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エコノメソッドでトップチームはどうかわる?

みなさん、こんにちは。昨日、Twitterで、先日の新体制発表会で、みなさんが深く聞きたいことは?と質問させていただきました。結構僅差なのですが、なんとなくみなさんが気になっていることは、エコノメソッド導入して、スペインから監督呼んで、拠点作るとか言ってて、胸スポンサーないのに、経営状況どうなってんの?ということが1つと、エコノメソッド導入して、トップチームは強くなるの?ということがもう1つかなと思います。

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それでは、まず一番票が集まったエコノメソッド&トップチームという視点から記事を書いてみたいと思います。



1.そもそもサッカーチームはどうすれば強くなる?

確率論でいうと、単純にいい選手連れてきて、いい監督連れてきたら勝てる可能性は高まると思います。以下、2019年のJクラブの強化費です。ご覧いただければわかるとおり、確かに強化費が上のチームは上位にくる傾向はありますが、例えば大分は、強化費がリーグ最下位にも関わらず、2019年のJ1では9位と非常に検討しています。一方、FC岐阜は強化費がリーグ15位ですが、ダントツで最下位になってしまいました。また、J3のカマタマーレ讃岐も強化費が3番目に多かったにも関わらず、2019年度のJ3で14位でした。

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つまり、強化費 ≠ リーグ順位ではないのです。では、何が大切なのでしょうか。「ゲームモデルに合う監督、合う選手リストの中から、年齢、ポジション、予算のバランスを見つつ、最大限質の高さを追求する。」

なんだ、当たり前の話じゃないですか。と思われるかもしれませんが、これが意外に難しいのです。

2.料理に例えてみると

料理に例えて申し訳ないですが、サッカーというのは料理に非常に似ています。料理の種類がゲームモデル、シェフは監督、食材が選手であり、調味料・調理法が戦術。ピッチという場所にシェフの料理が並びます。スペイン料理、和食、ブラジル料理いろいろありますね。

例えば、スペイン料理(スペインのゲームモデル)を作るとしても、スペイン人シェフ(監督)の前に和食の食材(スペインのゲームモデルに合わない選手)を並べてしまうとなかなか誰もがおいしいと感じるスペイン料理はできません。もちろん食材(選手)によってはスペイン料理に合う食材もあるのですが。

Jリーグでは過去によくありましたが、スペイン人のトップ選手を連れてきてもなかなかよいパフォーマンスを発揮できないなんてことがあったのは、日本人シェフが日本の食材、日本の調味料で料理を作ろうとしてるのに、素材が最高だからといって、スペイン料理のものを混ぜてしまうとなじまないのです。

では、どうすればよいか。どういった料理を作るかを決める(クラブのゲームモデルを決める)、その料理に熟練したシェフを連れてくる(ゲームモデルを実践できる監督を連れてくる)、その料理に合う食材を調達する(ゲームモデルに合う選手を獲得する)、料理、食材に合う調味料・調理法を行う(選手の特徴に合う戦術をとる)のです。この視点がないと、料理がおいしくないからといって、すぐに違う料理のレストランを開き、また、シェフ、食材を集めるところから始めないといけなくなるのです。もし、仮にシェフが変わるとしても、何のレストランで何料理を作るということが明確になっていれば、食材はマイナーチェンジでよく、もともとあった食材をいかすことが容易にできるようになるのです。つまり、毎年毎年リセットし、新しいシェフ、新しい食材を集める必要がなくなるということは、成功する確率があがり、選手獲得コストも安定し、強化費をかけすぎずとも、戦えるチームが作れるのです。

3.奈良クラブにどう落としこまれる?

今年の奈良クラブは、スペインのサッカーサービス社と契約し、エコノメソッドを導入しました。ゲームモデルは、FCバルセロナに非常に近いです。簡単に言うと、ボールを保持し、ゲームを支配する。そして、奪われたら素早く取り返す、守備時は下がる守備ではなく、前進する守備です。また、ピッチでの選手の配置に高い意識を置き、バランスを重視します。今期多くの選手が変わりましたが、選手が悪いわけではなく、今年の奈良クラブのゲームモデルにあった選手を獲得したということにつきます。今年の選手を見ると、スペイン人に指導を受けた経験のある選手が多いことがわかると思いますが、スペイン人のゲームモデルに馴染みのある選手を多く獲得した意図はわかっていただけると思います。

では、奈良クラブにどう落とし込むか。開幕前なので、多くは話できませんが、エコノメソッドを使って行う一般的な指導の方法を説明します。通常、どこのチームでも分析官がいますし、試合を見るとサッカーに精通した人はどこが悪いか、どこを改善すればいいかということはわかると思います。

ただ、実際にピッチ内で起こっていた現象を練習の場で再現し、その部分を修正するトレーニングを行うことができる指導者は一体どれぐらいいるでしょうか。私はたくさんの日本人コーチ、スペイン人コーチを見てきていますが、これができる指導者はほとんどいないのです。もちろん、プレーするのは選手ですから、改善トレーニングを行ったとしても、ピッチ内ですぐに修正されたものが見られるかというと、時間はある程度かかると思いますが、時間とともに「あ、よくなってきた!」とスタンドからでも分かるようになると思います。

その上で勝てるかどうか。こればっかりは相手があることですのでなんともいえませんが、選手育成に17年かかわってきた自分としては、過去の経験上、結果の出る確率が高い仕組みを構築したと考えています。スポンサーを集めて売上を伸ばすことも大切ですが、限りのある資金をどう効率的に使うかを考えたときにゲームモデルが明確になっているかどうかは大きく投資効率に影響すると思います。

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