先鋭化するTwitter……もう駄目かもしれない

　Twitterに対する違和感はもう何年か前からあって、それで現在はTwitterでの発信は基本的にはやめてしまい、他人のツイートをリツイートするばかりに特化してしまったのだけど。
　ここ数日（つまり安倍氏殺害事件があってからですね）、また違和感が急激に大きくなってきています。

　簡単に言うと、先鋭化しているように感じるのですよね。
　そう思ってあらためて考えると、Twitterはそもそも先鋭化させやすい仕組みになっているのではないかと。

　とにかく大勢とつながって下さい、というのがTwitterが推している姿勢であると思いますが、無秩序にどんどんフォロー・フォロワーを増やしていくということは実際にはあまりなくて、自分の思考・嗜好・思想に近い人とばかりつながっていく形になるのが多いのではないでしょうか。
「おや、おかしなことを言っているな」という人のフォロー・フォロワー、あるいは「いいね」を見てみると、だいたい同じ系統の人ばかり。とかですね。そういうことがよくある。それを見て、ああなるほどね……と思ったりはしますよね。
　まあそれはぼく自身もそうだとは思うけれど。そりゃあ自分とまったく異質な人とつながることは、あまりしないですよね。
　いっときは比較的多様な人とつながったとしても、少し経つうちに絞り込まれていく。

　その結果として、同じ意見、同じ思想の人ばかりに取り囲まれることになっていく。
　まわりがイエスマンだらけになっていく。
　そうして、同じ意見、同じ思想で構成された集団が形成されていく。
　その集団でもって、思想が同じ方向に驀進していく。
　つまり先鋭化です。

　こうなってしまったら考えが誤った方向に向かっても修正されることはあまりない。そもそも誤りと気づかない。なにしろ周囲がみんな同じことを言っており、自分が発した言葉にもどんどん同意してくれるのですから。完全に井の中の蛙状態、イエスマンに取り囲まれた状態です。

　そして彼らは、自分が所属するこの集団から出た話は、ほぼ鵜呑みにして頭から信じ込み、確認も取らずそのまま拡散する。逆に、この集団とは意見を異にする意見は脊髄反射的に否定する。言うまでもなくこれは危険な兆候です。

　最近、「なぜこんな結果になるのだろう。自分の感覚とはずいぶん違う」などとおそらく選挙結果を受けて言っている人を見かけたのだけど、これなど、まさに自分の狭い身の回りしか見ていないからこういう感覚になるということですよね。自分の狭い身の回りだけが全世界になってしまっている。けれどもそのことにすら気づかず、だから「なぜだろう」などという感想が出てきてしまう。

　Twitterは誰とでもつながることができるツールですから、こうして形成された集団「外」からコメントされることも、もちろん多々あります。
　あまりにも誤った情報を流している人を見かけてさすがに我慢できなくなり訂正を入れにいったことなど、実はぼくもあります。
　すると、多くはブロックされますね。聞く耳もたず、です。

　あと、コメントを見えないように消されてしまったりする。
　これ、本来は明らかに迷惑行為をするアカウントから身を守るための機能ですが、とにかく自分に否定的なものを問題無用に消すとか、そんな使われ方がされてしまっている。
　これは実に困った機能で、明らかに誤った情報を流しているアカウントがあってもそれに訂正情報をつけられず、そしてそのまま拡散されていくことになってしまう。まるでデマ拡散を支援するかのような機能とも言えます。

　さらに悪いのは、Twitterの匿名性と、その気になれば無限にアカウントを用意することも可能であり、アカウントの売買すらされているというところで、これにより「集団」をより先鋭化させることが可能となります。
　まったく同じ文章を書いている大量のアカウントが出現している、などということがよく見受けられますね。

　Twitterの本来の利点は、誰でも気軽に参加できるということや、その自由性などにあって、多くの人々の多様な意見や情報を得られる、というところにあると思いますが、結果的には、むしろ逆に、思考の偏った集団を形成し加速するツールとなってしまっているのではないだろうか。

　そして、昨今、こうして形成された集団が不快なレベルで目に付くようになってきており、それが、ぼくのTwitter離れ、「もう駄目かもしれない」と題した、その大きな原因となっています。

　なんだか、Twitterディスりのような話になってしまいましたが……
　最初に書いたとおり、Twitterに対する違和感はかなり以前あって、もやもやしてきたことはほかにもいくつかあるのですが、今回はこれで。気が向いたらほかの話もまた書きたいと思います（もしも気が向いたら）。