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ミツメカク第3回活動記

お久しぶりです、リョウです!
前回はアオイに書いてもらいました。実際にペイントに入る前、シャッターの掃除までを報告したものかと思います。今回はそこから実際にチョークで線を入れ、そして色を入れていくまでを書いていきたいと思います。

目次
滞在(1)11月25日〜29日:線画を線画を描く
滞在(2)12月11日〜14日:色を入れ始める

滞在(1)

11月25日
 この日はアオイとバスで来た。いやはや、函館-長万部はやはり遠い、3時間だ。バスでパソコンを広げては酔いそうでその時間に済ませてしまおうと思っていた作業は結局手付かずで終わった。でも風景はいい。以前に八雲まで汽車で行ったのだが、バスでの景色もまた然りだ。海岸線をひた走るその光景は自身の体が北に向かっていることを実感させる。寒いだろうか、いや寒いに決まっている。雪国の出ながら寒さには弱いのだ。トレンチコートの上に高校の時から使っているダウンを着込む。ストールももっと厚いものを、ベレー帽で効果があるかはわからないが、持ってきておけばよかったのだと今更ながら後悔する。

 長万部についた。こっちについたのは夕方も近い頃だ。もともとチョークにて線画を描き上げることを目的としていたのだが、ひとまず前回アオイと
”みんなのおうち”に関わる大学生たちがやってくれたシャッターの掃除とシーラー塗りの状態を確認する。その後に塗りきれなかった部分を塗ってしまう。その時点で日も沈み、作業は終了。

シーラー塗り終わり


11月26日

 この日は朝から私は講義がオンラインであったため、午前中はアオイが線画を進めてくれた。本当にアオイは作業ペースが早い。すぐに形が浮かび上がる。私にはできないことだ。
作業の様子はアオイがタイムラプスを撮ってくれた。その様子はTwitterに載せてくれていたのでチェックしてほしい。(リンク)
午後から私も制作に加わる。地面の角度や、位置を互いに確認、修正に向けて指摘し合いながら進めていく。二人でやっているとそれができるから良いのだ。問題なく進んでいった。日中のうちに大方の線画は終了した。ペースは上々だ。


11月27日
 この日は雨だった。しとしと、よりもほんの少しだけ強い雨が降っていた。午前中はまず、アオイと二人で実際にペンキを使い色を作り、互いに確認していった。
 その後に銀細工を長万部で作っているカワスミさんのアトリエに伺った。私は銀細工にこれまで触れることはなかった人間なのだが、随分と精巧に作られている。最近は虫を銀細工で作っているとのことだが、脚の節々まで動くのだ。


「動かなくてはやはり良くない」
その言葉は半ば執念のように感じた。だからこそこの一匹一匹は美しいのだ。写実画に似ている。リアリズムへの指向性は、逆説的だが、現実を通底し、それを越えようとしているからこそその意味を発揮する。二兎を追っていたら気がついた3匹目のウサギになっていた、みたいなことだろうか。

 午後にアオイは帰った。函館での用事があるため。そこからは壁画に関しては私だけの作業になった。アオイがiPadで作ってくれたデジタルデータとして作ってくれた下絵と睨めっこしていた。この色で本当に良いのだろうか。そう思いながら色を作っていた最中で一緒にこの長万部に関わっているシズクくんから「この色は怖いよ」と指摘を受けた。確かにそう。なんでこんなにモヤモヤしていたのかというとこの色が怖かったからだ。何も私たちは長万部と人の在り方を描き出そうとしているのであった怖がらせたいとは一度たりも思ったことはなかった。作り出す際に言葉によってあれやこれやとこねくり回している私たちもいつしか的確には判断できなくなる。制作においてこういうこと一言に救われることは個人的には多い。
 私は下絵を画用紙に描き直すことにした。この日の夜まではその旨をアオイに伝えて作業を進めた。結局下絵改めの完成は翌日に持ち越すことになった。

11月28日
この日は一日中下絵の制作を繰り返していた。午後からはリノベーションの方のお手伝いをした。シャッターの方の線画に手を入れた。下絵は夕方には完成した。

11月29日
アオイに下絵の共有。昼過ぎに函館への帰る。色は結局入れることができななかったが、本来の目的は線画の完成であったのだからやるべきことはできたのだ。

滞在(2)

12月11日
この日はアオイ一人での作業。この前、アオイと話したことを思い出す。


互いのことを作品を作るための道具として見るのではなく、互いがここにいることの意味をした時にするべきだ。

作品を作る時に私はしばしば自身も相手も道具のように扱ってしまう。相手がなんでそんなことを言うのか、何が正しいのかその判断としてその作用を明晰に言葉にすることを求めてしまう。しかしながら相手がそこにいる意味は絵を描く際には一貫して無視していた。そのことに気がついて恥さえ覚えたが、その時に気がつけてよかった。

12月12日
 この日もアオイの単独作業。空を描き進めたようだ。かなり綺麗に、そして思っていたよりもアオイのフラット塗りのイメージがついた。なるほど。

12月13日
 この日から私が参加した。アオイからバトンタッチ。私の単独作業が始まる。アオイが作業している中で時折報告のラインが来たが、やはり画面を目の前にしてみなければわからないことは多い。それを意識しながら連絡をする。でも伝わらないかも。私が描くのは今回は海の部分。全くうまくいかない。自分一人でやるのと勝手が違う。これは描いても果たして調和するのだろうか。わからないのだ。結局は海は描きあぐねて今回はあまり進まなかったことをここに描いておく。


12月14日
 朝少し遅い時間から描き始める。やはり悩ましい。結局描ききれなかった。何を描いてもうまくいかない状態だ。結局今回の滞在は1日半の時間を描きあぐねて終わった。

あとがき

今回はうまくいかないことが多かった。次回、とは言いつつも私の怠惰のせいでこの文章が上がるのは私が次回長万部に行った後だ。少し弱音を吐くと完全に出来上がったとは言えないが、この形でいこうというものは見えた。あとは書くだけだ。

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