令和2年4月号
【空想の句】
瀬戸内の暗き海面に初明り
縫糸を一つ買ひ足す木の芽時
蕗の薹茹づ割烹着着て祖母をまね
鳩の乗るカフェの机に牡丹雪
空想の句を練り春の蚊を叩く
所感 浅川正副主宰
空想の句を練り春の蚊を叩く
俳句は客観写生で、実景を詠めといわれますが、俳句は文芸であり、文芸は虚構だというのが私の主張です。事実の羅列よりも、虚構の方が本質に迫りやすいと考えるからです。掲句、春の蚊の取合せが俳諧味を醸しています。
(課題俳句 兼題:節分)
佳作 市長より着信五回ある節分
誌上句会
式場を溢るる供花や冬日差
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