アナログバイリンガル
広田明日香は通訳としてこの会社に雇われたのだが、ともかくメカ音痴なのだ。
パソコンが使えないのはもとより、スマホも使えずに未だにガラケーで、メールもできない。
帰国子女でフランス語を流暢に話すため、当初はバイリンガールと呼ばれてちやほやされていたが、あまりにもアナログなためにアナログバイリンガルと呼ばれるようになってしまった。
会社のテレワークが始まって困ったのは、彼女だけではない。フランス人のジャンは日本語がうまく話せない。ZOOM会議に明日香無しでは仕事にならないのだ。
そのため、明日香に毎日会社ではなく、自分のアパートに来てもらうようにジャンは明日香に頼み、メカ音痴の明日香もそれを快諾した。
こうしてジャンと明日香は毎日会い、やがてジャンは明日香に恋をした。
ある日、ジャンは思い切って明日香にプロポーズをした。
「僕と君は2人で一人。僕とウルトラマンAになってくれないか?」
「何の話?」
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「謎解きはディナーの後に、みたいに言うな!」