PSVとリヴァプールのCL開幕戦
PSV、精密機械のようなユーベの前に全く歯が立たず
ユベントス 1-3 PSV
21’ Yildiz (1-0), 27’ McKennie (2-0), 52’ Nicolás González (3-0), 93’ Saibari (3-1)
試合開始前から、バック4のミスが幾つ致命傷になってしまうかが勝負と踏んで見守っていました。
開始から10分間はティル、デヨングの頭めがけてボールを蹴り、そこで競り勝って落としてからユーベ陣地に迫る攻めでチャンスを幾つか作れていました。
一方で、コープマイネルスとユルディズに徹底的に狙われる右SBのレデズマはひたすらに我慢。1vs2に持ち込まれ背後を常に狙われ、ボールが出ては右往左往する様は気の毒でした。
15分経過時点で、彼はもう一番まずいコースさえ切ってくれればよしとするほかなく、残りはスハウテンとフラミンゴがひたすらカバーし続ける綱渡り。
しかし、早々にこれも決壊。ユーベの新10番、ユルディズがカットインから右脚一閃。ゴール右上角を射抜くビームのようなシュートをドロメルは見送ることしかできず、1-0。これは単にタレントの差、どうしようもありません。
以降は気落ちしたPSVとリラックスしたユーベのコントラストが鮮明になるハーフコートゲームに。23分〜24分に立て続けにピンチを迎え、それぞれドロメルのビッグセーブ、コープマイネルスのシュートがわずかに逸れる幸運でどうにか1-0を維持。
それでも27分、今季デビューの若手DFのダムスをニコ・ゴンサレスが手玉に取り右サイドを突破、エリア内へボールを送り、ヴラホヴィッチが足元に収めようとしたボールが流れてフリーマッケニーの元へ。2-0。
コープマイネルスとマッケニーがヴラホヴィッチの両脇に上がり、少し下り目の大外にユルディズとニコ・ゴンサレスが位置取る2-3-2-3への可変に全く対応できないPSVはユーベの圧力にやられるがまま防戦一方。これ以上の失点をしないのが精一杯で、ドロメルのファインセーブのおかげもあり、前半をどうにか2失点で折り返します。
後半も試合展開は全く変えられず。
50分には抜け出したコープマイネルスからニコ・ゴンザレスへのスルーパスが通り、決められて3-0。試合が早々に決着し、ユーベはローテーションを敢行して試合のペースも下げます。
PSVもノア・ラン、サイバリを投入すると、ボールを持てるように、というより、持つことを許されるように
ダニーロが何度かマークを外すため、そこでサイバリがギャップをもらっていくつかシュートチャンスを得る最後の20分。試合終了直前にサイバリのシュートがディ・グレゴリオを破って3-1。試合終了。
終始、コープマイネルスにAZ時代に散々やられたのを思い出させるかの如く蹂躙されました。このユベントスは、今季のCLの台風の目になれる期待が持てる抱く、素晴らしいチームでした。
とはいえ、Pot3のPSVからすると、プレーオフへ進むためにはPot1と2との対戦は大差で負けないことがとても重要なので、この散々な内容で2点差負けで済んだことをむしろ喜ぶべきだったと思います。
ノックアウトされても馬乗りで殴るのを一切やめてくれなさそうなバイエルンとシティを避けられたのは幸運だったと、バイエルンvsディナモの結果を見て、そう思いました。
次はスポルティングC.P.との対戦、なんで彼らがPot3なんだよと文句を言いたくなるのですが、ホーム開幕戦でもあるのでここで良いムードに乗っていくことを期待します。
リヴァプール、普通に強い
ACミラン 1-3 リヴァプール
3’ Pulisic (1-0), 23’ Konate (1-1), 41’ van Dijk (1-2), 67’ Szoboszlai (1-3)
プレミアの試合を観ていると、ライバルたちの試合運びや内容の充実もあり、個人への依存がいささか高いと感じてしまうリヴァプールですが、PSVの試合を見た後では流石に個々のできること、課されていることの複雑さ、レベルの差を痛感しました。
チェルシー時代から何かとリヴァプール戦で活躍する男、プリシックに1人カウンターを完結され早々に1-0のビハインド。
しかし、以後は前線4人のプレスでミランの最終ラインと中盤を寸断し、ミランにシュートを浴びせ続けるリヴァプール。ソボスライがボールホルダーを追いかけ、少し離れたと思った先にジョタが待ち構えボールを奪う嵌めにミランは相当苦戦していました。
苦し紛れにボールを蹴って立て直そうにも、そのボールが直ぐにマカリステルとTAAがキック一つでガクポとサラーへ直ぐに渡されるわ、回収したフラーフェンベルフがあっという間にゲインして迫ってくるわで、ボールを蹴る→帰陣と立て直し中にリヴァプールの選手が突撃してくる→ボールをどうにか奪う→ソボスライに追いかけ回される一連の流れが繰り返されました。
しかし、内容の割にゴールが生まれないリヴァプール。チャンスを幾つも得るもメニャンの壁とゴール枠に阻まれ同点には至りません。フォレスト戦を思い出すような嫌な感覚がよぎりますが、セットプレーからCB2人のヘッド2点ですんなり逆転。
後半もペースは崩さず、ガクポの突破からソボスライが決めて3-1。エメルソン・ロイヤルとオカフォー、エイブラハムを投入したミランが僅かに盛り返すも得点には至らず、キエーザのデビューを見届けて試合終了。
ソボスライとフラーフェンベルフをもう少し休ませられれば完璧な試合だったと思いますが、開幕を勝利でスタートし、週末の嫌な空気を断てたため、十分な結果だと思います。
ガクポの活躍もあり、PSVの敗戦の傷は十分に癒えたのですが、最終節でこのチームと当たることを思い出し、ミランですらこんなにされてしまうのにPSVはどうなってしまうんだと今から苦笑いが浮かびます。
7試合目で8位以内確定させて、のんびりとアイントホーフェンに試合を消化しに来てもらうことを願うばかりです。
次節はホームでボローニャとの対戦。イタリア勢と連続しての対戦ですが、リヴァプールには8位以内でリーグフェーズを終えて、自力で日程を少しでも軽くしてほしいと思います。
<了>