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水になれたら


体の中に内臓が入っていることを実感する瞬間が大嫌いだ。
お腹の奥で臓器の生暖かさを感じる。
この肌の下にぬめぬめとした内臓が入っているんだと思うとぞっとする。


『泥水の涙を流す人なんていないわ』
大好きな山田詠美さんの小説の中の台詞。

でも、私は自分の涙が泥水のように(下手すれば泥水よりもっと汚いものに)感じるときがある。


なにか透明で冷たいものになりたい。
一点の濁りもなくて、ぱきっとしているような。


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