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【メイン部分無料】WCS24~海外大会の実態と所感(おまけ ヤレユータン採用型サーナイトの解説)

はじめに

こんにちは。チーム千里眼の密林(@miTSUriN_miri)です。

今回は、現地時間8/16~18にハワイのホノルル
で開催されていたWCS2024に参加してきましたので、海外大会に初参加して得た所感についてまとめていこうかと思います。
WCS参加を目指している人の中には、まだ海外大会の参加経験がない方も多いと思います。今回はそういった方を主に対象として、同じく海外大会初参加の私が感じたことをまとめていこうと思います。

またおまけとして、今回の環境考察と、WCSで使用したサーナイトの解説を付記させていただきました。

一部Xにて投稿した内容と被る部分がありますが、予めご了承ください。


前提:ルールの違い

ここはご存じの方がほとんどだとは思いますが、日本の大会が基本的には25分~のBO1で勝敗を決するのに対して、海外大会は50分~のBO3で勝敗の決定を行います。
そうして二勝または一勝+時間切れによって勝ちとなり、また一勝一敗+時間切れによって引き分けになります。

日本の場合勝敗は「勝ち」「負け(両負け含む)」の二つしかありませんが、海外大会の場合「勝ち」「引き分け」「負け」の三つがあり、それぞれ勝ち点3,1,0が与えられます。

今回のWCSDay1の通過ボーダーは8戦で勝ち点18ですので、6勝以上か5勝3分けが必要条件となります。
したがって、負けを一回した時点で、Day1通過のみを目的とするのであれば、引き分けは負けと同じ価値になります。(引き分けの勝ち点1を有効に使えるのは5勝3分0敗のパターンしかないからです)

時間の管理について

50分で3本勝負というととても終わらないように感じますが、時間が切れた後の判定が異なり、時間切れになった段階のプレイヤーのターンを0ターン目として3ターン目、つまり相手プレイヤーの二回目のターン終了までプレイを続行します。(ポケモンチェック中の時間切れの場合は0ターン目がありません)

したがって、日本の大会以上に「時間切れになってからのプレイヤーの時間消費」が激しく、そこに至るまでにどこまでプレイを進めておけばいいのかを頭に置いておかなければなりません。

私の所感としては、「進化ギミックを絡めたex同士の対戦は終わらないことがある。Vとexの対戦は何とか終わる」というものです。私はどちらかといえばプレイが速いほうだとは思いますが、それでもパオジアンとの対戦は時間がもう少しのところで切れてしまいました。
特にV主体のデッキは構造上盤面にサイドを2枚とれるポケモンが常駐しがちなので、仮に時間が切れても切れた後のターンでゲームを終わらせやすい、という点が大きいように思います。
逆に言えば進化ex主体のデッキは、サイドを1ターンに複数取られないように盤面を作ることが比較的やりやすく、自分の勝ち目が薄くなったと判断した時点でそうした牛歩戦術を取り、引き分けを狙いに行くプレイが通りやすいというところも大きいと思います。

緊張との闘い

これは個人差がある問題だとは思うのですが、私は一回戦、緊張のあまり自分のいつものプレイをすることができませんでした。対戦後余裕のない中で振り返っただけでも、大きなミスといえるものを最低3回はしていたと記憶しています。

これはもちろん私が無意識レベルでできるようになるまでプレイングを突き詰めていなかった、というところもあるでしょうが、それ以前に場やいつもの大会との雰囲気の違いによって(それが世界最大の大会だということを差し引いても)緊張しやすい状況にあったと考えています。その理由を以下に述べてみます。

① 知り合いの人数

普段の大型大会であれば、私は一緒に練習をしている誰かしらと会場に来ていることが多く、席につく前にはその友人と会話をしながら時間を過ごすことになります。
これによって緊張がある程度解けている側面が強かったのですが、今回の大会は私一人の遠征でした。

普段であればそれでも会場内によく話しているような友人が数人はいることが多かったのですが、今回はそれもあまりない状況でした。
海外ともなると遠く、金銭的な事情や時間的な都合もあって、参加権者以外が随行するのはそう簡単ではありません。

結果として、朝起きてから大会開始までの長い時間を自分一人で過ごすこととなり、内心で高まっていった緊張の波を解くタイミングが得られませんでした。この点はいつもの大会と違うものとしてとらえ、複数人で過ごせないのであれば、いつものルーチンとは別の方法でリラックスする手段を講じるのが良いと思います。

② 大会開始までの流れ

日本の大会と異なる流れとして一番感じたのは、大会開始から第一試合開始までの流れがかなりシームレスに近いという点でした。日本の大会であればまずはマッチングが発表されて着席し、ゲームの準備を整えたうえで開会式が始まり、一斉アナウンスで試合開始、という流れを取ります。
二戦目以降も、まだ対戦準備が終わっていない卓がもうないことを確認したうえで、静かな会場内に試合開始のアナウンスがあります。

しかし今回のWCSでは、まず最初にWCS全体での開会式が行われ、そのあとすぐにマッチングが発表されてあわただしく移動し、着席して対戦相手とやり取りをし、試合開始の準備が整うか整わないかのうちに開始のアナウンスがある、という流れでした。

普段であれば対戦相手とも一通りのアイスブレイク的な雑談が終わって、「もういい加減始めたいよ」と思うタイミングも過ぎ、いい加減焦れてきたところでようやく始められる、という感覚があります。そのため、そのだれた空気が結果的に自分の緊張を解いてくれていた側面があったのですが、今回大会については「えっもう始まるの?」と、なかなか心の準備も間に合っていない状態での対戦でした。

重ねて、WCSのように人が多く集まる場所ではどうしても電波が通じにくくなります。今回私の初戦は、スマホの電波が通じないことを受けてスタッフに(英語で!)確認をしたのちに自分の席に移動する、という動きでした。

またさらに、全体が対戦準備を進めている途中の卓があってもお構いなしにアナウンスが始まってしまうので、どうしても会場内は騒がしく、注意しないと開始のアナウンスを聞き逃してしまう状況でした。実際、私が自分の耳で開始のアナウンスを確認できたのは1~2戦程度だったと記憶しています。

これが日本語のアナウンスであればそうそう聞き逃しづらいのかもしれませんが、母国語以外の言語は、自分が注意を向けていないときにどうしても耳から滑りやすいものです。これもまた、自分が気持ちを切り替えづらい要因の一つになったかと思います。

③ 言語の壁

英語話者の少ない日本人がどうしてもぶつかりやすい問題の一つが、言語の壁でしょう。準備中に対戦相手と雑談をしながら緊張を解いていく人も中に入るでしょうし、私もその一人ですが、相手と母国語が異なるとそれもなかなか難しいところがあります。

私はおそらく平均程度よりは少しだけ英語が話せる(とはいえ帰国子女や英語が得意な方・日常的に勉強している方には遠く及びませんが)でしょうが、それでもコミュニケーションに苦慮したり、そもそもそちらに思考を割いていること自体が負担になっている実感がありました。

これはどうしようもない部分がありますし、二戦目以降は私も慣れてこれによって緊張が続くようなことはなくなりましたが、これは場慣れの問題でもあるのである程度割り切りが必要かもしれません。
英語の勉強の有無というよりは、実際に話す機会の有無が重要のような気がします。

ちなみに余談ですが、最低の最低限のことは英語で説明ができるつもりで大会には臨みましたが、今回私は一度対戦相手と揉めることがあり、審判団に介入してもらいました。その相手はチリの選手で、スペイン語しか話せず英語がわからない、という方だったので、英語さえわかっておけば何とかなるという話でもないようです。

時差ボケと大会前手続き

これは大会前の話です。今回私は前日の午前に到着するような計画を立てて、日本時間で大会前日の夜のフライトでホノルルに飛びました。そこから理想的には飛行機で寝られれば良かったのですが、なにぶんエコノミークラスで席も狭く、満足に寝られる時間ではありませんでした。

結果として私はほぼ徹夜で朝10時くらいにホノルルに到着したこととなり、ここからホテルに行かずにそのまま大会のチェックイン(入場のための選手証明をもらったり、ウェルカムセットをもらったりします)をするために恐ろしく時間のかかる列に並び、すべてが終わってホテルに到着したのがもろもろ込みで15時半ごろ、すでにへとへとでした。

もちろん時差ボケを直してゆっくり調整するという意味では大会前々日くらいに現地に到着しているに越したことはないのですが、どうしても旅費を安めに抑えたかったこともあり、移動スケジュールはほとんど動かせませんでした。

前日の夜は眠すぎてカードのことを考える余裕もあまりありませんでしたので、私のように前日到着を考えている方はフライト前にできること・思考はすべてやっておき、前日は何もできないくらいで考えておくのが良いかと思います。

おわりに

今回の私の戦績は2勝2敗1分(その時点で目無し)→1勝2敗と、自分の中ではあまりに悔いが残るものでした。その中でも初戦、おそらく有利対面のカイナのない基本エネルギアに対して緊張のあまり自分のプレイが出来ずに敗北したことは一番致命的で、悔しくてその日は眠れず、翌日も何もする気が起こらないほどでした。
緊張とうまく付き合っていくのも競技プレイヤーの実力の一つだと思いますので、こうした振り返りがそうした人たちの一助となれば幸いです。

また、蛇足ではありますが、この後に私が大会で使用したサーナイト(リスト下図)の解説を付記します。とはいえ世のサーナイトと同じことを述べてもあまり独自の価値を提供できるものではありませんので、WCSに向けての環境読みと、他のデッキとの違いについてをメインに記事を書ければよいかと考えております。

デッキコード[VfkFV1-6jkMtG-ff5k5w]

あくまでおまけですし、前環境の考察となります。Xで触れた内容もあるかとは思いますが、少々長くなる予定ですので有料とさせてください。おまけとはいえ、いつもの記事と遜色ないように本気で書いています。
もしよろしければご購入いただけますと幸いです。

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