読書:『かつらの合っていない女』レベッカ・ブラウン

書名:かつらの合っていない女
著者:レベッカ・ブラウン
絵 :ナンシー・キーファー
訳者:柴田元幸
出版社:思潮社
発行日:2017/09
http://www.shichosha.co.jp/newrelease/item_1919.html

 レベッカ・ブラウンの最新翻訳小説。久しぶりです。
 掌篇集ですが、1篇1篇がごつい。さっと読み流せない。
 そして読むとすぐ読み返したくなる。咀嚼のために。
 柴田元幸さんも書かれていますが、エンドレスに読めそうな不思議な本でした。
 ナンシー・キーファーの絵もすごい迫力なんですよ。
 闇の中から飛び出して来ているような顔、顔、顔。

 なにが起きる、という話ではないんですよ。全部。
 たとえば誰かの生の心の声を引きずり出したような作品ばかり。
 そして彼らはみんな苦しみをかかえている。
 こんな書き方があったのかと新しい扉が開く心地を味わいました。
 読んだほうがいいですよ、これ。
 なんだこれ、と思う人もいるであろう一方、とても大切な本になる人もいそうです。

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