食べることの出来ない逸品

私には、食べたいけれども食べることができない逸品があります。
それは、亡くなったお母さんが作ってくれていた「玉子焼き」です。
脳内では味の再生が出来ます。思い出すと口の中にヨダレも広がるので体感も出来ています。ありありと味が浮かびます。(日によってハッキリ浮かぶ時とそうでない時のムラはありますが…)
好きな人と嫌いな人の好みが分かれますが、甘みのある玉子焼きです。なので、玉子焼きはほのかに甘みを感じるものが好きです。
父親にどの様に作っていたかを聞いてもハッキリとは覚えておらず、色々と試行錯誤しながら真似てはみたのですが、40年以上経った現在も同じ味は再現できていません。お店でも巡り会ったことはありません。

人生最後のご馳走(青山ゆみこ著)を読んだ時、自分なら何をオーダーするんやろと考えさせられました。(この本は、とても丁寧な取材に裏打ちされており、食を通じて人生の奥深さを感じさせてもらえる一冊です。)
その時も真っ先に口の中に広がったのはお母さんの玉子焼きでした。
死ぬまでには、もう一度あの玉子焼きに出会いたい。という気持ちと脳内再生して体感できるので、自分の中だけの味として持ち続けてたらええか。という気持ちとがあり、複雑な気持ちです。

でもやっぱりもう一回、食べたいなあ!

人生の最後には、お母さんの玉子焼きを注文しよっと(^_^)

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