リーバイスのジーンズ
僕は友達の友也の経営している古着屋に来た。
謝罪をするためだ。
「ごめん、せっかくもらったTシャツなんだけど、この間新幹線で見知らぬ女に強引に交換されてしまったんだ」
「新幹線でまた強姦されたのか?」
「いやそうじゃなくて、Tシャツを交換」
もうこのくだりはパターンだ。
くどい、くどい、くどすぎる。
漫才のネタ合わせじゃないんだから。
毎回毎回同じことを。
いやいや、友也が悪いのではない。悪いのはあの女だ。
まったく何なんだ、あの女は。
友也は「そんなことはわかっているよ、見ればわかる」といった表情をして僕の肩をぽんぽんと叩いた。
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2,161字
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