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ダレノオカゲ

2019年5月、オーストラリアはケアンズの田舎町のバナナファームで働いていた。


あと2ヶ月ほどで僕のワーホリビザが切れようとしていた。




次はどこへいこうか?



もう決まっていた。



それは学生ビザに切り替えてゴールドコーストへ行くこと。



ゴールドコーストはAus生活最初の3ヶ月に住んでいた。 がしかしそれ以来帰らずにいたままだった。



ハワイみたいに綺麗なビーチ、ガンガンに照りつける太陽。 そんな僕のライフスタイルぴったりの場所にたった3ヶ月しかいなかったことに心底後悔していた。



仕事前にサーフィンに行って、朝飯食って仕事行って、また帰ってきてサーフィン! そんな生活をどうしても実現したかった。


なんなら永住に向けて動き出そうとまで思っていた。



そんなある日、モデルでタレントのDさんのインスタが目に留まる。



その内容はDさんの事務所でダンスボーカルユニットを作ると言う内容だった。



心が揺らいだ。


Dさんの事務所でかいし、Dさん絶対後輩の面倒見いいやろうし、高級焼肉とか連れてってくれたりして、ワンチャンDさんのヒモになれるんじゃね? しかもDさんからモデル仲間とか紹介されてモデルと付き合えるんじゃね?



そんな妄想ばかりが先走るwww




それはさておき昔から歌は好きだし、得意っちゃ得意だし、あと売れたら散々心配かけた親に恩返しができる。


まぁどうせ書類審査で落ちるやろうし応募してみるかってな感じで応募してみた。


一次審査は自己PRと写真貼り付けて送るだけ。 適当に自己PR書いて、写真も何もセットもせず髭も剃らずマジ適当な感じで送ったwww


1週間後、一次審査通過のメール。 えっあんなに適当だったのに笑




二次審査。僕はボーカル志望だったため歌を録音して送る。



1週間後。 通過のメール。



マジか、、、通過したやん。。。




最終審査はもちろん東京で。。。



どーしよーーーー



どっちの選択をしても間違いなくおもろい。どちらのチャンスも逃せない。 ただオーディション受けた方が間違いなく人生のネタになる(ネタにしてる)




悩んだ末オーディションを受けに日本に帰る選択をした。



ダメでも次カナダに行けばいい!!



残り少ないAusライフ最後まで働いてちょっとお金貯めて帰るか〜



がオーストラリアは南半球、冬に差し掛かろうとしていて、冬のシーズンはほとんど仕事がない。。



週3程度しか働けずお金も貯まらない。。


どうしようか、、



そんな中一緒に働いてた日本人の友達がファームを変えると言って違うファームに行った。


僕は今いるバナナファームに一年以上もいたため最後はここで終わりたかった。。


がしかし仕事がないなら仕方ない。


そいつを追うようにして、もう1人韓国人のブラザーと一緒に向かった。



当時車を持っていたためケアンズから南に5時間南下した所にあるAyrって言う街に車を走らせた。


そのファームはズッキーニファームでヨーロピアンだらけのファームとは聞いていてワクワクしていた。


がしかし、ゴリゴリのブリティッシュ英語を目の当たりにして全くなんて言ってるか分からず全く聞き取れなかった。



今までほとんどアジア人しか絡んでこなかったし、当時の僕は全く英語は話せなかった。


正直辛かった。 僕は幸い僕の前に行った日本人の友達がいるけど、韓国人のブラザーは1人やし、、もっと辛かったやろうな。。



そんな中孤立していたアジア人2人に優しく接してきてくれたフランス人たち。



その中でもイケメンパリジャンのJulesってやつは親身になって話を聞いてくれるし、優しいし分からなかったら何回でも言ってくれるし聞いてくれるし、、 とにかくいいやつだった。



Jules含めフランス人連中がいなかったら孤立したまんまだったんだろうなと。


仕事はバナナファームよりは楽で腰は痛くなるけどまぁ余裕。


そんな仕事始まって1週間、ようやく慣れてきた頃、まさかのJulesクビ宣告。。。



さすがにこれは萎えた。。


Julesがいるからここで生き延びれてるのに。。


「パリ来た時は連絡しろよ、また会おうぞブラザー」そんな言葉を残し彼は去っていった。。。


ただ彼とはどこかでまた会うんやろうなと確信していた。


パリに行ったら絶対連絡しようと!



1ヶ月だけここのファームで働く予定でそっからゴールドコーストまでロードトリップしてと言う流れだった。


残りの2週間は生活にも慣れ、他の国の奴らともコミュニケーション取れるようになり、みんなで仕事終わりにサッカーしたり(上記写真) それなりに楽しい生活を送ることができた。



今振り返ってみると、ここのファームに行ってなかったら僕はずっとネイティブと会話するのが怖くて話せなかったと思う。



別に今も話せる訳じゃないけど、正直英語なんて伝わればいい。自分の持ってるボキャブラリー並べて伝えればいい。 相手が聞いてくれないならこっちから願い下げだわ!! お前らが日本語話せんのがいかん!! そんな吹っ切れたスタンスに切り替わったww


そしたら今では英語に対して恐怖心がなくなった。


間違いなく僕の英語に対するターニングポイントになった。



本当に行って良かった。


オース生活最後の仕事を終え、いざロードトリップ!!


その前に別れ際、可愛いブリティッシュのジョージーナちゃんから「もう出て行っちゃうの?なんで?もっと話したかったよ。」って言われた時は嬉しかった。 




当時の僕は外人に対するコミュ力ゼロだったため、インスタ教えてすらも言えずただバイバイして終わった。。。 (童貞かよ。) ※童貞ではありません。


ロードトリップといいつつも大して時間はなく、パンダバーグ、バイロンベイなどなど主要なところをちょこっと寄ってみただけ。



2日かけて無事にゴールドコースト到着!!


ゴールドコーストにいる友達たちとカジノ、飲み、チル。。 


別に大したことはしてなんだけど僕の人生が180度変わった場所。


そんなスタート地点に戻って来れてよかった。 


ゴールドコーストやっぱ最高の街。。 去るのが惜しい。。



そんなこんなでAus生活も残り2日を迎えた時に、Dさんの事務所からこんなメールが。。


内容は最終オーディションの内容を変更するとのこと。ボーカル志望、ダンサー志望関係なく歌、ダンスの審査をすると言う内容だった。


マジか、、、


ダンスなんて一度もやったことがない。 僕たちの頃は体育で必修科目でもなかった。(誰がおじさんや) 


多分僕はセンスがなくアメトークの踊りたくない芸人みたいなんやろうなと、、、



もう諦めるしかないのか、、、



待てよそれでいいのか自分??



このために日本に帰国するんじゃないのか自分??



日本でしばらくお世話になる予定だった神奈川に住んでいる直樹にもし受けないなら泊めてやらんと言われ半強制的に受けることに、、笑



がしかしダンスなんてどうしたらいい?



そういえば、偶然にもオーストラリア時代の友達のゆひなと言うダンサーの友達がいた。 しかし彼女は静岡住み、、来てくれるだろうか?



一応ダメ元で聞いてみることに、、



すると二つ返事でOKしてくれることに。



本番まで3週間、週一回神奈川に来てもらい海辺でダンスレッスンをしてもらえることに。


この3回の練習で振り付けをそこそこ覚えることができた。 踊れない芸人ではなかった。 むしろ意外とセンスがあった。 


教えてくれたゆひなには頭が上がらない。 

あの夏は本当に楽しかった。  


ゆひな本当にありがとう!!


そしてオーディション前日、あとは歌。。 審査の内容は自己PR、ダンス、歌30秒。


何を歌おうか。。。


前日直樹とカラオケに行きいざ選曲。


とりあえず、大好きな清水翔太、ワンオクとか歌って直樹に聞いてもらう。


でもなんか違う。


やっぱオーストラリア上がりやから洋楽の方がいいんじゃねって言う結論に。。



何曲か歌ってみた結果、



クイーンの’ I Was Born to Love you ‘ これが1番しっくりきた。



この曲は小学生の頃見ていたキムタクのドラマ プライドのエンディング曲でよく歌っていた。



自分の音域の広さ、声量を存分に発揮できるベストな曲。 よしこれに決めた!!



そして迎えたオーディション当日!!


東京のとあるスタジオにて。


周りには最終審査で残った10人ぐらいの夢追い人たち。


正直なこと言ってずば抜けてこいつかっこえぇ〜 オーラ半端ねぇ〜ってやつは1人もいない笑


僕みたいにふらっと来たやつなんていないし、人生をかけて来てる。 目をギラギラさせていた。



そんな中1人声をかけて来てくれた子がいた。


名前はJ君。 溝端順平+小池徹平÷2したような爽やかイケメン!


彼はバイトをしながらかれこれ3年ほどずっと俳優活動、オーディションをやっているそう。


ハキハキしていて顔から滲み出る人の良さ。本当にいい子だった。



いくらふらっと参加したとは言え初めての経験でそれなりに緊張していた。 でも彼のお陰で緊張が和らいだ。



本当にいい子だった。 彼みたいな子が受かればいいのに。



そんなこんなでオーディションが、始まった。


最初は自己PRからの歌30秒みたいな流れで進んでいった。


やっぱ他のみんなはオーディション慣れしてるだけあってハキハキしてしっかり自己アピールがしっかりしていた。


歌も無難にEXILEとか歌っていてこいつらわかっとるな〜なんて思いながらもそんなに上手いわけでもない、、笑


5人目に差し掛かったときついに僕の番が来た。


ダメ元で来てるしワンチャンあるんじゃねぐらいな感じで来てるしまぁ緊張せず楽に話そうと思ってはいたが、やっぱりちょっと緊張してうまく自己アピール出来ず、、



まぁいい! 勝負は歌だ!!



歌だけは絶対負けない!!




ついに迎えた歌の番!!



渾身の 




I 〜 was born 〜 to love you〜 





歌い切った。。




がしかし、、





見事にスベッたwwwww





若手芸人の漫才並みにすべった、、、




完全なる選曲ミスwwwww




審査員たちはなんでこの曲選曲したんやって言う目をしていたwww



無難にEXILEとか日本の曲歌っとけばよかったと後悔。。




ただ歌の上手さだったら1番うまかった自信はある。。




選曲な、、笑




そんなこんなでダンスをみんなでこなしオーディションは終わった。


終わった後J君と近くの公園で反省会!


J君 「僕今回のオーディションEXILE系のオーディションだと思うんですよ、だからRyuさんEXILE系なんでワンチャンあると思いますよ!!」



僕(心中) 「誰がEXILEヅラやねん」とツッコんだ。


J君もそのオーディションはダメだったけど、今は事務所に所属しエキストラでそこそこドラマとかに出演している。


いつかビッグな俳優になってモデルとコンパ組んでくれることを願ってる。笑



僕の人生において本当にいい経験ができた。 後悔はない。 受けてよかった。



J君と別れた後、東京にいる地元の友達と昼飲みの約束があったため渋谷に向かった。




少し遅れると友達から連絡があり、人の多さと真夏のジメジメした日本の気候に嫌気がさしながら、まだかまだかと友達をハチ公前で待っていた。



そんな時だった。。



どこか見覚えのある外人がそこにいた。。




オース生活最後に出会ったフランス人、Julesだ!!!





んなわけあるかい、彼はまだビザがあるしまだオースにいる。





絶対人違いに決まっている。。




もう一度見直す。




やっぱJulesだ!




まぁ人違いかもしれんしとりあえず目が合うまでじっと見つめることにした。





じーっと見つめる。




目があった瞬間





2人声を揃えて 「ワッタファッキンアーユーデゥーイン!!!!!」




Julesだった。




思わず渋谷のど真ん中で大声で叫んで抱き合った。。 周りの目なんぞ気にせず。




彼は家族旅行で現地集合でAusから家族はフランスから来ていた。




そして彼は僕が東京出身ではないことを伝えていたため連絡しなかった。 家族旅行もあって。




でもこうやって日本の東京の渋谷のハチ公前奇跡の再会。。




震えた。。




今でもあの瞬間を鮮明に覚えている。



彼は次の日から京都に向かうといい、また東京に戻ってくると言うことなので飲みの約束をしてその日は別れた。



京都から帰ってきていざおもてなし!!




居酒屋行って、六本木のクラブ行って、ジャパニーズガールを用意しようと慣れないナンパをして(安定の失敗。) とにかく僕にできるおもてなしは精一杯やった。



最高でクレイジーな夜だった。


「次は俺の番だ!パリに来た時は必ず!!」



そんな言葉をもらい彼との東京ナイト奇跡の再会を終えた。



そして今僕は奇跡的にロンドンにいる。


ロンドンとパリなんて目と鼻の先。


がしかし彼は今ポルトガルのリスボンで働いている。



むしろパリとリスボンを案内してもらえて一石二鳥なんですけど笑



もちろんJulesとは連絡を取り合っていて、毎回パリに帰る時は連絡をくれる。



お金が貯まって暖かくなってきた頃にすぐにでも会いに行く準備はできている。


僕のロンドンにきた一つの理由でもある。


早く会いたすぎるぜブラザー!



ただ彼が言った「Ryu!次会う時はお前の彼女を連れて来い!俺の彼女と4人でパリディズニーでダブルデートしよう」 この東京で交わした約束は守れそうにない、、笑



ごめんよwwww



全てはDさんのインスタを見て始まった。




まさにDさんに引き寄せられた奇跡。。




本当に感謝してます。 一生の推しです!!





マジでダレノオカゲ?




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