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【「軽視化」されるホロコースト、崩壊する連合国の正当性】戦後レジームの崩壊と新世界秩序③
*前回ノート
*今日の内容
前回、「欧州の未来に向けた重要な欧州の記憶」、つまりEUが、2019年のナチスとともに、スターリンなどの共産主義独裁を歴史上の悪として、断罪しよう、という話を決議した、という話をしました。
で、それがなぜ今、2019年なのか、という話の続きです。
さて、今回の話の前に、あらためて「欧州の未来に向けた重要な欧州の記憶」の決議文について考えようと思います。
決議文全体では、とにかく全体主義、ナチス、共産主義による「犯罪」や「悲劇」が強調されています。
それに、大量サツ○、大量ギャク○、国外追放という言葉が見えます。ただ、どれも抽象的な言葉ですよね。
では、具体的にどんな悲劇、どんな悲惨な事件があったのか?
この決議文では、具体的な事件の名前が、一つだけ、何度も強調されています。
ホロコーストです。
ホロコーストは、ご存じ、ナチスによって行われたユダヤ人の方々の強制収用、大量ギャク○です。このホロコーストが、「犯罪」や「悲劇」という抽象的な言葉並ぶ中で、唯一、決議文に明記されている具体的な事件です。
しかも、以下の条文でも見えるように、私がざっと見た限りでは、4箇所も出てきます。かなり強調して表現されていることがわかります。
後ほど、概要欄のリンクから原文を確認していただきたいと思います。
それぞれ、ホロコーストという単語が書かれた決議文を見てみたいのですが、いか、その項を要約したものです。
全文はそれぞれ確認していただきたいと思います。
・決議文「ホロコースト」を含む条項
G項:ヨーロッパの統合は、2つの世界大戦とホロコーストによる苦しみ、中央・東欧への共産主義の拡大への対応
3項:ナチスと共産主義政権の大量虐○、国外追放など、特にナチスのホロコーストを思い出しましょう
9項:ホロコーストの否認、打ち消し、軽視化
(*訳はグーグルに従う:DeepLは「矮小化」)を防ぎましょう
10項:特にホロコーストなどの残虐行為の教育を奨めましょう。
では、なぜこれほど、ホロコーストが強調されるのか、という話になってきます。
ホロコーストといえば、ナチスによる犯罪です。
なぜ、ナチスが悪いかといえば、ホロコーストをやったからです。
これまで、ヨーロッパの歴史的な悪といえば、ナチスが絶対唯一の悪でした。
そして、その根拠が、ホロコーストだったわけです。
すると、あれ、歴史的な悪に共産主義がちょっと加わっただけで、基本的にはナチスを絶対悪とする、あるいはホロコーストをヨーロッパ最大の悲劇として扱う、という点については変わってない、という話に見えますよね。
まず考えていただきたいのは、元々は、ナチスとホロコーストだけで成り立っていた悪の存在に、この2019年決議で共産主義が加わったわけです。
ここで、決議文のE項を見ていただきたいのですが、
E項:ナチス政権の犯罪はニュルンベルク裁判によって評価され罰せられたが、スターリン主義や他の独裁政権の犯罪についての意識を高め、道徳的評価を実施し、法的な調査を行うことが依然として緊急に必要である。
ここで重要なのは、先ほどみたように、ホロコーストをものすごく重要視しているんですね。
ところが、ナチスの犯罪、つまりホロコーストも含めて、ニュルンベルク裁判で「評価され罰せられた」と言いきってるんですね。
つまり、ナチスとホロコーストについては、もう裁判で決着ついたので、これ以上話を大きくしません、と言っているというのと同じになります。
一方で、スターリンや共産主義独裁の悪事については、今後もどんどん暴いていく、と言っています。
つまり、今回の2019年決議では、ホロコーストがG項、3、9、10と、しつこいくらいに強調されているんですが、その中でも、9項では、ホロコーストの「軽視化」を防ぎましょう、という話をしているんですよね。
「軽視化」を防ぎましょう、というのは、つまりホロコーストなんか大したことなかったんだ、というイメージを持たれないようにしましょう、という話ですよね。
では、なぜこれほどまでにしつこいくらいにホロコーストを強調して、わざわざ「軽視化」を防ぎましょうと言わなければならないのかというと、共産主義という新しいテーマが入ってきたからですよね。
新しいテーマが追加されわけですから、どうしたって、ホロコーストが占める悲劇の割合、これまでとは、比較的「軽視化」されることが目に見えているから、ですよね。
決議文を見ると、ナチスとホロコーストの話は、ニュルンベルク裁判で決着した、と言ってるわけです。
つまり、ホロコーストの話をこれ以上盛り上げることもできなくなってるんですね。
一方で、今後、スターリン主義や独裁政権の犯罪については、今後もどんどん暴いていくと言っているわけです。
つまり、この2019年決議は、共産主義という新しい「悪」が加わったことで、事実上、ヨーロッパ唯一の悲劇であったホロコーストを「軽視化」した決議文なんですね。
というわけで、ホロコーストの「軽視化」を防ぎましょうと言いながら、
実は、欧州こそが、公式でホロコーストを「軽視化」した決議文を策定したということになるわけです。
というわけで、この話は次回につづきます。
ちょっと、ここから余談です。
この前、年末に、イスラエルで、ミス・ユニバースの世界大会がありましたよね。
日本代表が、なぜかイスラエル人のデザイナーさんがデザインした衣装を着たんですけど、それが、○に装束だった…、という出来事があったんですよね。
一つ、このイスラエルの方に言いたいのは、日本人に○に装束を着せて喜ぶのは自由なんですが…、
日本の周辺には、過激な反日デモやったり、なぜか旭日旗を燃やしたり、ミサイルをぶっ放してくる国もあるくらいですからね。
とにかく、このホロコーストについては、日本人に文句言うのはお門違いで、ヨーロッパの貴族様たちに、文句言った方がよほど建設的だと思いますけどね。
今も昔も、今後も、ホロコーストをどう扱うか、それを決めてるのはヨーロッパの貴族様たちですからね。
日本人に皮肉や怒りをぶつけたところで、何も変わりません。
怒るんだったら、セレブの欧州議員の貴族様に訴えた方がいいです。
*情報もと、素材もと
欧州の将来のための欧州の記憶の重要性に関する2019年9月19日の欧州議会決議(2019/2819(RSP))
European Parliament resolution of 19 September 2019 on the importance of European remembrance for the future of Europe (2019/2819(RSP))
(Googleなどでページごと日本語化すると見やすいです)
「せめて左前はやめて欲しかった」ミス・ユニバース日本代表の“伝統衣装”に批判続出 2021/12/13(月) 19:02
*以下はwikiより
ホロコースト