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「アップルパイの午後」座談会🥧|役者編④
本日も、「アップルパイの午後」座談会 をお届けします!
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前回は役者さん個人の印象についてお伺いしましたが、今回は役のペアの印象についてです。
作品の見どころが垣間見えるお話が聞けますよ👀
座談会進行は、「稽古場観察日記」のお届けもつとめます佐々木明音です。
───では、お互いのペアのことはどう思っていますか? 「男と女」ペアから見て、「兄妹」ペアはどんな印象ですか?
翠月:それこそ、敬愛する作家の作品を立ち上げるってなったら、原作部分のキャスティングってすごく大事じゃないですか。原作に漂う空気感とか、クラシックな雰囲気とか、言葉を大切にする仕方とか、お芝居にまざまざと出るんだろうなと思ったから、お二人をキャスティングしたんです。
原作を読むだけでももちろん楽しいけれど、お二人は「待望の実写化」の感じだとおもいます。お二人が、私の原作への夢を広げてくれる感じがしています。
作品の中で、私が演じる「女」は、この兄妹を「理想像」として見ている位置にいるんですけど、ほとんどそのような気持ちで二人のお芝居を観ています。
───原作のイメージとぴったり、ということですか?
翠月:ぴったり、じゃないの。自分の想像の枠を超えてくれる二人、という感じがします。
だから、なおみん(藤井)が言っていたように、現代に通じる部分もあるし、テキスト(原作)を大事にしてる部分もあるし、という両方の要素を持ち合わせたシーンに観えるんだと思います。
佐藤:僕は、実際にやる前、原作部分はクラシカルなシーンになるだろうなと思っていたんです。でも、二人の持つ個性だったりとか、表現の仕方で、ポップなシーンになっていて。だから、そういう意味で、僕も想像が広がる、思っていたのと全然違うなと感じています。
みやしゅーってすごくアイデアが豊富なんです。
藤井:だから毎回笑っちゃう(笑)
佐藤:そう(笑)一回稽古で、僕が妹役をやってみたことがあったんですけど。
翠月:色んな目線を経験してみよう、って試しにやってみたんだよね。
佐藤:僕は「なおみんはどうやってたかな」って考えながらやってたんだけど、みやしゅーは普段と全然違う角度から来て、「そう来るか!」と思わされたんです。それに乗っかってみたら全然違うシーンになって。そういう意見を求められる場面での発想がおもしろいな、と。
なおみんは……かわいらしいんだよね。
一同:(笑)
佐藤:妹のいじらしさとか、恋に対して初心な感じとか、そういうのをすごく上手く表現していて。それって、なおみん自身が持っている個性だし、空気間だし、素敵だなと思います。
そんな二人に勉強させてもらっています。
宮崎・藤井:いやいやいや……。
佐藤:良い刺激を受けてます。
───ありがとうございます。では、兄妹役のお二人から見て、男と女役の二人はどうですか?
藤井:原作部分には無い役だから、はじめ戯曲を読んだときは「この人たちは誰なんだろう」と思いました。だんだん稽古を重ねていく中で見えてきたこともありますが。
兄妹ペアとは正反対というか、お芝居の雰囲気とか、会話の内容も全然違うし、私たちのシーンとは違って、「重み」みたいなものがあるなと思っています。あと、役の年齢も実年齢もお二人の方が上なので、そういう雰囲気の違いも、すごいなと思います。
特に「妹」役と「女」役との繋がりを感じながら、お芝居していて。瞳さんが書き加えたパートに、原作パートはどんな繋がりを持たせたらいいのかな、とか考えながらお芝居しています。
あとは、シンプルにお二人ともお芝居がうまい!
佐藤:またハードル上げられちゃった(笑)
藤井:オーラっていうか、持っている空気が私たちとは全然違うので……。それだけで、なんか観れちゃう。
翠月:へえ~
藤井:お二人のパートはモノローグが多いじゃないですか。だけど、それも観れちゃう。ずっと観ていたいなってなります。
宮崎:お二人とも言葉を大事にされているんだなというのが、ひしひしと伝わってきます。だからすごくお二人の台詞はズシズシ重いんですよ。言葉の持つ重みをしっかり分かっていらっしゃる、丁寧に日本語を喋っていらっしゃるから、「あ〜いいな〜」と思います。
普段は一概に芝居が上手い下手って言いづらいんですけど、お二人は単純に「上手い」と思えるから、自分も引っ張り上げられるんですよね。「うわ、追いつかなきゃ!」って。
藤井:分かる!
宮崎:「負けてられない」って思うんですよね。メラメラ燃えちゃうって感じ。
藤井:私はそれをみやしゅーにも思ってます。
宮崎:ええ!?
翠月:いい稽古場だ!
藤井:上手すぎて、稽古の動画を見返す度に「やばい……これ一人浮いてるぞ……」って。
宮崎:いやいやいや! 直美さんにもです、僕は全員に対してメラメラ燃えてるんですから!
本当に僕っていう人間は嫉妬深い人間で、特に演技のことになるともう、燃えたぎってしまうんですよ!(笑)
それに、お二人(翠月・佐藤)は精神的にも、実年齢も少し上だから、頼りになるっていうか、引っ張っていってくれる。
藤井:わかる。
宮崎:安心しますよね。
佐藤:(翠月に)よかったね~。刺激し合えてるんだね。
───原作とはちがってポップな兄妹と、翠月さんの言葉で描かれた「ズシズシ重い」二人が、どのように関わりあってくるのか、上演が楽しみです。
翠月:ありがとうございます。
今回はここまで。
次回の更新は役者編ラスト!
お楽しみに!
佐々木明音
翠月瞳自主企画vol.2
「アップルパイの午後」
尾崎翠の代表作『アップルパイの午後』
共同演出・生演奏で舞台化!
モダンとクラシックの融合を試みる新たな挑戦。
2023/6/16(金)~6/18(日)
@スタジオ空洞(池袋駅、西口徒歩7分)
🍎チケット予約🍎
ticket.corich.jp/apply/261098/