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「もういっぽん!」23巻まで読んでしまいました。
現在の最新刊23巻まで、ついに読んでしまいました。
「ついに」というのは読み終えたく(追いついてしまいたく)なかったから。先を読みたくて仕方がない、しかし読み終えたくない。したがってできるだけゆっくりと読む。そんな作品です。
絵もていねいでで、背景の細かいところも見逃せないのですよね。意外と重要な表現が背景に描かれていたりする。なのでますますゆっくり読むことになってしまう。
柔道マンガで青春もの。柔道と完全に青春につながっていて、ほぼ柔道ばかりのストーリーなのに「青春」が伝わってくる。涙腺が緩むシーンが随所にある。全力で物事に取り組み、ぶつかっていく姿は、こんなにも感動的なのだなあと。
物語は、未知たちが高校に入学し、廃部決定だった柔道部を再始動させてからの3年間。基本的には体を鍛え、試合に出て、体を鍛え、試合に出て……の繰り返しです。しかしそのあいだに様々な事件があり、ときに号泣しながら乗り越えていく。それがえらく感動的で面白い。
試合は3人体制だったり5人体制だったりするので敵チームのメンバーも一気に3人5人出てくるのですが、その描き分けもうまくてみんな魅力的。最初は敵チームとして登場するのでたいていは少し嫌なオーラをまとっているのですが、試合が終わるとみんないい子ばかり。再登場すると、おっという気持ちになる。この漫画で本当に嫌な登場人物はひとりもいないのではないかな。
話の作り方、最初はメンバーが足りなかったり、新入生が入ってきてからは逆に多くなってしまったりするのですが、「事件」とからめてうまく計算して配分しているなあと感じます。
読み始めたとき、この漫画のヒロインは氷浦永遠なんだろうなと思っていたのですが。いや、未知たちが高2になってから登場する姫コでした。姫コが登場してからもうかわいくてかわいくて。めちゃくちゃネガティブで、素直でなくて口も少し悪い子なのですけど。普段は素直でない姫コが素直になる瞬間がたまらない。
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あえて言うと、ここは女子校ですか!? というほど男子生徒がまったくからんでこない(ほぼ登場もしない)のが少しだけ気になりますが、まあ、そんなのは些末なこと。
長らく、女子柔道の漫画と言えば『YAWARA!』であったと思う。『YAWARA!』は当時読んでいて確かに面白かったのだけど、『もういっぽん!』のほうが上のような気がします。面白さもリアリティも。『YAWARA!』のように超絶強いわけでもない。ガンガン負ける。それがよい。
この漫画がもっと広まるようにという願いをこめて、この記事を書いています。
アニメも1期で終わってしまっていますが、原作ではこの先がもっと面白いので2期以降やってほしいですし。
現在23巻の時点で、主人公たちはもう高3になり、引退も見えてきています。それがさみしい。クライマックスはおそらく彼女たちの最後の金鷲旗高校柔道大会になるのだろうけど、やはりそれで終わってしまうのかな……。
未知たち主要メンバーが抜けたあと姫コたちがどうなるのかの物語も見たいし、進学や就職したあとの未知たちも気になる。できることなら第2部「もういっぽん!」を読みたいなと、そんな気持ちになる作品なのです。
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