読書:『脳釘怪談』朱雀門出
実話怪談。おおこれは面白い、というのと、なんかもういいよというのと。差が激しい。
人から聞いた話が多数なので、実際のところかなり脚色やら思い違いやらが、やはり入っているのだろうとは思いますが。その話した人自身が脚色しているということもあるだろうし。
実話怪談らしく、説明のつかない話ばかり。
まあそうだな、怪談ってこういうものだったよな……などと思いながら読み進めた。小説に慣れてしまうと逆にちゃんとしたオチを求めるようになるんですね。わけのわからなさは小説としては評価が落ちる。これは面白い気づき。
説明のつかない話ばかりだけど、内容はユニーク。事実は小説より奇なりではないけれど、創作としてはこういう発想はあまり出てこなさそうだなという話が多かったように思う。
道を歩いていると自分の顔が落ちている話。嫌いな人の生霊がしつこく写真に写り込んでくる話。呪いをかける寺に生贄として連れていかれた話。……あたりが面白かったかな。
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