数学ギョウザ
「ねえ、あなたの嫌いなものって何?」
と京子は僕に尋ねる。
「数学ギョウザ」
「何それ?」
「高校の時の数学の教師がさ、大のギョウザ好きでさ、何かと数学にギョウザを絡めてくるんだよ。もう嫌っていうくらい数学、ギョウザ、数学、ギョウザ、の繰り返し。僕はそのせいで、数学とギョウザが大嫌いになったんだ。その授業が数学ギョウザ」
「へえ、おもしろ~い。ねえ、どんなエピソードがあったのか教えてよ」
「忘れたよ。だって嫌いなんだもの。思い出したくも無いし」
「ふうん」
と言って彼女は、ちょっと何かを考えているようだった。
しばらくして彼女が言った。
「じゃあ、私が「京子さんギョウザ」を作ってあげる。数学ギョウザのことは嫌いでも、私と餃子のことは、好きでいてね」
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