東京農業大学稲花小学校に合格する
小学受験統一模試は、志望校合格を目指す受験生及びご家族のために、様々な企画・支援をしていきます。今回は、【有名小学校合格対策講座】として、東京農業大学稲花小学校に合格するための対策方法を富士チャイルドアカデミー【二子玉川教室 室長 嘉山先生】にお伺いしました。
◆東京農業大学稲花小学校の魅力
2019年4月、東京農業大学世田谷キャンパスの隣接地に開校。小田急線経堂駅、東急世田谷線上町駅から徒歩15分、東急田園都市線渋谷・用賀・三軒茶屋方面からは路線バスがあり農大前で下車できます。首都圏の広い範囲から通いやすい立地です。
大学の専門的な設備や人的資源を活用した体験型学習を行う「稲花タイム」。1年生から毎日1時間の英語科の授業など充実した教育内容。農大一中への内部進学の道があること。週5日の完全自校式給食は全国の多種多様な旬の食材を使用し「食育」の一環でもあること。最大19時までのアフタースクールがあること。出願手続きから連絡事項や諸手続きは全てwebで行うという、小学校受験では今までにない大学入試ライクな入試スタイルも話題となり、数々の魅力が特に教育熱心な共働き家庭からの多大な支持を得ています。志願者数は開校以来増え続け、昨年度の志願者数は、前年比172名増、志願者倍率前期後期合わせて、およそ9.6倍と大変狭き門となりました。
◆2021年度入試 入学試験について
事前面接は感染症予防対策によりすべてオンラインで行われました。面接日は学校より指定された日時で変更はできません。例年、事前に提出する作文の2021年度入試テーマは「志願者が社会人になる頃、社会はどのような能力や人柄を求めるようになると思いますか。また、それを踏まえ志願者をどのように育てたいと考えていますか。」を1,080字以内で記入しました。それに加え、事前面接用質問として6項目の質問が加わりました。内容は、志願者の性格や行動について、休日の過ごし方、職業観など合わせて520字です。用紙をダウンロードし、記入後郵送します。試験日は、前期11月1日から11月3日までの3日間、後期11月7日・8日の2日間、前期・後期の同時出願が可能で希望日を選べました。来年度は、前期のみの入試となります。
オンライン面接は10分間。子どもへの質問から始まり、各ご家庭選出の絵本を開いておよそ3分間親子で絵本を見ながら会話をします。続いて絵本について子どもへの質問があり、保護者への質問で終わります。見られているのは、普段の親子のかかわり方です。
ペーパーは、練習問題を含めると10枚を超えます。お話の記憶、比較、数量、言語、推理思考、点図形、季節や科学常識など、分野も広く基礎から応用まで幅広く出題されます。合格のためには取りこぼしをせず、確実に点数を取ることが必須となります。
行動観察は、今年度は体育館への移動はなく、ペーパーテスト終了後、同じ教室を使い行われました。多くの注意事項、お約束があり、民話(「若返りの水」)の読み聞かせ、じゃんけんゲーム、簡単な運動、模倣、なぞなぞ、しりとりなどを行いました。最初に言われた注意事項を最後まで忘れずに守り、積極的に楽しく参加できることが求められます。
◆合格するために必要な準備とは
面接で小学校が一番見たいのは、日頃の親子のかかわり方です。面接で用いられた絵本は、初年度入試では「雑草のくらし」、2年目は「ごはん」です。今年度のオンライン面接では各ご家庭で絵本を1冊用意しました。絵本の選出に悩まれるご家庭もありましたが、見たいのは絵本を介して普段の親子のかかわり方なので、絵本の選び方で合否が決まるわけではありません。普段から幅広いジャンルの絵本の読み聞かせを習慣化させておきましょう。
人気上昇中の難関校ですので、ペーパーテストの訓練は少なからず必要になります。開校から3回目の入試で出題分野の傾向が見えてきました。しかし、3年間は同じ方向性で行い、その後、修正点・変更点を検討すると言われています。4年目の対策として過去問に捉われずに幅広く学習しておく必要があります。特に後期入試のペーパーは難易度が上がり、応用力が求められます。どのような問題が出ても問題の意図を理解し、考えることが出来る力を積み上げていきましょう。
行動観察は、最後まで約束を意識したうえで、子どもらしく楽しく取り組めるかを見られます。「農大稲花小学校では、体験型の授業を行っています。校外へ出る機会も多くあります。どのような場合でも、教師との約束を守り、場をわきまえた行動ができる子であってほしいと思います。」と夏秋校長先生がおっしゃるように、協調性があり、自分の思うようにならない場面でも、我慢や気持ちの切り替えができる強く、優しい心と年齢相応の自立心を育てておくこと。運動でも、共同作業・自由遊びでも、多くの指示を最後まで意識して取り組める自覚が大切です。
富士チャイルドアカデミーの学校別農大稲花コースは毎年4月より全10回で開講いたします。学校より発信される入試についての正しい情報をいち早く入手し、過去に出題された問題と合わせ、基礎から応用まで指導いたします。また早めの行動観察対策で自覚を促していきます。
保護者の方は日常生活においてお子様への教育的配慮を持ったかかわりを心掛けましょう。ご両親様が同じ方向を向いて子育てしていることも大切です。面接、テーマ作文に向けて、「日頃からご家庭で一番大切にしていること。ご自身の職業観。ご自身がご両親から教えられたことでお子さまに受け継いで欲しいこと。お子様の将来像とそのために、今、お子様につけておきたい力。」について考察を深めておくことをお勧めします。農大稲花小学校の教育方針をよく理解したうえで、お子様をなぜ農大稲花小学校に通わせたいのかを考えたとき、面接や作文で日頃の考えを無理なく自然な形で表現することができ、志望の熱意が伝わりやすくなると思います。
学校別コースでは、面接、テーマ作文についてのご相談や家庭学習の進め方についての指導もさせていただいております。来年の合格までご一緒に頑張りましょう。
富士チャイルドアカデミー 二子玉川教室 室長 嘉山先生