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愛の魔物<セルフレビュー&裏話>

 フルネームは「愛の魔物~魔王の娘ですが突然大陸の一部を統治しろと言われました。他の魔族を殲滅してもいいって、本当に?~」です。なげぇってば!


小説セルフレビュー

あらすじ

 心に愛を持って生まれた魔王の娘、リーゼロッテ。
 生まれてすぐに同族の粛清を命じられ、この20年で殺した魔族の数は30万体ともいわれていた。

 そして新たに魔王から命じられたのは「地方を収める四魔公の一人を粛正し、代わりが決まるまでその地を治めていろ」というものだった――。

 神の寵愛を受け、同族からは忌み嫌われ、人間からも忌み嫌われる。

 世界で「ただ一人」という孤独を抱え、同族を殺し続けることで己を追い込んでいくリーゼロッテ。

 そんな彼女の強さと弱さが共存する姿、そして人間たちとの温かい触れ合い。

 ダークファンタジーですが、最後はなんとかハッピーエンド風に終わります(たぶん)。

見所

 何と言っても主人公リーゼロッテの圧倒的な強さですね。

 そして冷徹で心優しく、見返りを求めない愛を持つ心。

 矛盾の塊のようなヒロインが、それでも愛を知り、救われて行く。

 とても重くて暗い物語ですが、救いもあります。

 そんな本作は「小説家になろう」で公開中です。


裏話

 前作の短編とファイルが混ざってるので厳密には区別できないけど……。
 はい、たーいむすたーんぷ!

  • 1人称視点版

    • 2023年8月29日 第1話作成!

    • 2023年9月21日 最終話更新!

  • 3人称視点版

    • 2023年9月23日 第1話 作成!

    • 2023年10月3日 早朝! 最終話更新!

 と、いうことで!
 1人称版614465文字! 24日間! 2万5千文字/日!
 3人称版619931文字! 10日間! 6万1千文字/日!
 全期間で考えると35日間で1日当たり1万7千文字! おー普通!

 最終的に発表した原稿は3人称版なので、ここでは1万7千文字/日ってことにしておきましょうか。

どういうことだってばよ?!

 えーと、説明します。

  1. 1人称視点版で作る。

  2. 身内に1話を読ませたら「世界設定の説明がくどい!」

  3. 「それならスリムにしたらぁ?!」

  4. 「うーん、もうどうせなら3人称にするかな」

 ……という経緯で、2バージョンあります。
 たまたま改稿前のデータが残ってるデータでしたねぇ。

 それにしても3人称変更の速度が頭おかしい。
 自分のことながら、頭がくらくらするね!
 1日6万文字書きかえって何?!

 なお、「ここはモノローグ欲しい!」って場所は1人称版の文章を残してあったりします。

 もっと怖い話をすると、前作の短編「魔王の娘ですが~」からこの「愛の魔物」の1人称版を書き始めるまでに11万文字捨ててる没原稿が残ってました。

 捨ててるデータの合計が72万文字……。
 1人称版は3人称版に再利用してますけどね。
 かなりアレンジいれてますけど。
 ていうかシナリオが同じなだけで書き直してますが。

 まぁ、書き出しで苦戦したからなぁ。
 自動筆記先生も万能じゃないので。


 月の神の寵愛を受けた魂が魔王の娘に宿る――そんな奇跡が起こり、リーゼロッテは生まれました。

 心に愛を持たない魔王リーンハルトは、愛を持たないなりに娘を大切に思っています。利用価値があるので

 第1話で明らかになりますが、魔王は弱い魔族の宰相として魔王軍で振る舞っています。
 用心深い魔王を、愛する父をリーゼロッテがどうやって倒すのか。

 それが本作の見所でしたね。

 創世神がリーゼロッテの魂に課した重たい試練を乗り越える、それが本作の裏側から見たストーリーです。
 その試練の報酬は、愛のある人生と次の恵まれた人生の約束です。

 ちなみに月の神はプログラムです。
 なので人間の心がありませんし、理解できません。
 そんな神も、古き神々のなかには何人かいます。

 とかいう裏設定。誰得なんだ?!

 内政系の要素もあって、色々考えるのは楽しかったです。
 人類が復興して森を取り戻すと石鹸が出回っていくのとか。

 初級魔術の「魔力を矢にして飛ばすだけ」というシンプルなものに、魔王の娘の魔力という強大な力が加わって、リーゼロッテは最強無敵を誇ります(魔王以外には)。

 作中でもあるように、後先考えずに全力で破壊を試みれば、でかい大陸の半分くらい消し飛ばせる魔力を持ってるので。

 力isパワーの権化です。

 さらに20年間の粛清業務で鍛え上げられた匠の技。
 魔王から伝授された魔術の知識。
 チートの塊リーゼロッテ。

 その代わり彼女は心に愛を持っています。

 同族を粛正するたびに心に深い傷を負い、だけどそれを心の防衛本能が苦しみを感じないように麻痺させます。
 それでも降り積もる心の負荷に、次第にリーゼロッテは「血に染まる手」という幻覚を見るようになり、無自覚に苦しみ続けます。

 ……我ながら重たいなぁ。
 もっと明るく行こうぜ?! 自動筆記先生?!

 まぁそんなヘビーな話がこの作品です。

 騙し合い、計略、読みあい、悪意のぶつかり。

 信頼と思いやり、愛と友情に包まれた善意の交流。

 そんな感情のやりとりが、本作一番の見所です。

 ただまぁ、重たいんだよねぇ。

 ハイファンタジーで初めて100ポイント超えたので、まぁまぁ評価はもらえた方だと思うけど。重たい。

 本作で登場した白銀の飛竜ミネルヴァは、後の「霧の国へようこそ」の未公開原稿である第2章で登場します。誰も知らんがな

 ミネルヴァは後に神竜を産み神格を得るとか、その辺は「幸福な蟻地獄<セルフレビュー&裏話>」に書いた気がする。そちらでも設定だけで登場しません。だから誰も知らんて!

 お気に入りキャラ……全員かなぁ。

 リーゼロッテ、魔王リーンハルト。
 元勇者にして魔王の腹心ヴィクター。
 元ヴィクターの仲間だったガートナーにアロイス。
 個性豊かな四魔公たち。
 魔族の異端ヴェーゼブル、策略家のウェレアムレイト。
 バディのラフィーネ、王子ヴィルケ、王女イェルク。
 無能の権化グレゴール。忠臣ヴェゲン辺境伯。
 ユーディトや娘のマルゴット。賑やかな子供たち。
 etc, etc…

 さすがに60万文字も書くと、ドラマが多くて思い入れも深くなります。

 できれば本作を読んで、彼らの個性を楽しんで欲しいところです。

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