スマートフォン遍歴とSonyのモバイル部門に思うこと

Xperia 1 VIが届いてちょうど2週間経ちました。
スマートフォン遍歴を紹介しつつ、現在のソニーのモバイル部門について書いていきたいと思います。


スマートフォン遍歴

初めてスマートフォンを持ったのは docomo Xperia SO-01Bでした。
すでにiPhone 3GがSoftbankで発売されスマートフォンへの注目が高くなっていたタイミング。
そんな中、当時のソニーエリクソン初のAndroid OS搭載スマートフォンがこのXperia。
X10の型番は知る人ぞ知る、ファンに愛された機種です。
このX10については後にも語ることがありますね。
当時はまだスマートフォン向けのプランがdocomoにはなく、i-mode対応のいわゆるガラケーが主戦場でした。i-modeメールを受け取るのにmopera Uを契約してiMoNiを使っていましたね。
それ以降、回線を増やしたり減らしたりをしつつ、以下のような機種を使ってきました。

  • Xperia ray(SO-03C)

  • Xperia SX(SO-05D)

  • Xperia Z(SO-02E)

  • Xperia Z Ultra(SOL24)

  • Xperia Z3 Compact(SO-02G)

  • Nexus 5X(Google/docomo)

  • Xperia Z5 Premium(SO-03H)

  • Xperia XZ(SO-01J)

  • Pixel 3(Google/docomo)

  • Xperia 1 III(XQ-BC42)

  • Xperia 1 VI(XQ-EC44)

見事にソニーとGoogleです。

黎明期から没落まで

もともとXiのデータ端末回線だったSIMを家族から譲渡してもらってSXを買い増ししてdocomo端末買ったりiPad Proに機種変更したり、Z Ultraを買うのにauを契約したりとかいろいろしてました。今は1回線だけですけど。
ray、SXあたりでAndroidそのものへの興味も出て、ちょうどZを買ったあたりで職業としてAndroidアプリをメインとしたプログラマーになりました。
そういうのもあってNexus 5XやPixel 3なんかも買ってます。どちらも良い機種でした。
Xperia XZからPixel 3に移ったのはソニーも認める「Xシリーズの失敗」。
Xperia Xが発表されたとき、ファンの大多数は不快感を覚えたと思いますがその一人です。
Xperiaにおいて「Z」と「X」を冠するのは、それぞれ意味合いは違いますがかなり重いものなんです。
「Z」はソニーにおいてはvaioで「究極』の位置づけなので、当時まだvaioがソニーのノートパソコンブランドだった時点では「Xperia Z」って相当な衝撃だったわけです。Xperia ZシリーズはZ、Z1~Z5まで7世代に渡りました。
その「Z」の終焉後、発表されたのが「Xperia X」ですがこの「X」、無印がミドルレンジでした。
この命名と立ち位置に、僕を含めたXperiaファンは「これはまずくないか」と思ったはずです。
いわゆる無印をベースモデルにしたかったのはiPhoneと同じモデル展開をしたかったのかなと想います。その証拠に国内では「Xperia X Performance」を発売していますから。
ただ、すでに「Z」を出してしまっている以上、ユーザーは「X」を簡単には受け入れられません。
「どうせZが必要になる」と思っていたところ、案の定次に出たのが「Xperia XZ」だったあたり、本当にこの頃のソニーモバイルは迷走に迷走していました。
あと「X」を冠してしまったのも本当に良くなかったです。
ソニーフリークにとって「Z」が大事なものであるのと同時に、Xperiaファンにとって「X」がかなり大事なものでした。
Android黎明期に発売された「Xperia X10」は、本来アップデートされない予定だったAndroid 2.3に対応したアップデートがされています。
docomo版であるSO-01BはAndroid 2.1止まりなんですが、この頃のAndroid端末がユルユルなのでrootも簡単に取れますし、海外発のカスタムROMの導入も楽でAndroid 2.3ベースのROMを焼くことができました。
そういう背景もあり、初AndroidのXperia X10を使ったことがある国内外のユーザーは、端末名に「X」を入れるというのは相当なことだという認識をしてたわけです、Xperia X発表前までは。
めちゃくちゃ愛された端末なんですXperia X10って。
なので、Xperia Xが出たときは本当に残念だったのを覚えていますし、XZが出たときに「結局Zに頼らないといけないんだな」って想いました。

One Sonyの体現から今に至るまで

Xperia Xの思い出話が長くなりました。
XシリーズはXZは買ったもののその後は買う気がさっぱりなくなり、お仕事の都合もありPixel 3に変えました。
その翌年、Xperiaに大きな変化がありました。「Xperia 1」の発表です。
Xperia Xシリーズの展開を「失敗だった」と認め、シェアは追わず、ソニー好きの人のためにソニー全体として作りたいものを作る、それがXperia 1でした。
ソニーのモバイル事業も含め、ソニーは「One Sony」を謳っています。特に色濃く出ているのがモバイル事業だと思います。
そのコピーからフラグシップ最上位が「1」なんだと個人的に思っていて、ここに想いとロマンを感じます。
初代1から始まった21:9のシネマトワイドディスプレイは、アイコニックでこだわりだったんだろうと察します。
さらにαシリーズのカメラUI踏襲や、ブラビアの技術とマスターモニターと同等の品質、4Kへのこだわり。映像作品への波及を期待していたんだと思います。
しかし新型コロナウイルスによってソニーが思い描いていた方向とは違い、家で過ごすことが中心のライフスタイルに拍車がかかったこと、特に日本では一部屋が大きくなく4Kを享受できる大型ディスプレイの普及がそこまでだろうということ。
21:9ディスプレイは思った以上にウケが良くなかったようです。恩恵はなかったですが個人的には好きでした。
様々ありましたが、Xperia 1~Xperia 1 Vまでは失敗だったとまでは思いません。特にXperia 1 IIIまでは好意的な意見も多かったと思います。自分もXperia 1 IIIは買ったわけですし。
ただそこからの3年でこの界隈ではより異質な存在になってしまったのでした。
しかし、これはガジェット好きな人から見た視点。
Xシリーズの発表時に打ち出していたエントリーモデルの投入は、Xperia 1と同時に国内でも果たされました。「Xperia 10」です。
Xperia X発表時、Xperia XAという機種も発表されたのですが、こちらは国内発売に至らず、以降の後継機も発売されませんでした。※1
ところがこのXperia 10、国内の端末販売事情が様変わりしたことと、後継機の電池持ちの良さ、国内メーカーといういろんな要因があり、端末の価格とは裏腹に結構指示を得ている模様。

主戦場が思ったところと違う話

この記事を書こうと思ったキッカケはXperia 10 VIの価格比較動画です。
40~50代をターゲット層に、ということだったのですが、これ見立てが違うと思いました。
個人的にXperia 10と競合するのはPixelで、特にaシリーズです。ここのボリューム層って60代以上だと思っています。
40~50代って現役世代なのでiPhoneだったらPro Max買いますしGalaxyだったらS24 Ultraにするはずです。金持ってるんで。
スペックにはうるさく、コスパ重視に中華スマホを視野に入れることを厭わない印象がある世代です。
そこでPixel 8aの購入層はもっと上だと思っていて、このあたりの方はスペックって全然見てない印象があります。いわゆるガジェ好きが気にするスペックのところです、SoCだベンチマークだ、とかその辺です。
しかもPixelの値段が跳ね上がったことで価格帯に差がなくなってきました。

Xperia 1/10 VIの市場動向と1年後

Xperia 10 VIはキャリア版がちょうど発売されたタイミングなので来週が楽しみなんですが、Xperia 10 Vがdocomoでランキング上位に返り咲いたことで結構台数見込めるのでは?という気がします。サポートも伸びましたし。
ガジェ好き層からもXperia 1 VIの仕様変更が好意的に捉えられてる印象です。
キャリア版の発売から1ヶ月経ったドコモオンラインショップのランキングでTOP10以内にXperia 1 VIがまだいます。
2024年度がどうなるか。2024Q3/Q4決算が今から楽しみです。
Xperia 1 VIの利益と、10 VIの台数、どちらもうまくいって初めて先が明るくなるのかなと思います。
個人的スマホ歴史はXperiaから始まったので、末永く、国産メーカー最後の砦として頑張ってもらいたいところです。AQUOSが国産?認めません。

※1 そういえば、結構XAシリーズを国内でも、というのは結構目にしていましたので、展開されていたら今の「1/5/10」展開とは違っていたかもしれませんね。

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