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恐れる育児-親戚付き合い

私も夫もきょうだいはいるが、いずれも子どもはいないので、赤子にとって一番年齢の近い親戚はイトコの子ども(ハトコ)である。

更に私は親戚付き合いの薄い家なので、日常的に連絡を取り合う親戚はいない。
夫側の親戚は距離の近さも相まってよくお世話になっている。

夫はイトコたちの年代では一番年下で(正確には夫の妹が一番下だが)めちゃくちゃ可愛がられている。
結婚して挨拶に行った時も「〇〇ちゃんが結婚して奥さん連れてくるなんて!!」と大フィーバーだった。

なので赤子が生まれて連れて行った時にも赤ちゃん大フィーバーが起きた。
授乳時以外は赤子を抱っこする暇がないほど、ずっと誰かが赤子を抱っこしていてくれた。
とてもありがたいことである。

親戚たちの中で最も年齢が近い子で3歳なので、赤子はもちろん最年少である。

子どももたくさんいるので、みんな赤ちゃんに慣れているのだ。
田舎の大らかさを集約したみたいなお家でとても居心地が良い。

夫の親戚宅で楽しい時間を過ごすたび、親戚とは一体なんなのだろうと考える。
親戚というだけで親しみを感じるようなことは私の育ってきた土壌ではないのだ。


赤子のハトコは3歳から中学生までおり、女の子が多い。
この年代の子たちというのは、数ヶ月で見違えるほど成長するのだなと驚くほどだ。

昔親戚が会うたびに「大きくなったねぇ」と声を掛けてきて、なに当たり前の事言ってんだと思っていたが、いざBBAになるとマジで言ってしまうのだ。

赤子にしたってそうだろう。
前回来た時にはまだ人見知りもなくみんなに抱っこされていたし、コロコロ寝返りを打つだけだったが、今はもうつかまり立ちをマスターして隙あらば座卓によじ登ろうとする。
おっぱいを飲むだけだったのに、みんなが驚くような勢いでふかし芋を食べ、そうめんをちゅるちゅる吸っては親戚中から歓声を浴びている。

何より驚くのは子どもたちのパワーである。
とにかくうるさいし、常に走っているし、すぐに喧嘩をする。
ハトコたちはみんな年が近く近所に住んでいてきょうだいのように育っているので全く遠慮がない。

ウンチが漏れてパンツが汚れた
みたいな話で延々と笑い続けているのだ。

あまりに話が面白くないので驚いてしまった。
なぜそれでそんなに笑えるの…?やばくない?と割とマジで心配になってくるのだ。

あれ?静かになったな…と思うとみんなまとめて寝ているのも驚く。数分前まであんなにピーチクパーチク言ってたのにどこでスイッチ切れたの!?とやはりまた驚く。

子どもは驚くことがいっぱいだ。恐ろしい。

私自身も三人兄妹なので、子どもの頃はさぞうるさかったろう…と遠い子ども時代に想いを馳せてしまう。
子どもたくさんいると大変だね…と帰りの車内の話題は100パーセントこれである。アレが日常ってすごい。

そして数年のうちに赤子もあの子どもハリケーンに巻き込まれるのだ。
マジで恐ろしい。


夫のイトコのNちゃんの旦那さんは日系アメリカ人で、去年からアメリカに住んでいる。
子どもの夏休みに合わせて帰国していて、その間子どもは以前通っていた日本の小学校にまた通っている。

どういう仕組みかはわからないが、なんかそういうことが可能らしい。
アメリカでは現地校に通っているので、勉強の進度の違いや言葉が心配ではあるが、漢字がわからないくらいでそれほど問題なく通えているそうだ。
子どもの順応性の高さはすごい。

Nちゃんは年齢も近いのでよく話すのだが、不意に二人目の話題が出て思わず身構えてしまった。

というのも、Nちゃんは第二子妊娠中に病気になり、中絶せざるを得なかった…と夫に聞いていたからだ。

たぶんNちゃんは、私がそのことを知っていることは知らないのだ。

Nちゃんの娘は現在母親にだけツンツン期である。「ママなんか嫌い」とすぐに言うし(その割には常にくっついているが)、周りが嗜めるほど母親にだけ反抗的である。
親戚に囲まれて育ったのに、いきなりアメリカに移住したのだ。言葉は小さい頃から父親に習っていたとしても、母語は日本語である。甘えられるのは母親しかいないのだろうと傍から見ていればわかる。(父親は日系人だが日本語はほとんど話せない。数年日本に住んでいたのに…)

しかし常に反抗的で、かなり攻撃的な言葉を投げかけられる母親的には辛いものがあるだろう。
母親だって人間なのだ。

きょうだいがいればよかったのではないかと思う。でも年齢的にも今から…というのはちょっと体力に自信がない。
Nちゃんはそう言っていた。

どどどどうしよう。
あくまで二人目は考えてる?と聞かれているのは私なので、余計なことは言わない方がいいに決まっている。

そんなことないよ〜まだ若いじゃん〜二人目作っちゃいなよー!
が、最悪の解答なのは明らかである。
でも、もし私がNちゃんの病気を知らなかったら普通に口に出してそうである。めちゃくちゃ恐ろしい。

ここはやはりジャパニーズふんわり会話しかない。
子どもについての最たるふんわりワード「授かりもの」発動である。

授かるもクソもある程度そのための行為をしなければ基本的には子どもはできないのだが、そこは日本人なので空気を読むのだ。

二人目についての会話…親戚や友人間ではありがちだが正解は何なのだろう…。
簡単に子どもの話をするには、今の社会は複雑すぎる。

#育児 #親戚付き合い #子育て #第二子

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