トレトン
僕は友達の友也の経営している古着屋に来た。
謝罪をするためだ。
「ごめん、せっかくもらったジーンズなんだけど、この間新幹線で」
とここまで言ったところで友也に制止された。
「みなまで言うな。見ればわかる」
友也はそう言って、僕のジーンズを見た。
「気にするな、似合ってるよそのジーンズ」
友也の言葉は決して慰めではなく、本心から来るものだった。
慰めの報酬だ。
違うけど。
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