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読書:『九時から五時までの男』スタンリイ・エリン

書名:九時から五時までの男
著者:スタンリイ・エリン
訳者:小笠原豊樹
出版社:早川書房
発行日:2003/12

 再読。この文庫が出た当時に読んだはずですが、まったく記憶に残っていなくて(面白かったかどうかも)ずっと気になっていたので読み返してみました。

 ストンとブラックなオチが来る短篇集。人間の本性がヌッと現れるタイプのブラックかな。面白いですね。幸せなオチは来ないので好みは別れるでしょうが。
 蚤の話まで読んで、これは記憶に残っていて、ああ確かに以前に読んだ本だと思いました。蚤の話は、オチ云々ではなく話そのものが面白い。ちょっとした蚤の擬人化ですよね。

 読んでいるあいだじゅうたまらない気持になり続けたのは「ロバート」。
 女性教師を意せずして追い詰めていく少年の話ですが、いや、たまらないんですよね、これが。少年の目的がまったくわからず。少年のわけのわからない言葉に追い詰められていっていることを周囲に理解されない女性教師もひたすら不憫で……



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