平成中期「普通の」高校生だった私のジェンダー観 | 私のジェンダー史 #1
こんばんは、みつまめです。
今回もコメントしづらい系の、パーソナルな問わず語りシリーズ。
私の生きづらさの元凶と睨んでいる、私の"ジェンダー"の始まりを、振り返ってみたいと思います。
なおジェンダーというのは人それぞれであって、誰かを否定・批判する意図はありません。
公的な定義の引用以外は、あくまでも「私個人の」ジェンダー(観)であることをご承知おきください。
また、痴漢の被害にあった話が出てきます。
何だか嫌な感じがする…と感じたり、フラッシュバックしてしまう恐れがある方は、回れ右してください。
無理して読むような話でもないです。
どうかご自身の心の声を優先してください。
ジェンダーとは何か?
ジェンダーというのは、ざっくりいうと「社会的・文化的な性」です。
生物学的な性(sex)とは異なる場合もあります。
環境だったり、そこでの経験だったりで身に付けていく"後天的な性"というのも近いのかも。
ジェンダーというとすぐにLGBTだ女性差別だの話に結び付きがちですが、社会生活を送る人なら誰しも関わりがある事です。
生物学的な性(sex)、社会的な性(gender)いずれも女性、という人であったとしても、実際のジェンダー(ジェンダー観)は本当に人それぞれです。
「同じ性別だから分かるよね」「同じ環境にいるから分かるよね」という前提がそもそも大間違いだったりします。
私が大学でジェンダー学や女性学を受講していたのは、かれこれ15年近くも前になります。
その頃に比べると大分進んだとは感じるものの、「ジェンダーフリー」がトレンドワードに上がってるようじゃまだまだ、とも思います。
「イクメン」とか「SDGs」と同じで、メディアであれこれ持て囃されているうちはまだ浸透していない、という証拠でもあるので。
「ジェンダーレス男子」って言葉も、個人的にはすごく気持ち悪くて。
「男子」って言っちゃってるし、対義語としての「ジェンダーレス女子」が存在しない辺りジェンダーばりばりあるじゃない、とか思って苦々しい気持ちになっちゃいます。
中性的、じゃだめなん?
ジェンダーについては、ベネッセの説明が比較的分かりやすかったです。さすがベネッセ。
性的自認は女性。でも「女社会」は苦手
私は生物学的にも、社会的にも女性だと自認して生きています。
ですが、「女社会」にはどうしても馴染めないまま生きてきました。
時系列に振り返ってみると、「女社会」を極力避けて、「女社会」とは遠い関係性を出来るだけ選択してきたのだと思います。
小学生時代
小学校3~4年生くらいにもなれば男女一緒に遊ぶことが減り、特に女子は「グループ」を作るようになると思うのですが、私はどこにも所属できませんでした。
同じアイドルが好きとか、好きな人がどうのとか、あまりそういう話に興味がないし、お揃いの持ち物を持つとかも理解できず、上手く入れなくて。
イジメまでいかないにしても、無視や嫌がらせ、陰口くらいはありました。
私と同じように「グループ」にあぶれた子が何人かいて、別に好きではないけどその子たちと何となく一緒に居る、ということが多かったです。
中学生時代
ほぼ持ち上がりで中学校に上がるような環境で、「女子」のグループに馴染めないのは中学校でも変わりませんでした。
ただ、美術部に入って趣味が近い(要はオタクな)友人ができたことにより、一緒に居るメンバーは固定された感じです。
趣味がベースの繋がりなので、揉めたとか何とかで仲間はずれにしたりされたりする子達を尻目に、比較的平和に過ごしていました。
ただ、部活のメンバーが休みだったり、クラスが分かれてしまった時はかなり辛かったりもしました。
保健室登校して、部活は普通に来てた子もメンバーに含まれていたのですが、休み時間は自然と保健室に集合して授業のプリントを届けたり、イラスト見せあったりしてました。
この頃からそれぞれに抱えるものがあっても、共通の話題さえあればフラットに接するベースは出来ていたような気がします。
高校生時代
高校生になっても「女社会」が苦手なのは変わりませんでしたが、相変わらず趣味が同じ友人に囲まれて楽しく過ごしていました。
中学の美術部も高校の演劇部も、何故か2次元ヲタ、3次元ヲタ、バンギャが妙に集う環境でした。
それなりにスカート短くしたり、たまにルーズソックス履いてみたりと女子高校生らしいおしゃれ(?)を試したりしていましたが、別に「女性」「モテ」を意識したというよりも、「女子高生のコスプレ」をしている感覚でした。
(高校1年途中でルーズに飽き、その後紺のハイソックスに移行。ルーズソックスは冬の集会での「防寒アイテム」になりました。温かいんですよねあれ。一時紺ハイソックスの上からルーズ履くのとかも流行ってました。)
なお、ゴリゴリのバンギャだったので、爪を黒く塗ってみたり、安ピンまみれの鞄を持ってみたり、ラバーソール履いてみたりして「尖ったおしゃれ」(?)もしていました。
クラスでは割と浮いてはいましたが、中学時代とは違い「人は人」な雰囲気があり、みんなそこそこ大人だったのは幸いでした。
嫌がらせや陰口を言われるような事はなかったし、話す機会があれば別のグループの子とも会話はありました。
(ただ、陰キャではあるので、急に"陽キャ"な子に話しかけらるとおどおどしたりはしました)
「社会」はとてつもなく"女性"の生きづらい場所だと気づいた
学校の中では比較的のびのびとしていましたが、学校を一歩でるとやたら痴漢に遭遇しました。
電車の中で触られるやつも、「見せてくる」やつも、階段ですれ違いざまに触ってくるやつも、電車の中や通学路の後をつけてくるやつも、しつこく声かけてくるやつも、一通り。
「尖ったおしゃれ」をしていても、です。
触ってくるやつの手を掴んで背後を睨む、くらいはしたことはありますが、さすがに「駅員につき出す」は怖くて出来ませんでした。
足を踏めとか、安全ピンで刺せとか色々な「方法」が出回っていたな、そういえば。
幸い数駅しか電車に乗らないので、エスカレートするようなやつには遭遇したことはありませんでしたが、とにかく気持ち悪くて仕方がありませんでした。
痴漢にあった日は後をつけられていないか怖くて、わざわざ自宅とは反対側の出口から出て、人気のある場所で待ち合わせのフリをして待機し、動悸が収まるのを待ちながらつけられていないのを確認したり。
他にいっぱい可愛い子がいるのに何故私?というのも本気で悩んだりもしました。
ただ、痴漢以上に理解が出来ず許せなかったのが、男性体育教師の「生徒指導」でした。
集会か何かの場で「最近痴漢が増えているから注意するように」という話があり、その中で「スカートが短く、ルーズソックスなんか履いて、派手な格好で男を誘うような事をしているやつが悪いんだから…」といったような発言がありました。
私も、私の周りで被害にあった経験がある子たちは決して「派手な格好の子」はいませんでした。
まして「男を誘う」ような意味合いでスカートを短くしている子は居なかったはず。
普通にしていて、私たちは被害者であるにも関わらず「お前らが悪いから痴漢に合うんだ」と言われた事が本当にショックでした。
周囲の先生も誰も止めなかったのか、何回かそういった発言がありました。
周囲の大人が誰も何も言わないということは、少なくとも男女問わず大人というものは「痴漢に合うほうが悪い」という価値観を持っているのだ、と感じた事もショックでした。
また、その体育教師の発言に怒っている私に対して、「みつまめは大人っぽいし、色気あるからしょうがないよ。」と言われたこともショックでした。
同じ年齢で、似たような環境に所属していたとしても、どんなに親しい子でも、完全に理解し合うことは出来ないんだと知った初めての経験でした。
他にも、女子生徒だけ冬場の集会での防寒を禁じられた事も理解に苦しみました。
(ジャージでの参加も、ブランケット持参もNG)
その割に制服の選択肢はスカートのみだったし。
集会中に倒れた子がいたし、私も生理痛や貧血が酷くてうずくまってしまった事が何度もありました。
経験したことがある人には分かるかと思うのですが、そうした場で倒れたりするのってすごく恥ずかしいし、屈辱的な気持ちになります。
「女」ってだけで悪者にされるし、体調が悪くて恥ずかしい思いをしたくなくても、それを予防する手段は禁じられる。
社会は女であるというだけで悪者にされ我慢を強いられる、何て理不尽で生きづらい場所なんだろうと感じた経験でした。
ごくありふれた「普通の」環境で育っても…
平成初期~中期、2000年代初め頃。首都圏のベッドタウン育ち。
ごくありふれた環境下でも、私の所属していた社会のジェンダー観は「こんなもん」でした。
私が経験してきたのは戦後昭和の価値観がギリギリ許容された、最後の時代だったのだと思います。
私が高校を卒業した後に、公立小中学校での「男女別名簿」が廃止されたり、制服でズボン(スラックス)を選択できる学校が初めて登場して話題になったりと、少しずつ変化が訪れたようです。
「普通の」高校生の頃に「社会は女であるというだけで悪者にされる、理不尽で生きづらい場所」と感じた私は、ジェンダー学の授業が比較的豊富な女子大に惹かれ入学します。
当時は意識していたわけでは全くなかったけど、後から振り返って思うと、私の大学時代を通じたテーマは「ジェンダー」だったのかな、という気さえします。
次回は大学で学んだジェンダー学や社会と女性の関わりについてを振り返りたいと思います。
いつになるかは分かりませんが(苦笑)、ご興味がありましたら、気長にお待ち下さい。
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