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読書「ONE PIECE」1~90巻、一気に読んで思う、ルフィの魅力の謎

 アニメではところどころ観ているがコミックスでは読んだことがなかったので、90巻分まで無料公開になっていたのを機に読んでみた。ONEPIECE。

 面白いですよね。入り乱れる多数の奇妙な種族。さまざまな謎。陰謀。ロードムービー形式で、圧政に苦しむ人々を助けていくストーリー。
 ……まあ面白さについては今さらぼくなぞがわざわざ語ることもないと思うのでこの程度で。(あっさりと)

 一方でどうしても気になったのは、ルフィの魅力。これがどうもよくわからないんですよね。
 少年漫画の読者なんてのは、キャラクターが強ければそれでかっこいいと思ってしまうし、それが主役ならそれだけでフィルターかかって好きになってしまいがちなので、そこは(読者にとっての魅力は)わかるんですが、問題は作中人物に対しての魅力。

 仲間たちはもちろん行く先々で出会う人の多くがルフィを好きになっていくストーリーなわけですが……ルフィってどう見てもわがままで自分勝手ですよね。
 人の話は聞かず、きわめて大事な話の最中に寝てしまったり、プイとどこかに行ってしまうなんて普通。
 ルフィのよさってなんでしょう?

"人助け"はいいところだけど、それも自分の感情で適当にやっているように思えてしまう。ムカついたから。あいつは許さねえとか。そもそもまともに話を聞かずやっていることも多いので、間違えたほうを助けてしまうこともありうる。ストーリー上の都合でそういうことにはなっていないだけで。
 論理的に動いているというより、感情や感覚でやっているだけ、という印象が強い。

 大事なところで勘違いやおかしなミスなどでおふざけのようになってしまって、それが危機を招くことになるようなこともある。最終的にはいつもいい場面で現れて死闘を繰り広げて勝利し、それでやっぱりルフィはすごいぜーってなるわけですけど……

 仲間たちはわかるんですよ。大変だったところをそれぞれ助けられているし、一緒にずっと旅をし、一緒に闘ってきているんだから、そりゃあ好きにもなるでしょう。
 しかしほかの人たちはどうなのか? それもルフィよりはるかに年長で、それなりに壮絶な人生を送ってきた人たちが、ルフィを見てすぐ心酔してしまう、というのにどうも違和感がある。
 こう言ってはなんですが、おっさんたちはそう簡単には10代の若者に惚れこまないと思いますよ。時として自分の命を賭けるほど。

 そしてルフィが「仲間」を増やす判断も意外と適当で、ときには相手の気持もおかまいなしの強引さで、いったいどこまで本当に彼らのことを思っているのかと疑問もわきます。何度かある"抜ける"騒動のときも同様。結果オーライになっているだけで、実はとてもワンマン。

 そういう物語なんだよ。ならずものの海賊なんだからそれでいいんだよ。ルフィは理由なく人を心酔させる力をもった男なんだよ。それがルフィの素質なんだよ。こまけえことはいいんだよ。そういう王の素質なんだよ。
 そんなふうに言ってしまえばおしまいかもしれませんけれど……。
 ルフィが自分勝手だというのは作中でも書かれているので、これは作者の意図のうちなんですよね……。なぜこういうふうにしたのか……?

 なんにせよ、物語が進むうえで人間的な成長はもっとしてほしいなあと思うところです。最初は自分勝手だったけど、だんだん変わっていく、思慮深くなっていく、とかだといいですよね。それならば最初自分勝手だったことにも意味があるというものです。
 だってこのままの性格で成長していったら、間違いなく、厄介なおやじになりますよね。

 あ、あと、漫画は読みにくいです。絵がね。これは多くの人にさんざん言われているようですが。
 なにがどうなってどうなったのかわからないことしばしば。戦闘シーンなんか雰囲気で読む感じですね。なんとなーくルフィがやられているんだなー、なんとなく勝ったんだなー、とか。

 とはいえ、全体的にはやはり面白いです。目頭が熱くなったことも確かに何度かはありました。(と最後にフォロー)


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