UEFA CL 第4節 PSV vs RCランス
PSV 1-0 RCランス
12’ Luuk de Jong (1-0)
試合の印象
直近2節でチームへの貢献が目立つティルが先発に名を連ねるサプライズ。
まずはこれが効いて、攻めては相手のタックルをものともしないゲイン、守ってはてぜが釣り出されたことでできる背後のスペース、無謀にも前に出てでラマーリョ捕まえ損ねたボールをスハウテンとバランスを取りながらカバー。
加えてルークやバカヨコが帰陣にも奔走してくれたおかげで、直近数試合でもかなり安定して守ることができました。
バカヨコは今季のエールディヴィジで見せている輝きをCLでも発揮。クロスからルークの制空圏へピッタリのクロス。もちろん決まって、1-0。
両チームのラテン系選手たちが、苛立ちを相手選手にぶつけあうファウル、小競り合いの応酬になり果てたために主審は大忙しでした。
PSVで言えばロサーノがハンドやスリップ、トラップミス連発と最悪の出来で前半を過ごし、挙句そのイライラを相手DFへぶつけて不要なイエローまでもらう始末。
これをトリガーに今度はランスのマチャド、メディナがヒートアップしルークへホールドや空中戦ついでの突撃をかますなど、前半は異様な雰囲気で終了。
後半に入っても大勢は変わらず。濡れたピッチに苦しみ、パスもずれたり呼吸が合わなかったりとミスが続くランス、徐々に足が止まり始め、重心が下がり綻びが顔を出すPSVの我慢比べ。
ネガトラの早さで抜群の貢献をしていたティルに代えて、ティルマン。足が止まり始めたフィーエマンとはサイバリ。
この試合、終始冴えないロサーノを信じる決断をボスは下しましたが、結局応えきることなく試合を決め切る大チャンスもフイにする始末。
その後、ギラボギに決定機もポスト直撃。その後、荒れに荒れた試合につき、ついにとでもいうべきか、ランスに退場者。
試合はそのままホイッスル。
PSV、2015年12月、あの伝説のCSKA戦以来のCL本戦での勝利です…!!!!!
ルーク、スハウテン、ボスカリの背骨に支えられて、ラマーリョ復活
最前線ではルークが相手の3CB相手に背負って追いかけ回しての大奮闘。
ヒートアップしたランスの選手たちのファウルを尽く被り、イエローカード製造機状態になりながら、ロサーノを前線に残して自身は最終ライン近くまで帰陣と攻守に獅子奮迅の活躍でした。
その後方では、ティルとフィーエマンの運動量に支えられて、スハウテンがセカンドボールを回収し尽くし、もはや彼のトレードマークとなりつつある両サイドへの落ち着いた散らしでチームにテンポを与えていました。
ボスカリも、カバーリングに奔走、ワイ相手に絶対負けてはいけない競り合いでボールをピッチ外へ蹴り出した後の雄叫びは、大怪我でここ最近の優勝から1人蚊帳の外にいた彼の復活を示しているようで、ジーンときてしまいました。
何よりもラマーリョ。相変わらず守備は一か八かでやってるのかと思うくらいに積極的で、今日も何度かスカしてボスカリとスハウテンに介護されながらも、絶対にミスしてはいけない状況ではなんとか仕事をこなし切りました。
加入当初の頼れる姿のCBはもうありませんが、理屈じゃない気合いだというような試合で彼のような選手がいるのはシーズンを戦う上で大事だなと改めて思うのでした。
デスト、着々と向上。対して、ロサーノ、冷静さを失う。
デストはPSVにフィットしてきたのか、ここ数年失っていた試合感が戻ってきたのか、加入当初よりも格段に良くなってきました。
ファイナルサードで1対1を挑むのはいいですが、当たり負けてノーファールで相手のカウンターの起点になるSBというのはどうなんだと思いつつも、後方のボールの預けどころとして機能していました。
過信が過ぎるのか持ち過ぎる嫌いはあるものの、タレントとして持て囃された片鱗が徐々に戻ってきたように思います。
今日のチャッキーには本当にがっかりしました。
エース、中心選手にも関わらず冷静さを欠き、プレーに関係ない苛立ちの噴出でイエローをもらう。さらに、後半終盤の大チャンスはファーでフリーのバカヨコがいたにも関わらず自分で特攻してチャンス逸。
直後のバカヨコは冷たい目で彼を見ており、その直後に相手も同じくポストに嫌われたため大ごとにはなりませんでしたが、一体彼ほどの選手が何をやってるのか…
彼はCLで上に行くためにここに戻ってきた、そういう立場の選手なので、今日のプレーには頼りにしているだけに、それ由来の失望を抱かずにはいられません。
リーグで大暴れしてれば良いだけの選手ではないのです。
2位浮上、直接対決で優位に立つ。
今日の結果により、次節セビージャに勝利すると勝ち点で並ばれてもランスを上回れるため、突破が確定するという状況になりました。
とはいえ、前回のELで意気揚々と乗り込み3-0にされたサンチェス・ビスファンの思い出は忘れるのが難しいものです。
今日の試合、勝てなければほぼ終戦だったため、大一番を戦いきった選手たちには心からお疲れ様と言いたいです。
グループリーグ最終節まで行く末がわからないエキサイティングなシーズンになっていることに感謝!
残り2試合も期待したいと思います。
<了>
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