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PSV 2025年夏の動き(中間)

選手の出入り(7/24時点)

加入:
スハイブ・ドゥリウシ(←エクセルシオール)
ライアン・フラミンゴ(←ユトレヒト)
ジェイソン・ファンドゥイフェン(レンタル満了、←アルメレ)

退団:
ボイ・ヴァテアマン(引退、GKコーチ就任)
アンドレ・ラマーリョ(契約満了、→コリンチャンス)
シュランディ・サンボ(契約満了、→バーンリー)
アルメル・ベラ=コチャップ(レンタル満了、→サウサンプトン)
パトリック・ファンアーンホルト(レンタル満了、→ガラタサライ)
イルビング・ロサーノ(1月の退団内定、→サンディエゴFC)

※加入は、昨季PSV以外でプレーをし2024年7月22日発表時点でトップチームで背番号が与えられている選手を、退団については、トップチームで出場があった選手のみ記載。

オフシーズンの主な出来事:


セルジーニョ・デストがPSVに完全移籍

シーズン終了直前、買取オプションの行使により一足先にティルマンの完全移籍が決まっていましたが、デストも晴れて完全移籍が実現。

昨季最終盤の練習中に膝の大怪我を負ったため買い取りの線は無くなったかと思いましたが、レンタル移籍最終日の6/30に、PSVへの完全移籍が発表されました、彼が次に移籍した際の移籍金から一定の割合がバルセロナに渡る契約となっています。

2024年内の復帰は絶望的で、昨季のビルドアップや左サイドでの大活躍を欠いて臨むシーズン前半戦は昨季よりも厳しいものになるかもしれませんが、怪我が治って帰ってきた時に同じ姿が見れるように願うばかりです。

期待のプロスペクト、ティゴ・ラントと契約延長

昨シーズン終盤、フェイエノールトとアヤックスの両ライバルが18歳のババディにアプローチし、彼もPSVとの契約延長を拒んでいると騒がせていましたが、無事に延長。
しかし、同様の事態がラントにも発生。アヤックスが熱心に彼を勧誘し、本人も鞍替えに前向きとの情報が多く流れましたが、最後はPSVとの契約延長に合意。フレンキーになれるかもしれないと言われる才能を留めることに成功しました。

ヨングのタレントの引き抜き合いは珍しいものではなく、元を正せばPSVもヘーレンフェーンから彼を引き抜いたに過ぎず、3強のいずれかで輝けるのなら本人の幸福には違いないので行きたきゃどうぞ、くらいの気持ちで眺めてましたが、選ばれるのはやはりファンとして嬉しいものです。

PSVのプロジェクトや今後の起用に関して相当な説得力があったのか、MFの一角であるフィーエマンとスハウテンのどちらかが夏に去る兆しなのか、実は関係者にしかわからない漆黒がまだアムステルダムの地には潜んでいるのか、真相は関係者のみが知る…

功労者との別れ多数

ラマーリョ、ファンアーンホルトの退団、ロサーノの冬の移籍の内定がそれぞれ発表されました。

新契約をオファーしてラマーリョを引き留めるのではとも言われていましたが、実現はせず、母国のビッグクラブ、コリンチャンスへ。
乗っている時の冴えたタックルや、空中戦での心強さは流石でしたが、PSV初年度の終盤に怪我して以後、走力の急激な衰えに自身の認識が追いついていないかのように多くの凡ミスを犯すようになり、決定機を何度も献上する様から批判を集めた時期も。在籍中はずっと評価の変化がとても激しい選手でしたが、彼がチームの模範として規律の維持に大きく貢献し、ベーカー連覇とエールディヴィジ制覇によるPSV復権の大きな支えだったことは紛れもない事実です。
レッドブル系列で成り上がりを果たした彼の冒険の集大成となる、ブラジル人にとって特別なクラブのひとつへの加入が上手くいくことを願っています。Obrigado, Andre!

ファンアーンホルトはターンオーバーでの出場が殆どながら、出場すれば34歳にも関わらず抜群のキレで欧州戦の合間のリーグ戦で活躍。ボスはマウロ・ジュニオールがデスト離脱の穴を埋めるに十分な選手と考えているようですが、怪我がちな上にスタミナにも不安がある彼と若手のオペガルドまたは数合わせの新戦力での運用は不安が残ります。所属元のガラタサライが今さら構想に含めるとも想像しづらく、市場が閉まる直前、PvAの再契約が起こって欲しい…

昨夏に熱狂を呼んだロサーノのとの再会は、結局、温め直したスープはまずいという格言が現実になる結末になってしまいました。真価を見れたのは片手に数えるほどで、怪我の増加と、幾度も見られた1vs1で止められて不貞腐れる姿は本来からはほど遠く、シーズン終盤にはスタメン落ち。かつてのエースがこんなにもあっけなくチームを去るのは本意ではないので、残り半年で、少しでもかつてチームを優勝に導いた頃の鋭いシュートやカットインが多く見れたらと望むばかりです。

新戦力獲得はここまで順調も、最難関は依然厳しい見込み

昨季のエールディヴィジで活躍の2人、ドゥリウシ、フラミンゴの獲得を目指していましたが、プレシーズン前に加入の運びとなり、ここまで新戦力獲得は順調に進んでいます。

スハイブ・ドゥリウシは、モロッコにルーツを持つ22歳のオランダ生まれのアタッカー。昨冬からバカヨコの退団の噂とセットで語られていた、エクセルシオールの残留を牽引した中心選手です。斎藤(スパルタ)や中村(スタッド・ランス)などエールディヴィジでの定評を残している日本人選手の獲得も囁かれていたポジションでしたが、以前からの大本命をすんなりと迎えることができました。

これまでの苦労がそうさせたのでしょうか、加入会見で堪えきれず涙を溢した彼。
PSVへの加入をこういった形で喜ぶような選手の到来は嬉しいと、多くのファンが彼を好意的に迎えています。

絶対的存在のノア・ランのコンディション次第で出場機会が大きく左右される難しい立場でしょうが、バカヨコのステップアップもそう遠くないため、未来のエース候補としての期待を背負うためにも、まずは途中交代で着実に貢献する姿を見たいです。

守備的中盤とCBの双方をこなすライアン・フラミンゴは、21歳の期待のオランダ人タレント。ユトレヒトがバイアウトを行使してサッスオーロから完全移籍をした翌週、国内移籍では破格の€9Milを投じ、その金額に賛否が分かれる獲得となりました。

フェイエノールトがゼルーキー(←トゥヴェンテ)、ティンバー(←ユトレヒト)のそれぞれに投じたとされる€7〜7.5Milを上回っての移籍には驚きましたが、前述の背景でユトレヒトが優位にあったこと、本人もPSV移籍を望んだこと、何よりもCBに関しては質も量も将来性も全てに不安を伴っていたPSVにとって絶対に逃せない選手であったため、躊躇はできなかったのだと思います。

期待の分、プレッシャーも大きいとは思いますが、中央のポジションでオランイェの一員になり得る話題の若手選手を迎えられたことが嬉しく、期待通りに成長すること、まずはチームの中心選手のひとりになってもらいたいです。

現在、この夏の最大のターゲットとして獲得に動いているのがリヴァプールのセップ・ファンデンベルフ。2019年の夏、当時ズヴォレに所属していた彼と合意したもののハイジャックされた過去があり、その後も度々レンタルで獲得の噂があがりつづけていた選手です。

リヴァプールが設定したとされる€20Milの値札は非常に高額。昨季の修行先のマインツをはじめ彼を望んでいるどのクラブも全く手が出せず、本人すらキャリアを阻害されていると憤慨していたというような眉唾な記事も出回ったほど。PSVは真剣に彼をチームに迎えたいと考えており、クラブとしては破格の最大€15Milを用意。

7月に入ってからは、リヴァプール新任の同胞アルネ・スロットの目に留まり、プレシーズンで試す意向との報道がり、それを境に移籍の話は沈静化。彼がしばらくツアーに帯同し試合に出場すると考えると、大きな動きはプレミアリーグ開幕以後の8月下旬になりそうです。

主力たちのステップアップの噂

スハウテン、フィーエマン、バカヨコの3人が注目を集めており、最悪でも流出は2人に留める方針でいると言われていますが、ここまで、EUROが開催されていた背景もあり、具体的に進んでいる移籍は現時点でひとつもありません。

移籍の可能性が最も高い主力はスハウテンでしょう。EUROでスタメンを勝ち取り、大きなケチがつくことなく大会を終えたことで国外からの関心は継続しており、よく聞く名前はドルトムント。PSVは昨夏、彼の獲得に€15Milの大金を投じた為、€40Mil未満のオファーは門前払い、高額オファーの場合も本人の邪魔はしない範囲で抵抗し、今季も彼を中核に据えてシーズンを戦い考えのようです。

フィーエマンもオランイェの一員としてEUROに出場しましたが、オーストリア戦で前半33分で交代させられるなど、残念ながら彼の評判を上げる大会にはなりませんでした。ポジションも実力も近しいヴィーファーのブライトン移籍の支払われた額が€30Milのようなので、彼も移籍するとしたら最大でもこのくらいか、プレミアのクラブでないならもっと少ない額になるでしょう。スハウテンと比べ、あまり具体的な噂も目にしません。移籍の場合、突然5大リーグのサブトップへの移籍が進むような展開だと予想します。

バカヨコについては、彼自身がこの夏の移籍に対してあまり拘っていないとのことで、本人が夢見ているとされるアーセナルが本気で獲りに来ない限りは残留が基本。
移籍金は€45Mil以下は門前払いと、若手選手の暴騰に後押しされる形でかなり強気の姿勢です。
しかしながら、上位対決でゴールを上げて試合の決め手になったこともない、加えてフルシーズン戦ったのが昨季はじめての選手がステップアップするのは早すぎると個人的に感じており、地に足つけて来年の夏、満を持して舞台を移す方が本人にとっては良いように思います。

他にも、ベニテスにアトレティコが興味を持っている、テゼにラ・リーガのチームからコンタクトがといった散発的な噂も上がりましたが、やはり前述の3人の去就が中心になる夏となりそうです。


以上、ここまでのPSVの動きについての中間報告となります。夏の移籍市場が閉幕したら動向を再度まとめを発信します。
まずは8/4のヨハン・クライフ・スハールが今から楽しみです。今季も良いシーズンとなりますように。

<了>

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