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「アップルパイの午後」座談会🥧|役者編①

2023年5月某日、都内某所にて 「アップルパイの午後」座談会 を開催しました!
作品のことはもちろん、稽古の様子やお互いの印象など、ここでしか聞けない話がたくさん聞けました。

その様子を今日から5日間に渡ってお送りします!
座談会進行は、「稽古場観察日記」のお届けもつとめます佐々木明音です。

▼稽古場観察日記はこちら


───本日は「アップルパイの午後」座談会にご参加いただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。(拍手)

───稽古がはじまってどれくらい経ちますか?

佐藤:一か月くらいですか?

翠月:4月中旬に顔合わせしたから……1ヶ月半ぐらいかな。

───一か月半ほど稽古してみて、みなさんいかがですか? 楽しんでいらっしゃいますでしょうか?

宮崎:ちょー楽しい!

一同:(笑)

───よかったです(笑)尾崎翠の『アップルパイの午後』は昭和初期に書かれた作品ですが、今作では翠月さんが脚色を加えて、新たな男女が描かれています。この作品の魅力はどんなところにあると思われますか?

宮崎:そうですね……。
原作部分も丸々残しているから、昔の小説の文体とか、会話とかがそのまま残っているのがとても味があるところですかね。自分自身が喋っていても「この言い回し、いいな」とか、「この語尾、いいな」とか感じるところが多いです。
あと、脚色されて追加されたシーンもその雰囲気にすごくマッチしていて、うまくハマっていると思います。
さらにそこに色んなテーマが込められているから、自分はすごく好きな脚本だなと思います。

翠月:やった~

藤井:私は、勝手に尾崎翠さんの作品って難しいんじゃないかなって思ってたんです。タイトルとか名前は聞いたことがあったんですけど読んだことはなくて。「戯曲があるんだ!」ってことも今回初めて知って。それで、読んでみたら、意外と全然現代でも分かる、というか。短いし難しくない原作だなという風に感じました。
プラス、今回のオリジナルの脚本が加わっていて、特に私が好きなのは、瞳さん(翠月)が書いた、リズムでちょっとずつ台詞が変わっていく、韻を踏んだりっていうところです。
こういう戯曲をやったことはなかったので、自分の台詞かどうかに関わらず、耳で聞いていてもすごく心地よくて、それが原作の部分とリンクしていくのがおもしろいなって感じてます。

翠月:ありがとうございます!

佐藤:僕は、みやしゅー(宮崎)が言っていたことにも近いんですけど、日本語の言葉の美しさって、本当にすごいなって思って。一言でも色んな表現ができたりとか、情景を表すのに相応しい言葉を充ててたりとかって、日本語ならではの美しさだなと感じていて。
この作品にはそれが如実に現れていると思います。原作部分も、瞳さんが書いた部分も、違った美しさがありますよね。
『アップルパイの午後』の原作部分は、当時の言葉で描かれている美しさであって、瞳さんが書いたのは、現代のなかで活かされている美しさで。瞳さんがラップやってたっていうのも活かされていると思うし。
そういう、色んな言葉を知れる、感じられるところが魅力かなと思います。

───みなさん、ありがとうございます。では、翠月さんはご自身でいかがですか?

翠月:みなさん脚本についてお話してくださったので、私もそれでお話しますね。
原作が書かれた当時、尾崎翠さんが作品の中でやろうとしていたことも「モダンとクラシックの融合」なのかなと思う点があります。
創作の過程で、尾崎翠さんは古典とか日本文学へのリスペクトがあるうえで、それをモダンな東京でいかに描くかということを考えていた作家だということを知りました。
自分がやろうとしていることは、若くて青い挑戦だけれど、かつての作家たちもそういう風に作品を生み出してきたのかと思うと、共感するところがあります。
今回皆さんの力を借りて、文学ではなく演劇という形を取って、「モダンとクラシックの融合」と銘打っているけど、「その地点に到達できたら」って、それを目指しているところが魅力の1つなのかなと思います。

……


今回はここまで。
次回の更新では、
・演出の二分化について🎭
役者のみなさんに率直な意見をお届けします。
お楽しみに!

佐々木明音

▼続きはこちら


翠月瞳自主企画vol.2
「アップルパイの午後」

尾崎翠の代表作『アップルパイの午後』
共同演出・生演奏で舞台化!
モダンとクラシックの融合を試みる新たな挑戦。

2023/6/16(金)~6/18(日)
@スタジオ空洞(池袋駅、西口徒歩7分)

🍎チケット予約🍎
ticket.corich.jp/apply/261098/

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