどくて早く寝たい、とにかく寝たいという感じだったので、身体を拭いてもらうのは一眠りした後にしてもらうことにした。

6時、胸がドキドキして眠れない。ハッピーターンやチョコサンドクッキーを食べたけど、やはりドキドキしている。LDRで寝たから眠気はないけど、もう少し眠りたいのに……

寝たいのに眠れない。
出産ハイというやつである(たぶん)
なるべくスマホは見ないように目を閉じるが、動悸が激しくてまったく眠れなかった。枕元に置いたお菓子を摘んだり、お茶を飲んだりしながら明るくなっていく外の気配を感じていた。

眠れないついでに名前を考えていたのだが、生まれた子どもの顔を見た途端ふと浮かんだ名前があった。

ふむ……この子は〇〇くんだな……
というわけで、名前は決まった(私の中で)
もしかしたら本当に男の子なのか?という疑問が払拭できなかったために名前がズルズル決まらなかったのかもしれない。


と、いうわけで無事出産が終わった。

なんと子どもは私が当初思っていた日になってすぐに生まれた。

そしてそれは上の子とまったく同じ週数で
破水してから生まれるまでの時間もほぼ同じであった。

下の子の方が若干大きかったが、それでも3000グラム未満でとても安産であった。

きょうだいでもお産は全く違う……
本当にその通りだなと思った次第であった……

#出産 #出産レポ #微弱陣痛 #陣痛

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