行動観察に強くなろう!①
小学受験統一模試は、志望校合格を目指す受験生及びご家族のために、様々な企画・支援をしていきます。今回は【有名小学校合格対策講座】の特別編として、富士チャイルドアカデミー【校長 前先生】に、行動観察対策についてお伺いしました。
□コロナ禍の今年の入試
子ども同士の密を避け、発声も控えて、共有物も使わずにどのように協調性を見るか。コロナ禍での出題は各校とても工夫された内容でした。今年は特に行動観察の時間帯だけでなく、受付から終了まで、すべての時間が行動観察だったと言えます。入試を終えて分かったことは、どのようなやり方で行動観察のテストが行われても、学校が求める子どもの資質に変わりがあるわけではなく、小学校は選びたい子どもを選べていたということです。日常生活の態度が見られる行動観察のテストで、コロナ禍でも大きな番狂わせは起きていません。
□目的:多くの小学校の入試で行動観察を行うわけ
小学校受験において近年行動観察重視の傾向は変わっていません。なぜ行動観察のテストを行うのでしょうか。小学校生活では教科の授業以外の時間がとても多くあります。入試の知能テストで、その学校の授業についていけるかどうかを判定されているとすると、行動観察のテストでは、それ以外の時間を問題なく過ごせる子どもかどうかを判定されているのです。授業中の態度もさることながら、それ以外の時間、例えば登下校、休み時間、給食や掃除の時間、各種行事にお友達と仲良く規律を守って気持ちよく過ごせる子どもかどうかは、入試の大きな判定材料です。
私立小学校では行動観察のテストを行うことにより、素晴らしい将来性とリーダーシップを有するエリートを選抜する、というよりは大きな問題を抱えている子どもがいないかを見極めようとしています。いわゆる難関校といわれるトップ校では、個性やリーダーシップも求められていますが、自分の考えを持つことが求められているのであって、周囲をかき乱すような自己主張が求められているわけではありません。
建学の精神に則り、独自の教育を行う私立小学校では、同じ方向を向いて、共に進める資質を受験生に求めています。これは同じタイプの子どもでなければならない、とか、決められた一つの性格を求める、ということではもちろんありません。いろいろなタイプの子どもがいて良いのですが、学校が行おうとしている教育の大きな枠から外れることの無い、許容範囲の中で合否を決めるということです。
このような理由から、入試における行動観察のウェイトは年々高くなり、ほとんどすべての私立小学校で行動観察のテストが行われています。行動観察のテストで問題があると、いくらペーパーテストで高得点を取っても合格を頂くことは出来ません。
行動観察と一口に言っても、そのやり方は小学校の数と同じだけあると言っても過言ではないほど多種多様です。どのような対策が必要なのでしょうか。
□対策:メッキははがれる
①日常生活がすべて
小学校によって求める子ども像は少しずつ異なります。それによって行動観察のやり方や評価の仕方も変わってきます。学校説明会で求められる子ども像をよく聞き取ってきてください。規律を重んじる小学校では、指示通りに揃って一斉に動けるかが判定のウェイトを占めるでしょうし、個性を重んじる小学校では、自分で考えて動けるかが判定材料になるでしょう。しかし、共通して求められる力として次の3つが挙げられます。
〇協調性・社会性
何か一つのことをみんなで行うとき、それがゲームでも運動でも、共同制作でも1人だけ輪の中に入れない子、または 自己主張が強く自分勝手な子どもでは困ります。いの一番にチェックが入ってしまうでしょう。
〇聞く力
行動観察では必ず、指示や約束事があります。指示をしっかり聞き取ってルールを守らなければなりません。線から出 ない、相談する、合図に従い始めたり終えたりする、さらにはもっと複雑な指示が出ることもあります。勝敗のあるゲー ムを行うときでも、勝ち負けは関係ありません。ルールを守って楽しく参加できたかどうかがチェックポイントです。チー ムワークが必要な場合は、お友達への適切な言葉掛けも大切です。
今回はここまでです。
富士チャイルドアカデミー【校長 前先生】
次の記事はこちら
行動観察に強くなろう!②