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みんなの共同運営マガジン

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甘野充プロデュースの共同運営マガジンです。 共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。 参加をすると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  た…
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#恋愛小説

「みんなの共同運営マガジン」参加申請

 新しく共同運営マガジンを作りました!  甘野充プロデュースの「みんなの共同運営マガジン」です。  このマガジンは投稿記事の内容に制限がありません。  創作以外の記事でも、何でも自由に投稿ができます。  ぜひご参加を!  共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。  参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。  参加費は無料!  参加の申請は、コメント欄に参加希望と書くだけ

【掌編小説】マーキングゲーム

「お前、男のコロンの香りがするな」 男はそう言ってうなじに鼻を寄せた。 「私を抱いた男の香りをつけてるの」 男は少し眉根を寄せたが、すぐに微笑んだ。 「その男は、いくらでお前を買ったんだ」 「6万円だったかしら。もちろんコロンもプレゼントしてもらったわ」

¥100

【掌編小説】夜の波間に君を呼ぶ

「ねぇ、起きてる?」 深夜2時の電話に出た彼女は無言だった。 でも、ボクはそれでもいいと思った。 なぜなら、今日ボクは彼女の夢に登場する。 夢に登場して、虹色の絵の具で世界を塗りたくってやるんだ。

¥100

【読切小説】 わたがし 【13287文字】

扉が、ゆっくりと軋んだ音を立てた。 廃校となった校舎の玄関を押し開けると、ひんやりとした空気が私の頬を撫でた。 床に差し込む午後の光は、かつての賑わいを知る者に語りかけるように、長い影を引いている。 ――最後にここに来たのは何年前だろう。 すっかり忘れていたはずの記憶が、埃の匂いと共に胸の奥からふわりと蘇る。 かつての友と過ごした教室、廊下、音楽室――。 全てがまだ鮮やかにこの胸に蘇る。 匂いですらも、まるで今嗅いだかのようにしっかりと思い出せる。 廃校の案内が来た時、私

¥200

素敵な体調の崩し方

改めて、内容と目次の紹介をさせてください。

【短編小説】旅立ち

彼氏の家に行ったら 真っ最中だった。 私は仕事もそれなりにやってきたし、彼氏のことだってそれなりに大事にしてきた。 それなのに、こういうことってよくないよね。 私は思い切り扉を閉め、今までのことをなくしようと思った。

¥100

両想いなのに結ばれない⁉アンドレ・ジッドの「狭き門」②

いつも私の記事をご覧くださり、ありがとうございます🌸 定期購読マガジン「仲川光🌸世界文学入門①」、1月度第2回を公開させていただきます。 この記事がいいな!と思った方、続きが読みたいと思った方は、ぜひ定期購読マガジンの方をご検討くださいね。 定期購読マガジン【仲川光🌸世界文学入門①】 今月は、アンドレ・ジッドの『狭き門』を取り上げます。 『狭き門』では恋愛と禁欲的信仰の間で葛藤する二人が描かれます。 彼女の宗教的禁欲や、彼女に見合う自分になるまでは……と自己研鑽を

¥250

両想いなのに結ばれない⁉アンドレ・ジッドの「狭き門」①

いつも私の記事をご覧くださり、ありがとうございます🌸 定期購読マガジン「仲川光🌸世界文学入門①」、1月度第1回を公開させていただきます。 この記事がいいな!と思った方、続きが読みたいと思った方は、ぜひ定期購読マガジンの方をご検討くださいね。 定期購読マガジン【仲川光🌸世界文学入門①】 今月は、アンドレ・ジッドの『狭き門』を取り上げます。 『狭き門』では恋愛と禁欲的信仰の間で葛藤する二人が描かれます。 彼女の宗教的禁欲や、彼女に見合う自分になるまでは……と自己研鑽を

¥250

【読切小説】寄り添う春、めぐる頁【22623文字】

新幹線が小気味よい音を立てて停車する。 窓の外には、まだ眠りから覚めきらない街並みが広がっている。 灰色のビルの合間から、わずかに覗く朝焼けの色は、どこか儚げで切ない。 車内のアナウンスが流れ、少なかった乗客たちが眠い目をこ擦りながら降車の準備を始める。 座席に残る温もりが、ここでの長い旅の名残を伝えていた。 「着いたか……」 読みかけていた文庫本にゆっくり栞を挟むと、それをジャケットの内側へと仕舞った。 九州へ来るのは実は初めてだ。 東京に住む俺からすると、この地はどこか

¥200

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? 最終話 「青春」【完結】

 そんなこんなで日々は過ぎていき…… とうとう抜こうと思わなくなる日が来た。  あれからリハビリを繰り返し、普通の生活に戻っていた。 普通にサラリーマンとして勤め、特に期待されることも、残念がられることもなく、日々をおくった。  母親と父親に先立たれ、天涯孤独となった俺。 相変わらずパチンコには通っていた。だが、それも数年前までのことだ。  今はヘルパーさんが回ってきて、そのときに話をするくらいで、あとは誰もしゃべる相手はいなかった。  あの時のことは夢だったん

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.70 「ゲイ……?」

 起き上がれるようになると、車イスでリハビリ棟まで行くようになった。歩行訓練だ。  運がいいことに、俺はほんの少し骨折をしていただけでほとんど無傷だったそうだ。おかげで今こうして歩行訓練を行っている。よろよろと立ち上がるだけだが、それにすら時間を取った。  時間はたっぷりあった。でも俺は何故か焦った。  焦ってステップを飛ばそうとして、何度も療法師さんに怒られた。  俺はいつも寝る前に祈った。 「どうか無事に坂井の元へ行けますように」 ところが、全くと言っていいほ

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.69 「見慣れぬ、天井」

 見慣れぬ、天井。  心電図測定機のような音がピッピッと規則正しく鳴っている。 起き上がろうとしたが、腰に力が入らず起き上がれない。かろうじて腕を動かすと、毛むくじゃらの太い腕が見えた。  あぁ、また夢の中なんだな、と思った。  横にいる母親が 「看護婦さん!看護婦さん!」 と騒いでいる。  看護師は急いでやって来ると、脈を取り始めた。そして 「ご気分が悪いなどはないですか?」 と聞いてきた。 「あー……頭が痛い……かな」  その声は紛れもなく前世の俺だ

アンコールアワー 34 ロマンチックいらない

 こんにちは、甘野充です。  恋人がサンタクロース、っていうけれど、宅配便がサンタクロースってどうよ。  最近はドンキでサンタの衣装を売っていたりして、誰でもサンタクロースになれちゃいますよね。  街中サンタクロースです。  コロナ禍で先行きが見えない不安の中、クリスマスを過ごす二人の物語を書きました。  それではどうぞ。 ★★★ メンバーシップをやっています ★★★  4つのプランがあります。ぜひともご参加を!  ・みんなの交流プラン:月額100円。掲示板のみ使用可

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.68 「初体験」

 独り暮らしを始めて、最初のお客様はミキちゃんだった。  買ったばかりのカップにコーヒーを注ぐとミキちゃんの前に置いた。 「いい部屋だね」  とミキちゃんは言った。 「うん、大学まで電車で一本だって」 「ふうん、いいね!私の部屋は大学まで自転車で十五分くらいのところなんだ」  そう言って微笑むミキちゃんに俺はなんだか寂しい気分になり、また少し泣いた。 「でも、ユウよかったよね」 「何が?」 「ここなら坂井くんも近いし、すぐ会えるじゃん?」  そう言ってまた