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読書:『フォーリング―墜落―』T・J・ニューマン
書名:フォーリング ―墜落―
著者:T・J・ニューマン
訳者:吉野弘人
出版社:早川書房
発行日:2022/03
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015074/pc_detail/
ハイジャックもの。機長の家族が人質に取られて、機長は毒ガスを機内にまくよう脅迫される。
ハイジャックと言えば飛行機内にテロリストが乗り込んで人質を取るのが常套で、この小説ではテロリストが「基本的に」飛行機の外にいて飛行機の外から機長を操ろうとするのが新しいと言えば新しいか。
けっこう鳴り物入りのような印象があって、図書館でもバンバン予約が入りまくっているので読んでみたのだけど……どうなんでしょう……展開は強引だし、そのわりにはシンプルで何のひねりもなく、おおかた予想通りに進んでいく物語。そして書き方は下手だと思う。どうでもいいなと読み流した部分も多く。
こいつはやばいなと思った登場人物は案の定やばくて、こいつは実はいい人だろうと思った登場人物は案の定いい人(笑)。
少しだけ驚いたのは、しゃべってはいけない「ハイジャックされた」ということを数分後にあっけなくペラペラしゃべって、あっというまに広まってしまうところ。誰にも言えない状態でもっと苦しむのかと思ったら。
映画権をめぐって激しい争奪戦があったらしいが、確かに映画的な作品。とてもアメリカ映画的な作品。もうそのまんまと言ってもいい。といえば、ある意味、わかる人にはわかるかと。そういう感じの作品なのですねと。読み終わった感想としては、くだらなかった……でした。
あと、作品自体とは関係ないけれど、客室乗務員であった著者が、乗客が眠っているあいだ(ということは飛行中)にこのハイジャックの話をコツコツと書いていたというのが、なんか少し面白いと思いました。
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